見出し画像

知財価値とフットワークの軽さ

こんにちは! 特許調査の仕事をしてます、酒井と申します。今日は「知財の価値って、狙って作れる場合もあるけど、臨機応変力とか小回りとか・・・フットワークの軽さも大事かも」と思った話、について書きます。

最近「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針、改訂版)」で
「知的財産情報の開示」と、「知的財産への投資について監督する取締役会等」の義務が明示された、と話題になっています。

自分もこの機会に勉強しておきたいな、と思って
先日から、知財ガバナンス研究会に入れて頂きました。

昨日、初めて例会(オンライン)に参加して
いろいろな発表を聞かせて頂いた中で、
これは「具体的に、特定の発表を聞いて」ということではないのですが
「なんか・・・知財の価値を創造していくには、
 狙って作る枠組みもあるけれど
 臨機応変なフットワークの軽さも大事かも?」
と感じました。

そのとき、頭の中に浮かんでいたのは
知財ミックスの事例としても有名な
王子ネピアのティッシュペーパー「鼻セレブ」です。

商品の顔ともいうべき「商品名」。キャッチーでありつつ、購買意欲をそそる商品名が決まるまで、メーカーは試行錯誤を重ねている。しかし、中には世に出た後で“改名”し、バカ売れした商品も少なくない。

個人的には、この商品を思い出すたびに
「特許があるから、技術力が高いから、といって
 商品がヒットするわけではないけれど」
「商品が立ち上がって、後続が真似、パクリをしたくなった時に
 特許を含めた知財が盾になるのよねぇ」 と
頭の中で反復してしまいます。

「鼻セレブ」今の名前に改名したのは2004年とのことですが
それから16年後の 2020年に日本ネーミング大賞を受賞。

https://j-naming-award.jp/award/

そして、久しぶりに「鼻セレブ」のWebサイトを見て
「なかなかやりますね!」と思ったのがこちらの・・・

鼻セレブの「鼻屋敷」ですって!

2018年に期間限定開催されていたようで、全く知らなかったのですが
これ、ネーミングを上手に・面白く、かつ商品イメージに合わせて使ってるー!と感じました。

もちろん、商標もたくさん出ていて

確認できた中で一番新しいのは
黒ウサギの商品に使われてる「知らなければよかった鼻ざわり」です。

とりとめがなくなってきましたが、

特に「ものづくり」系の技術開発は、ある程度時間も要するので
数年先のニーズを見据えながら開発に着手して
特許出願戦略を立てる、といったところがあります。

これに対して「ネーミング」は、
ある程度瞬発力も大切なのかな、と思いまして。

たとえば「セレブ」という単語、過去のGoogle検索回数で見ると
鼻セレブ発売の2004年頃は、緩やかに検索回数が増えている時期でした。
「だんだん見聞きする機会が増えてきた目新しい表現」を
うまく商品名に取り入れたのも、成功の理由のひとつかもしれません。

「ものづくり」(保湿ティッシュの開発)をしている時、
同時にセレブブームを予見するのは、ちょっと難しそうです。

なので「ネーミング・商品名」の部分は
上手に時流に乗るフットワークの軽さや、
話題になりはじめたら、すかさず施策を重ねる
タイミングを逃さないことなどが大切で、
市場の反応を見ながら臨機応変に動ける事がとても大事なのだろうな、と
改めて感じました。

それでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?