執事がいきなり 夢日記2024.2.9

 山中で遭難していた。
 さまよっているうちに偶然、一棟のビルを見付けた。古タイヤが何十本と積んであり、周りにガラクタが雑に置かれているので、こちらはビルの裏側なのだろう。
 僕は何も持たずに山に入って飲まず食わずで歩き回っていたらしく、空腹至極、疲労困憊である。できれば食べ物を分けてもらいたい。少し眠らせてもらえるだけでも。とにかく、お邪魔することに。
 裏口から入ってみると、挨拶しても聞こえないくらい騒がしい。コワモテの男たちが右往左往しながら、サツノテイレがどうのこうのと怒鳴っている。
 どうやらここは、反社会的な勢力のビルだったらしい。しかもタイミングが悪い。
 見つからないうちに退散しようと思ったのだが、構成員が歩いてきたのでとっさに、隠れた方が良い気がして出口とは違う通路に入ってしまった。
 人がいなくなってからさらに時間をおいて、もう大丈夫だろうと物陰から出ると、そこには、執事がいた。「執事」で画像検索すると彼が一番に出てきそうな、黒いロングテールコートを着た老年男性だった。思わず、セバスチャン、と呼びたくなるようなたたずまいは、反社会的な集団には似つかわしくない上品さをまとっている。
 事情を説明すれば出ていかせてもらえそうなので、話しかけようとしたら、執事がいきなり血相を変えて、棒状の何かを振り上げた。
 武器を持つ手を押さえる。この人、構成員とは違って暴力沙汰には慣れていないのだろう、力も弱い。このまま武器を封じておいて、説得しよう。

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