仮面の人 夢日記2024.1.11

 繁華街の交差点。
 ワンボックスカーの天井に乗って、大声で喋っている人がいた。
 街頭演説用の車両ではなく、本来は人が乗るようになっていない普通の車に乗っているので、うっかり落ちてしまわないか心配になる。直立不動でいるならまだしも、この人、身振り手振りが激しいのだ。危なっかしいったらありゃしない。
 顔には金色に光る仮面を着け、マントを羽織っている。怪人何面相かというような格好で、ミスターか、ドクターが付く名前を名乗っていた。声の大きさの割に、内容はよく聞き取れない。
 僕は歩きながら何かの錠剤を飲もうとして、手の平に持っていた。車の上の人を見上げていたのでつまずいて、落としてしまった。3秒以内なら大丈夫と急いで拾う。
 人通りの少ない路地に入って、落ち着いてから錠剤を飲んだ。
 そこから家に帰ろうと歩きだしたところで、二人組の男に声をかけられた。ミスター○○見ました?と若い方の、パーカーのフードを目深に被った男。またしてもよく聞き取れなかったが、おそらくさっきの仮面の人のことだろう。ドクターでなくミスターだったんだ。
 とは思ったものの、相手が全然違う人のことを言っているのかもしれないので、どんな人ですかと聞き返してみた。若い男が写真を見せてやるとポケットから出したのは、いまや持っている人がほとんどいないであろう、折りたたみ携帯電話だった。写真を探しているが、なかなか出てこないようだ。
 しびれを切らした、もうひとりの、スーツ姿の男が、自分のスマートフォンに写真を表示して、こいつだよ、と僕に見せてくれた。
 確かに、あの仮面の人だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?