生放送、の夢(2022.10.15)

 ラジオの放送ブース。
 生放送の番組。僕がメインパーソナリティで、アシスタントの男性がふたり。ひとりは、長髪でチャラチャラした格好なので、信用できるのかよと毎度からかわれるジャーナリスト。もうひとりは、日本とアメリカのハーフのミュージシャンで、とても整った顔立ちをしている。
 今回はゲストをお迎えしていた。紹介すると彼はひとことめに、名前は言えないんですが、と前置きをして、ひとしきり自己紹介をした。その声が放送にうまく乗っていないようなので、僕はマイクの向きを調整をするのに集中してしまい、話の内容は聞き流してしまった。
 マイクが良い具合になったので、改めてインタビューを始めることに。そこで、もう一度お名前よろしいでしょうか、と尋ねてしまった。タデシマです、と彼が答えるのと、アシスタントのふたりが名前は言えないって言ってたでしょと騒ぐのが重なったので、リスナーの耳にははっきりと伝わっていなければ良いのだが。うっかりしてしまった。答える方もどうかとは思うが。
 出だしに聞き流した自己紹介の中で、聞き取れた単語から話を広げてみる。漁師で料理人、三種の神器、熱帯魚、というキーワードが出てきたような気がしたのだが、アシスタントから何も聞いてねえと文句を言われた。
 漁師だけは合っていたので、何か珍しい魚を釣ったとか網にかかったなんて話ありますかと振ってみた。
 彼はエピソードを語ってくれたのだが、途中で黙ってしまった。すこし待ってみたが、続きを話す気配がない。
 ただ黙っているだけでなく、身動きひとつせず、呼吸もしていないようだった。アシスタントのふたりも同様に、固まっている。ブース内の時間が止まってしまったようだ。
 戸惑っているうちに、目が覚めた。

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