新聞記事をまとめる:金融と教育

金融


 IMFは、金融における動揺が世界経済の成長率に悪影響を及ぼす可能性を示した。具体的には、昨今ニュースで注目を浴びている、アメリカのシリコンバレーバンクの破綻やヨーロッパにおけるクレディ・スイス・グループの経営不安といった具体的な出来事に加え、各国の中央銀行のが行った急激な金融引き締めがその動揺にあたる。これが大きく影響した場合、2023年の世界の経済成長率は1%程度に下方する可能性があるという。
 高いインフレが続く中で、金融機関の融資が減り、これによって企業や個人の活動も鈍化すると、成長率は急速に下がっていく。IMFは、中長期的な視点で、こうした成長鈍化に継承をならしている。数値的に見ると、5年後の世界計上の成長率は3.0%になる見通しであり、これは1990年以降で最も低い数字である。さらに、その背後に、政治的な面も絡んで、貿易のブロック化による経済的な分断という問題もあり、これを忘れてはならない。

教育

 文科省は2024年から、使われる小学校向けの教科書すべてに、音声やデジタル教材に誘導するQRコードを付けた。これは、英語や数学等での図形理解を助ける工夫である。
 デジタル教科書の普及を見据え、この取り組みは様々なメリットデメリットの検証の機会ともなる。政府は、これを今後の活用に生かすとともに、環境整備も考えていかなければならない。例えば、現行法は、デジタル教科書は紙の教科書内容を電磁的に記録したものであると定義しているため、紙の教科書にはない動画などは教科書とは認められていない。すると、紙の教科書にはないがデジタル教科書には存在する動画やアニメーション、文章朗読の音声機能等は、有償扱いとなってしまい、無償化出来ない問題が発生する。デジタル教科書は紙の教科書と同様に無償だが、デジタル教科書と合わせて活用される動画等は有償であると、デジタルを最大限活用できず、せっかくの学習効果の向上の期待が薄まってしまう。
 そもそも、デジタル化は、不登校や家庭環境に恵まれない、障害等で学校にいけないなどを含めた全ての生徒に向けて、情報通信技術でサポートすることで学びを提供することが目的である。政府は、これを前提に学習環境を最適化していかなければならない。

参考文献
「金融動揺の世界経済への波及を注視せよ(社説)」. 日本経済新聞, 2023年4月13日, 朝刊, p.2
「学びに最適なデジタル化を(社説)」. 日本経済新聞, 2023年4月13日, 朝刊, p.2


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