取り憑かれた彼女、の夢(2022.2.2)

 恋人とデート中、突然、彼女が暴れだす。
 彼女の手が何倍もの大きさになり、肌は黒くて光沢のある金属のように変わり、爪は果物ナイフくらいの長さと鋭さ。怒った犬のように唸り声を出し続けて、言葉を発することも、僕の言うことを理解することもできないようだ。まるで別人というか、人間以外の何かになってしまった。満月を見て狼になる話を思い出す。彼女の場合、狼男ではなく、何女と呼べば良いのか。
 爪が触れただけで肌が切れるが、深い傷は負わないように必死で取り押さえた。少しでも力を抜けばどうなることか。だが、いつまでも全力で押さえていられるわけでもないだろう。疲れてきたらどうする。手が離せないから通報もできない。逃げて、もし彼女の方が足が早ければおしまいだ。極限状況で頭が急速回転するが、いまの体勢を維持するしかない。
 ありがたいことに、しばらくすると彼女がおとなしくなってきた。爪が短くなり、人間らしい肌の色にだんだん戻っていく。
 どういう経緯か分からないが、霊能者に除霊してもらうことになった。
 やってきた霊能者の顔が、恋人にそっくり瓜二つだった。生き別れた双子の姉妹でもいたのか?

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