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ドイツのフランクフルトで国際書籍見本市「フランクフルト・ブックフェア」が開催されました。今年も様子を見てきたのでざっくりレポートしてみます。 10月16日から20日まで開催されたフランクフルト・ブックフェアですが、76回目となる今年は23万人(業界関係者+一般来場者)を動員し、世界153ヵ国から出版社など4,300ブースが出展しました。昨年よりも微増したようです。(主催者公式発表) ただ、コロナ前となる2019年の30万人超/7,450ブースの水準には戻っておらず、出展費用
ドイツで日本のマンガやライトノベル(ラノベ)の翻訳業に従事する60名を超える翻訳家たちが、低賃金問題の改善に向けて公開質問状(オープンレーター)を発表しました。背景には翻訳家個人とマンガ翻訳出版社による協議に限界があるようです。今回は、当事者の1人でもある翻訳家のアニャ・ヂュォンさん(以下、アニャさん)にインタビューを行い、クールジャパンの現場で今、何が起きているのか、話を聞いてきました。 公開質問状の内容ドイツにおける翻訳業界団体、ドイツ語圏文学学術協会(VdÜ)は202
ドイツでマンガやグッズが好調のようです。フランクフルトを有するヘッセン州の公共放送「Hessischer Rundfunk」は9月25日、「アニメ&マンガ:なぜファンはアニメグッズのために数時間も列に並ぶのか」というタイトルの動画を公開しました。 日本では、アニメやマンガの欧米事情というとアメリカやフランスの印象が強いようで、先日もアニメ業界の方からそういう指摘を受けました。 今回はこの動画に関連してドイツのアニマ・マンガ事情を改めて紹介してみたいと思います。 冒頭、ア
アニメ配信の世界最大手クランチロールは7月にユーザーによるコメント機能を停止しました。今回はこうしたオンラインの「口コミ」情報についてドイツから考えてみます。 きっかけとなったのは日経新聞で今月取り上げられていた小売大手「ドン・キホーテ」に関する記事です。顧客の声を重視しており、レビュー機能を充実させていると紹介されています。 そこで冒頭のクランチロールがコメント機能を停止した件を思い出したのです。ドイツのアニメニュースサイトの記事(日本国内からは読めない場合があります)
ドイツの首都ベルリンの隣に位置するポツダムでは今夏も大型アニメイベント「アニメメッセ」が開催されました。新興のイベントということもあり日本ではあまり知られていませんが、今年の反響をざっと振り返り、イベントの理念やポツダムで開催する意味について考えてみます。 「アニメメッセ」は正式名称を「アニメメッセ・バーベルスベルク」といい、ポツダムのバーベルスベルク地区で開催されるいわゆるアニメコベンションと呼ばれる、アニメや漫画ファンに向けたステージ/ワークショップ/物販/クリエーター
日本では今年に入り漫画にAI翻訳を活用し、海外展開を加速させるというニュースが増えています。各国語に翻訳する翻訳者は日本国外/現地在住の非日本人の翻訳家の場合が多いようです。彼らの意見は反映されているのでしょうか?翻訳家の協力や理解なしでこのまま進めても大丈夫なのでしょうか? 今回はこういった危惧を念頭に欧州の漫画/アニメ/ゲーム分野の翻訳家に匿名を条件にアンケート調査に協力してもらいました。回答を得たのは2名。便宜上、Aさん、Bさんとしておきましょう。 二人には以下の日
ソニー傘下のクランチロールにより、日本のアニメが海外進出する体制が整いました。とはいえ、大型配信プラットフォームならではの課題も見えてきたように筆者は感じています。今回はそのあたりの筆者のモヤモヤを明らかにしてみようと思います。 クランチロールは日本国外(一部地域を除く)で視聴可能なアニメ専門の配信プラットフォームです。日本では利用できないため、知名度はまだ低いかもしれませんが、年間アワードの授賞式を日本で実施するなど、ジワジワと知られつつあるのではないでしょうか? 筆者
ドイツ、フランクフルトの家電量販店ではアニメ『スパイファミリー』のアーニャのぬいぐるみが販売されていました。 アニメやマンガが世界を席巻していると言われています。業界各社の攻勢も連日、日経新聞などでも報じられています。 一方、海外事例というと、取り上げられるのは米国やフランス、中東などまだまだ限られているようにも思えます。今回はドイツ在住の筆者が欧州ビジネスの中心はどこにあるのか探ってみようという試みです。 アーニャの場合タイトル画像に使用したこのアーニャのぬいぐるみです
