新型コロナウイルスの出口戦略 ~治療薬がもたらす新しい「日常」~

■ 「ゼロコロナ」ではなく「ウィズコロナ」
8月に新型コロナウイルスの感染者数がピークに達しましたが、9月に入り感染状況も改善してきました。10月からは全国で緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の全面解除も行われ、新型コロナウイルスの出口戦略を実行に移していく段階になってきたと思います。自民党が考えるコロナ対策は、野党が言っているようなゼロコロナではありません。コロナがゼロになるというのは理想的ではありますが、現実的ではなく、今までの季節型インフルエンザとの付き合い方と同じように、いかに経済を止めることなく、重傷者数を増やすことなく付き合っていけるかが重要だと考えます。

■ 3回目のワクチン接種 (ブースター接種)
新型コロナウイルスワクチンの接種を2回終えた人の割合が人口の6割を超えてまいりました。11月前半までに希望者全員への接種完了も現実的になり、今後更なるワクチン効果が期待されます。また、3回目の接種(ブースター接種)に関しても、厚生労働省から自治体に方針をお伝えしています。「2回目接種を完了した者のうち、概ね8か月以上経過した者を対象に、1回追加接種を行うこと」が決まっており、早い自治体の場合、先行して接種した医療従事者を対象に12月から3回目の接種が開始される予定です。

■ 治療薬の開発状況
現在、メルク、ファイザーといった欧米企業を中心として、軽症者用の「のみ薬」の開発が進んでいます。メルク社が開発した「モルヌピラベル」の治験は最終段階に進んでおり、早ければ年内にも国内で使えるようになると聞いています。国内でも、塩野義製薬、中外製薬をはじめとした薬品メーカーが治療薬の治験を急いでおり、2022年中の実現を想定しています。
 今も、抗体カクテル療法という点滴型の治療薬がありますが、1回の投与の時間が長い、コストが高いという課題があります。のみ薬であれば、インフルエンザのタミフルと同じように自宅で短時間で摂取できますし、抗体カクテル療法に比べ大量生産が容易なので、コストの課題も解決できます。

■ ワクチンパスポートの活用
日本では7月からワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)が海外渡航者向けに自治体から発行されています。現在、デジタル庁が率先してワクチン接種証明書や陰性証明書をスマホで表示できるアプリの開発を進めており、年内には様々な場面での利用ができるようになる予定です。例えば、沖縄県石垣市では先行して、ワクチン接種証明書や陰性証明書を同市が開発したアプリで表示すると、飲食店などで特典を受けられるサービスを10月からスタートさせています。こちらは政府によるサービスではありませんが、このような活用も今後様々なところで見られるようになると思います。
一方、政府では、アレルギーなどの問題でワクチン接種ができない方々が差別されないように、ワクチンパスポート利用の業界別のガイドラインの作成を急いでいます。PCR検査での陰性証明書の取得を容易にしていくなど、ワクチン接種をした方だけが優遇されることのないようにしていく施策も欠かせません。

時報紙2021年10月号 NO.218-2はこちらから。

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