変態忍者🥷職人と出会う。
壁紙業界は現在、素人さんでもコツをつかめばある程度のところまでは貼れてしまう、ビニール系の貼りやすいクロスが主流で、特殊な技術をようする布壁紙、じゅらく壁紙、金箔壁紙などの難易度の高いクロスの施工は昔に比べて極端に減った。
私も今まで度々そういう役物壁紙を貼る機会をいただき、自分なりの解釈で貼ってはきたが、なかなかはっきりとした施工方法は見出せない。1年に一度あるかないかの経験はやはり毎回プレッシャーだ。手探りで施工する場合もある。
「忍者のような変態職人」
職人が長年の経験で培ったものをSNSや動画投稿する事自体がもう今は当たり前の世の中。
「技術のバーゲンセール」と、この間までは感じていたが、私も動画投稿しているし、皆さんの動画を参考にしたりもする。そういう時代なんだと割り切っている。
そんな中、インスタグラム上で気になる投稿を見つけた。
「この人は変態だ…変態がいる。」
お寺の金箔を貼っている写真、その文面から読み取れる只者ではない感。そこにバーゲンセール職人特有のハッシュタグ♯はない。
普段はDMなんかしないが即DMした。
「この人に教わろう。」
返事が来た。
サラッとひとつの事を質問しただけだが、忍法の巻物のような長文で想像を絶する答えが返ってきた。
深い…深過ぎる。
…やはり変態だった。
技術の事を細かく伝え出すと長くなるし、口外することは同業者への安売りになるのでそこは端折って書くが、とにかく私が20年という月日で積み上げたものを不意打ちのローリングソバットで崩壊させられた気分だった。
LINEのコミュニティに参加させていただき、全国の意識高い系の職人さんとも繋がりを持てた。
コミュニティの合言葉は
「謙虚に学ぶ」
毎日、新しい情報を交換できる喜び。
普段の仕事が更に楽しくなった。
「学びを欲していた自分」
壁紙職人は基本的に現場で1人。
孤独だ。
毎日慌ただしく日々は過ぎ、知らぬ間に自分を叱ってくれたり、教えてもらったりする人がいなくなる。どの業界にも言える事ではないか。
しかし、職人は永遠に学びの世界だ。
正解を決めてしまえばそこで成長は止まる。
毎日、ピコンピコン、忍者のLINEグループの受信音が私の脳みそを刺激する。
和歌山も桜が開花した。
忍者を仲間にした私の新年度が始まる。