酒井晴太郎

AGRICUITURE ROCK'N'ROLL

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土の音を新しく聞け3"俺たちの明日"

 数学の先生にどなられた。宿題をさぼっただけで。とはいえオレは宿題さぼりの常習犯。クラスでオレ以上に宿題をさぼる勇気のあるやつはいない。高校一年生、まだ受験のことなんてそんなに意識してないし、テストの点とりゃ問題ないでしょ、と中学の頃からの変わらないマインドでここまで来たオレ。皆変わっちまった。高校生になっちまった。クラスでただ一人オレだけが中学生のままで、まるで大人になんかなりたくねえ、と社会に唾を吐く青年のように、高校生になんかなりたくねえ、と学校に唾を吐き続けている高校

    • 土の音を新しく聞け2"十七歳の地図"

       「なあ、なんでウンコって、おもしろいんだと思う?」  「はあ?知らねえよ。ウンコはウンコだからおもしろいんだろうが。」  「やっぱりお前はバカだな。いいか、世界はウンコとごちそうでできているんだよ。」  「T、お前の言ってることはいつも訳が分からないな。もう少し分かりやすく説明してくれないか。」  高校二年生、十七歳の夜、オレとTは部活終わりに合流して、2人でカラオケボックスに来ていた。2人でまず、一曲目に歌ったのが尾崎豊の"十七歳の地図"という曲。  ー少しずつ色んな意味

      • 土の音を新しく聞け1 "世界の秘密"

         「大学なんて入ったところで何になる?お前の人生は中途半端だ」  「うるせえ、オレの人生はオレが決める。行きたいと思ったから行くことにした、ただそれだけのことだぜ。」  2016年3月、オレは地元の進学校を卒業し、実家から通える距離にある国立大学に入学することになった。親友のTには、一緒に世界中を旅して歩こう、オレが料理は作ってやるから、と誘われていたのだが、オレは断った。一度切りの短い人生、そんな馬鹿げたことをしているヒマはない。オレは結婚したいし、子どもも欲しい。特別なこ

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      • 土の音を新しく聞け
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