[特許]公報発行国と出願人国籍の統計

こんにちは！特許調査の仕事をしてます、酒井といいます。この記事は「特許 × 国の統計」「統計を見るならEspacenetに軍配をあげたいです」という話を書きます。

「質問BOX」に頂いたおたよりです

Espacenetのフィルター機能のApplicant-countryは出願人国籍だと思いますが、PATENTSCOPEのanalysis機能におけるcountriesの方は、公報発行国でしょうか？
Espacenetで出願国統計、PATENTSCOPEで出願人国籍統計を見ることはできないのでしょうか？

質問BOX　https://pro.form-mailer.jp/fms/ada69f1e192184

おおお？

Espacenetで出願国（公報発行国）統計、見れますよ！

EspacenetとPATENTSCOPE、それぞれの統計機能でできる事は
次のようになっています。

Espacenetの方が統計項目自体が多いのと、
発行国／言語／発行日（上３つ）については　ファミリー単位／公報単位の切替もできる点が特色です。

Espacenetで出願国統計、PATENTSCOPEで出願人国籍統計を見ることはできないのでしょうか？

PATENTSCOPE で出願人国籍統計　はとれない

･･･です。
また蛇足ですが
PATENTSCOPEはユーザー登録＆ログインすると、ダウンロード機能が有効になります。そちらも確認しましたが、出願人国籍は出力されませんでしたので、
「PATENTSCOPEではどうやっても出願人国籍の統計は取れない」と考えられます。
(2022.09時点)

Espacenetの出願国統計は Countries の項目

･･･で統計がとれます。

それぞれの集計対象
Family　=　EPOファミリー代表公報（注：優先権基礎とは限りません)
Publication = 各公報　　になります。

Family単位／Publication単位の違い（同じ母集団でも件数に差が出ます）

ファミリー単位の集計では「代表扱いの公報」に件数集約されるので
「各国に何件出願されているか」という点では、Publicationを選んだ方が良さそうに思います。（公開／登録が別個にカウントされるかと思うので、それを避けたい場合は商用データベースを選ぶことになります）

余談：Espacenetで日付検索をしている場合

一昨年、うちの師匠（⇦一方的に弟子入り中）が
Search Matters 2020 で言っていたんですけど･･･

日付検索が入っていない場合は、普通に「Publication」「Family」でフィルターされるんだけど

そこに日付検索が加わると

カウントの条件が複雑になったりするし

「あと、Advanced searchのヒット件数と　フィルタで足した件数は違ったりするから、そのつもりでね！」と。

このあたりは、Family単位／Publication単位を切り替えている宿命、と言うのでしょうか･･･なかなか複雑になっていますが💦

普通に使う分には、そこまで細かく考えなくてもOK！な場合が
大半だと思われます。グラフ表示などもできるので、
楽しみながら使ってみてはいかがでしょうか？

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