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【本会議】第3回後期定例会・討論

【2023年(令和5年)第3回後期定例会 12月14日 本会議(閉会)】

通告してある議案および請願について、委員長報告に「反対」の立場で討論しました。

★録画

群馬県議会インターネット中継より、録画映像をご覧いただけます。
反対討論者 酒井 宏明 議員(日本共産党) 約11分

★反対討論(全文)

日本共産党の酒井宏明です。
会派を代表して、通告してあります、議案および請願について、委員長報告に反対の立場から討論いたします。

まず、第118号議案および第142号議案一般会計補正予算についてです。
GunMaaSにかかわって、路線バスのICカードリーダーをマイナンバーカードに連携させるための改修費として3800万円が計上されています。
県はGunMaaSを全県に広げる方針ですが、前橋市では、市民割引を受けるのに、マイナンバーカードの取得が前提となります。
ということは、任意であるはずのマイナカードを事実上強制することになりかねません。
カード取得の有無で行政サービスに格差を設けるものであり、到底認めるわけにはいきません。
マイナカード促進先にありきの予算にきっぱり反対します。

県職員の給与改定についてです。
一般職の給与引き上げはもとより賛成です。
しかし、知事等特別職の特別給および議員報酬の引き上げは、お手盛り感をぬぐえず、第127号議案および議第14号議案の条例改定とともに反対です。

敷島公園新水泳場整備についてです。
PFI方式で20年間にわたり、231億円の債務負担行為を設定するものです。
PFIは、公共施設の設計から建設、管理運営まで包括的に民間事業者にまかせ、長期間にわたる莫大な収益をもたらします。
一方で、全国的には、見込み通りの収益があげられず、民間事業者が撤退したり、経営破綻したりする事例も見受けられます。
経費を節減し、民間事業者が収益を上げようとすると、必然的に現場での公共サービスの担い手の処遇は引き下げられざるをえません。
さらに、契約に関する情報も多くが「企業秘密」とされ、議会や住民が民間事業者の活動を民主的にコントロールすることがきわめて困難になります。
したがって、公共施設は直営を基本とすべきであり、利用者負担増、住民サービスの切り捨てにつながるおそれのあるPFIの導入に反対します。
追加提案分のうち、補助公共事業221億円は、国の交付金を活用するものですが、その中に、上信自動車道や西毛広域幹線道路など大型道路の建設が含まれており、第139号議案、上信自動車道の橋梁工事とともに、反対します。

次に、請願についてです。
総務企画2号は、インボイス(適格請求書)制度の実施延期を求める請願です。
異常な物価高騰の中で、さらなる増税である同制度に対し「弱い者いじめだ」との怒りの声が沸き起こり、インボイス中止を求める運動が急速に広がりました。にもかかわらず、10月1日、同制度の実施が強行されました。
今まで消費税を納めていなかった中小・零細の免税事業者は新たな負担を課され、経営が赤字でも納めなければならず、滞納や廃業が懸念されます。
重い事務コストも発生します。
中小零細業者にとっては死活問題であり、少なくとも趣旨採択を求めます。

健康福祉2号は、健康保険証の廃止をしないよう求める請願です。
マイナンバーと紐づけられた健康保険証の情報について、政府が住民基本台帳と照合したところ一致しないケースが139万件にのぼることが明らかとなりました。
このうち、別人の情報がひも付けられているのは450件程度と推計されています。
医療機関の窓口では、他人の医療情報とのひも付け誤りや窓口負担割合の誤表示、顔認証エラーなどマイナ保険証をめぐるトラブルが後を絶ちません。
マイナ保険証の利用率は低下し続け、ついに4%台まで落ち込みました。
医療関係者・県民のみならず、市町村長からも懸念の声があがり、開業医の9割以上が現行保険証の存続を求めています。こうした状況で現行保険証を廃止するなど言語道断です。
継続ではなく、採択を求めます。

6号医療介護施設への支援拡充とすべてのケア労働者の賃上げ・人員増を求める請願です。
長引くコロナ禍や物価高騰の中、国の公定価格で運営している医療機関・介護施設はサービスや物資を価格転嫁できず、経営難に陥っているところも少なくありません。
診療報酬・介護報酬の抜本的引き上げと同時に、患者・利用者の負担軽減策が必要です。
あわせて、すべての医療機関・介護施設にいきわたる物価高騰支援策を拡充することが求められています。よって、継続でなく、採択を求めます。

