マガジンのカバー画像

超短編小説

7
笑ってもらえると幸いです
運営しているクリエイター

記事一覧

諦めんな!!|超短編小説|ショートショート

「諦めんな!!」 江口がゲキを飛ばしたのとほぼ同時に、試合終了のホイッスルは鳴り響いた。…

「賑やかな街やね」|超短編小説

田舎を離れこの街に出てきて3年が経った。 ほとんど信号もないようなところで育った僕も、3年…

お母さんとポケット|超短編小説

「うん、うん、そうか。そらあんた嫌やったなあ」 ボクは小学校であったイヤやったことをその…

細見茂65歳、勤続47年にして初めての遅刻|超短編小説

「頭あげてください」 若干30歳にして、従業員70人を越えたこの工場をまとめ上げるサトシ坊ち…

今日からお父さんが一人称を「ワシ」に変えた|超短編小説

今日からお父さんが一人称を「ワシ」に変えた。 いきなり変えた。 会社から帰って来たら変え…

フリスク1個ずつ出せるん知らんの?|超短編小説

「1個もうてええ?」 「ええよ」 俺は自分の持っていたフリスクの蓋を外して彼女に差し出し…

驚かんと聞いてくれ、俺お前の未来やねん|超短編小説

自分と瓜二つのやつが前から走ってきた。 今日は仕事が休みやから昼に起きて近所の公園のベンチでコーヒー片手にぼーっとタバコを吸ってたのに。この時間が好きやのに。 自分と瓜二つのやつが前から走ってきた。 おそらく自分と瓜二つのやつが出せるトップスピードで前から走ってきた。 全速力で走ってる自分こんな感じなんやとか思った。 瓜二つのやつは息を切らしながら俺の目の前で開口一番言った。 「驚かんと聞いてくれ、俺お前の未来やねん」 歯が全部なかった。 歯が全部ない人を初め