ドイツでは3月、ベルリンでアニメグッズを扱うFiguyaが大型店舗がオープンしたり、フランクフルトの隣町オッフェンバッハでポップアップストア「Doki Doki」が好評につき4月末まで会期を延長しました。いずれも、現地主導です。 日本でも、紀伊国屋書店が米国でグッズ販売を強化するなど海外進出の動きはあるようです。 一方で、昨年話題になった『週刊東洋経済』の特集号「アニメ 熱狂のカラクリ」では、アニメグッズの海外展開の難しさが報告されていました。 アニメグッズ等々の小売の
ドイツの公共放送ZDFはこの3月にアニメや漫画に関するクイズを主体とした番組「Tanoshii」(楽しい)を放送開始しました。傘下の子供向けチャンネルKIKAで放送されるとのことで、子供向けの番組かなと思ったのですが、実際は若者から大人まで楽しめる内容でした。 「海外でアニメが大人気!」 と日本で報道されると、海外の日本イベントに取材したコスプレイヤーのインタビューなどを見かけることが多いのではないでしょうか。各国のアニメやマンガの受容史が研究の対象となったりすることもあ
ドイツのルートヴィヒスハーフェンで2月29日、ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズの音楽を手掛ける植松伸夫さんのオリジナル楽曲によるオーケストラコンサート「Merregnon: Heart of Ice」の初演が行われます。アニメやゲームの世界観をリッチな音で楽しみたい。そういう需要が高まっているのかもしれません。今回はドイツの事例を参考にクラシックコンサートの可能性を考えてみます。 まず、このドイツのオーケストラコンサートについては、ドイツの有力紙『ツァイト』が植松伸
クリエーターの海外進出といっても何をしたらよいのでしょうか?クールジャパンと言われて久しいですが、具体的に「何が求められているのか/できるのか」という点についてはまだまだあまり知られていないかもしれません。今回は、ドイツのマンガファンが集まるイベントでの事例を取り上げて、考えてみたいと思います。 先にお断りしておきたいのですが、今から紹介するケースは筆者も協力したものです。つまり、客観的な分析というよりも、主観的な投稿となります。 日本国内の状況 日経新聞によると、日本
ドイツでは、アニメのブルーレイやグッズを販売する小売店が増えつつあります。何をいまさらと思われるでしょうが、ドイツでは小売店で販売するというビジネススタイルが長く定着しませんでした。 日経新聞によると、バンナムは海外の直営店を増やす計画だそうです。北米と中国なので欧州は含まれてませんが、ドイツもそろそろ検討したほうがよいかもしれません。 ドイツでは先日、ベルリンの老舗大型デパート「カーデーベー」が倒産し、破産手続きを開始しました。 同じベルリンでは、ドイツのフィギュア販
コロナ禍による規制が終了しても日本から海外に旅行に出かける人は伸び悩んでいるようです。旅行業界は、いわゆるインバウンドと呼ばれる訪日外国人観光客の増加や日本国内の旅行は需要が戻りつつありますが、課題は海外旅行だとJTBは指摘しています。(参考:日経新聞) 日本政府観光局が公開している統計データ「出国日本人数の推移」を見ても、2023年(11月まで)の出国日本人数は850万人程度と2,000万人を超えた2019年の半分でした。出張者も含まれていることを考えると、純粋に海外旅行
ドイツでもクランチロールなどのアニメ配信が充実し、ほぼリアルタイムで日本のアニメ作品を視聴できるようになりました。今回はドイツで今人気のアニメはどの作品なのかについて考えてみました。 海外で人気のアニメ作品はこれだ!という情報はたくさん本当にたくさんあります。アニメニュースサイトの運営者による評価だったり、読者の人気投票、自分が視聴した作品をリスト化して管理できるサイトのビッグデータ、アニメ配信大手クランチロールが評価、発表する年間アワードなど、実に多様です。 しかし、ど
海外で日本のアニメや漫画が大人気!と行った場合、イベントを紹介するニュースが多いです。ドイツのシュパイヤーで2023年6月、新しいイベントNonkiConが開催されました。今回は大聖堂の町シュパイヤーで感じた、気付いた諸々について考えてみたいと思います。 NonkiCon(ノンキコン)とはドイツ南西部ラインラント=プファルツ州の町シュパイヤーを拠点とする独日協会フォーダープファルツが主催する日本イベントです。コンセプトにおよそ「伝統と現代の邂逅」を掲げ、アーティスト、コスプ