驚かんと聞いてくれ、俺お前の未来やねん|超短編小説
自分と瓜二つのやつが前から走ってきた。
今日は仕事が休みやから昼に起きて近所の公園のベンチでコーヒー片手にぼーっとタバコを吸ってたのに。この時間が好きやのに。
自分と瓜二つのやつが前から走ってきた。
おそらく自分と瓜二つのやつが出せるトップスピードで前から走ってきた。
全速力で走ってる自分こんな感じなんやとか思った。
瓜二つのやつは息を切らしながら俺の目の前で開口一番言った。
「驚かんと聞いてくれ、俺お前の未来やねん」
歯が全部なかった。
歯が全部ない人を初めて見るけどそれは俺やった。
「歯全部ないやん。驚かん方がむずいです」
なんかちょっと敬語なった。未来やし歳上ってなったからやと思う。
「いいかい、これからとんでもない事が起こる。何が起こるかというと…」
未来のこと説明するとき標準語や。
ーENDー
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