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ラジオって、本当に、いいもんですよね!「波よ聞いてくれ」

ラジオっていいよね!

何がいいって、10年前に聞いてたラジオを久しぶりに聞いたら、一ミリも当時と変わらないまま放送を続けてたりするんですよ。

これがテレビだとそうはいかない。

まず10年もたてば出演者が老ける。そして視覚的な演出や装飾はどうしても時代によって変わりますよね。その点ラジオは、声はそう簡単に老けないし、演出もコーナーも、トークの癖なんかもそうそう変わらない。

テレビと違ってなんか他のことしながら聞くことが多いこともあって、こう、その時の行動とか雰囲気とセットで記憶に残ってたりなんかして。

あとあと、やっぱりタレントさんの素が見れる感じ。

タレントさんにもよるんでしょうが、テレビとは全然違う雰囲気だったりする人も多いですよね。ナイナイのオールナイトニッポンとかは昔驚いたなー。岡村さんとか、テレビのハイテンションと全然違う声の低さでしたからね。今思えば、あれが素なんでしょうし…。テレビと違ってじっくり話が聞けるから、必然的にどうでもいい細かい話まで聞けちゃったりするのもね。いいですよねー。

てな経験から、あえてかっこよく言おう、今と昔、誰かと誰かの「日常」をつなげてくれるのがラジオの良さだと。

ラジオという舞台を活かし、普通の日常のおもしろさを描く「波よ聞いてくれ」

まあ、私が見たのはアニメなんですけども。おもしろかったー!
どんなかというとですね。

主人公のドタバタ人生劇、ただしオチはラジオ番組で

この話の正体は、結局のところ主人公(26歳、女性、独身)の普通の人生を描いてるのみです。バイトと恋愛と貧乏に包まれて、割と普通の人生を送る主人公が、1話目にして急にラジオのパーソナリティに抜擢される、というところから始まるストーリーです。

その後も引き続き、普通の、まあちょっと過激目な人生を送りつつ、その中にネタを見出してはラジオ番組のネタにしたり、されたり…という形でストーリーは進んでいきます。進んでるのかな。進んではいないな。

なので、主人公の人生に起こった事件とかがただ描かれるだけじゃなくって、それをラジオ番組にパッケージした形で、最後にまとめてオチにするみたいな感じ。これがこう、軽快で面白いんですよね。

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「ラジオ」という触媒が、登場人物の日常を身近に感じさせる気がする

先述の通り、「ラジオのパーソナリティ」との距離感ってなんか近い気がしちゃうんですよね。テレビとかより、タレントさんを身近に感じる。

それと同じで、このアニメの主人公はアニメの中の人物でありながらラジオのパーソナリティでもあるので、普通の主人公より、なんか身近に感じる、(気がする)。ほんとにいそうな気がしてきますし、より魅力的にも感じるような気がしましてね。

アニメというそもそもの非現実の中で、ラジオ番組という更なる非現実を描いてる、はずなんですが、それが逆に現実感を生んでるという、こう書くと非常に不可思議な現象が発生しているわけですね…。

そうそう、これがラジオ、と思わせる数々のセリフ

あとはなんだかんだ言って、私もそれなりにラジオが好きなので、「やっぱラジオってそうだよね」と思わされるセリフの数々に喜んじゃうってもございます。

ラジオのいいところに、リスナーが基本好意的だってのがあるんですよ

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テレビの視聴者は「お客様」ラジオのリスナーは「参加者」

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ラジオの強みはリスナーとの距離だ

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アニメ最終話で描かれた、「日常」を象徴する存在としてのラジオのあり方

まあネタバレしてどうなる作品でもないので軽いネタバレも含みで書くと、最終話だけは少しテイストが違います。主人公のラジオ中に、大地震が起こる、という展開。

主人公も当然うろたえて、「私なんかがこの緊急時に」とバタバタしますが、「災害時は絶対に電波を止めるな」と指示をされ、情報とトークを交えてしゃべり続ける…という、ある意味それだけの話です。

それだけの話ですが、そのラジオの中で語られる一つ一つの言葉だったり、聞いている人のリアクションだったりに、「だからラジオっていいんだよな」と感じられるところがいくつもあって、うれしくなるんですよね。

「世界が真っ暗になっても、この放送はみんなとつながってるってことか」
「災害時こそ、いつものパーソナリティのいつもの声」

ラジオという舞台を活かして主人公を魅力的に描き、ラジオの良さ、ラジオの強さを伝えきった名作でした、「波よ聞いてくれ」。

特に、ラジオ好きな人はぜひ一度。

災害用の手巻きラジオ買っておこっと。

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