7~11号私学助成の増額を求める請願です。
公私間格差の改善に向けた取り組みは急務であり、いずれも採択を求めます。

環境農林5号は、食料自給率向上を政府の義務とすることを求める請願です。
日本のカロリー自給率38%は先進国の中でも最低であり、穀物自給率28%は世界185か国中、129位です。今世界的な食糧危機が進行し、食べたくても食べられない人々が増える中、食料自給率目標を定める基本計画を国会承認制として、達成度の検証結果と必要な政策の見直しを国会に報告させるなど、自給率向上を政府の法的義務とする必要があります。
よって、採択を求めます。

文教警察2~4号は、学校給食費の無償化、義務教育費国庫負担率を2分の1に引き上げること、小中高すべての学年で30人学級実現、教職員を増やし、教育条件や施設の改善など、ゆきとどいた教育を求める請願です。
給食費の無償化は全国の自治体で急速に広がり、群馬県では来年4月からの実施を含めて21市町村が完全無償化、一部補助を含めると34市町村に達します。
都道府県では、千葉県に続いて東京都も無償化を実施している区市町村への支援を行う意向を示しました。
国もこの秋詳細な全国実態調査を実施しました。
給食は食育として学校教育の中でも重要な位置を占めています。
県民の幸福度向上を掲げる群馬県として、率先して無償化に踏み切るべきではありませんか。
よって、継続でなく、採択を求めます。

最後に、イスラエルとパレスチナ・ガザの情勢は深刻さを増しています。
国連総会で人道的即時停戦を求める決議が圧倒的多数で採択されたように、群馬県議会として、ロシアのウクライナ侵略に抗議の決議をあげたのと同様、今回のガザ危機についても決議をあげるべきだと指摘して、討論を終わります。


★反対した知事提出議案(11月24日~12月14日)の番号、件名、概要

  • 118号 令和5年度群馬県一般会計補正予算(第3号):歳入歳出増額 4,265,029千円、歳入歳出総額 863,012,967千円

  • 127号 群馬県職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例:職員の給与改定等を行おうとするもの

  • 135号 群馬県病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例:がんセンターにおける初診料等を改定しようとするもの

  • 141号 当せん金付証票の発売について:令和6年度発売限度額180億円

  • 142号 令和5年度群馬県一般会計補正予算(第3号・追加提案分):歳入歳出増額 25,590,728千円、歳入歳出総額 888,603,695千円


★採決の結果

知事提出の29議案のうち5議案について、委員会が提出した9議案のうち2議案について、日本共産党(酒井ひろあき・大沢あや子)が「反対」しましたが、賛成多数により可決しました。
その他の議案については、全会一致で可決しました。

☆知事提出議案

議員ごとの賛否の状況「令和5年第3回定例会12月14日議決結果(知事提出議案)」(PDF:114KB)

群馬県議会ホームページより
2023年第3回後期定例会議決結果(知事提出議案)-1


2023年第3回後期定例会議決結果(知事提出議案)-2

☆委員会提出議案

1.9月20日議決分

議員ごとの賛否の状況「令和5年第3回定例会9月20日議決結果(議会・委員会提出議案)」(PDF:49KB)

群馬県議会ホームページより


2023年第3回後期定例会議決結果(委員会提出議案)

2.10月11日議決分

議員ごとの賛否の状況「令和5年第3回定例会10月11日議決結果(議会・委員会提出議案)」(PDF:64KB)

群馬県議会ホームページより


2023年第3回後期定例会議決結果(委員会提出議案)

3.12月14日議決分

議員ごとの賛否の状況「令和4年第3回定例会12月14日議決結果(議会・委員会提出議案)」(PDF:55KB)

群馬県議会ホームページより


2023年第3回後期定例会議決結果(委員会提出議案)

★請願・意見書等への各党の態度

群馬県議会 2023年第3回定例会 主な請願審査結果と各党の態度

【関連リンク・群馬県議会】

令和5年第3回定例会 知事提出議案(11月24日~12月14日)
令和5年第3回定例会 議員・委員会提出議案

【県議団ニュース】

県議団ニュース 2023.12.14 No.18

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