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逆子のセルフケアの指導方法

みなさんどーもこんにちは!さかごらぼの玉井です。

今回はInstagramでこんなお問い合わせをいただきました。
今回はそのお問い合わせを元に“逆子のセルフケアの指導方法”をお伝えしていきます。逆子のセルフケアと言えば、逆子体操か至陰と三陰交にお灸だと思います。ですが、それ以上にたくさんあります。そして、そのセルフケアは相手の状態に合わせて指導されるべきです。そのセルフケアの指導についてお伝えします。

逆子のセルフケアの指導方法

逆子のセルフケアといえば何を思い浮かべますか?多くの人は逆子体操か横向きだと思います。それ自体に逆子が治ると言う科学的根拠も逆子が治る事実もありません。

僕は「科学を語れないのは勉強不足、事実を無視するのはナンセンス」を信条に治療をしています。逆子の妊婦さんにとって1番大切なことは治ることであり、科学ではありません。もし逆子体操で治る事実があるならいいと思いますが、逆子体操をしたから治ったという統計はありません。研究でもわかっています。逆子体操をして治った人は逆子体操をしなくても治っています。

セルフケアは妊婦さんひとりひとりの体調に合わせるべきです。
今回はセルフケアについてお問い合わせをいただいているので、その妊婦さんとのやりとりを具体例としてセルフケアの指導方法をお伝えします。

*逆子体操について詳しくはこちら

お問い合わせ内容

今日で33週の妊婦です。
妊娠中期の頃から、InstagramとYouTubeを拝見しています。

逆子が治らず相談させて頂こうと思い、ご連絡しました。

28週の健診で逆子の指摘があり、29週の受診で頭位に戻っていたのですが、31週の健診で再び逆子になっていました😭(ちなみに29週から休職していて、疲労やストレスは大きく減りました!)
31週の指摘から至陰と三陰交へのお灸を1-2回/日のペースで行っていますが、ボコボコとよく動くけど胎動の位置はあまり変わらず治る兆しが感じられません…
みぞおち下に頭があるのがよくわかります。

セルフケアで実践しているものは、
・お灸
・白湯を飲む(たまに)
くらいです。ですが、妊娠してから常に身体が熱っていて、冷たい飲み物をよく飲みます。氷入りでガリガリと食べたりしているのが良くないのでしょうか?その上家の中ではTシャツ1枚です、それでも足先手先は常にあったかいです。

他には、
・マタニティ整骨院に通っている(腰や肩凝りをマッサージしてもらってます)

今後、ボールを使ったマッサージを始めようと思っています。
現状このような感じですが、専門的に見ていかがですか?他にできることはありますか?😭

ちなみに初産の29歳です!

僕のリアクション

ご連絡いただきありがとうございます🙂

また、詳しくありがとうございます!お話を聞く限りでは、そのまま続けていれば治りそうな感じがします🌿そこまで不安に思うことはないと思います。何もしなくても治りそうなくらいです。ボールのマッサージはやってみてください!

ここからはより治りやすくなるようにお話をお伺いします🕊

♢熱いなら冷たいものを飲むのは大丈夫ですが、氷を食べたくなるのは鉄がありない可能性があります。鉄分は十分にとっていますか?

♢器質的な(子宮の中の)要因は先生に言われていますか?
EX)へその緒の長さ、胎盤の位置、羊水の量など。

♢不妊治療の経験、家族歴(家族で逆子で生まれた人)はありますか?

♢何か不調はありますか?
画像を2つ送るので【左側に当てはまる】ものを教えてください。

よろしくお願いします🌱

妊婦さんのメッセージと僕のリアクションの意図

まずはメッセージに対する僕のリアクションの意図をお伝えします。
妊婦さんのメッセージから汲み取れるのは「不安」と「もっとできることをしたい」という2つです。

不安に対するリアクション

逆子の妊婦さんはどうして治らないの?と不安を感じます。その心理から僕にメッセージをするという行動が起きています。どんな行動にも理由があり、それを知るために心理学はとても役に立ちます。お問い合わせの冒頭に「逆子が治らず相談させて頂こうと思い、ご連絡しました。」とあります。それから“逆子が治らない不安から問い合わせをした”と言う心理が伺えます。まずは1番求められている不安を解決することが大切です。だから最初にその不安を拭うために治りそうとお伝えしています。

治りそうと言って欲しいんだろうな。と言う理由でそう言ったわけではなく、本当に治りそうだから伝えています。その理由は以下3つからです。

  1. くるくるしているから

  2. 休職して疲労は改善している

  3. マッサージを受けている

①くるくるしている場合は統計上とても治りやすいです。
②早いうちに休職している場合も疲労が少なく治りやすいです。
③疲労の原因(仕事)が生活からなくなりダメージがなく、マッサージを受けて回復しています。ダメージが続く場合はそれ以上に回復させる必要がありますが、ダメージがないため刺激しただけ回復します。これだけで治りやすいのが想像できます。

もっとできることをしたいという想いに対するリアクション

「もっとできることをしたい」という疑問を解決するためには情報が足りません。なので、メッセージから考えられるもの、逆子が治らない要因になるものを質問しました。

  • 器質的な要因はありますか?

  • 不妊治療の経験、家族歴(家族で逆子で生まれた人)はありますか?

  • 何か不調はありますか?

器質的な要因、不妊治療の経験、家族歴は逆子が治りにくい要因になりうることが科学的に証明されています。その要因があるかないかで治りやすさが変わります。
不調を聞いたのは、セルフケアをお伝えするのに不調を知る必要があるからです。逆子なら至陰と三陰交にお灸をすればいい。は間違っています。なぜなら、子宮の血流だけが問題になるわけではないからです。

例えば、肩がこりに対する治療は必ずしも僧帽筋ではないはずです。僧帽筋が硬くなれば、肩こりを感じるはずです。ですが、それ以外にも肩甲挙筋、棘上筋、首、肩甲骨周り、上腕、他にも色々な影響があるはずです。治療は相手のカラダの状態に合わせて行います。セルフケアも同じです。相手の状態を知ることで、その人に1番合うセルフケアを指導することができます。だから、相手の状態を知ることが何よりも大切で、相手の状態を知るための1番簡単な方法は問診です。

自律神経がめちゃめちゃに乱れていた

その後の妊婦さんからの返信を載せます。

お返事ありがとうございます😭
そう言ってもらえると不安が軽くなります😭😭

◇中期の採血ではやや下がり傾向だけど、貧血ではないと言われました。後期づわりがたまにあって、食事内容は食べやすいもの(糖質多め)になってしまっています…。鉄分入りのプロセスチーズを毎日1個は食べるくらいしかできてないです。

◇臍の緒の長さや、赤ちゃんのどこかに巻き付いているなどの指摘はありません。胎盤も子宮底部の上の方から後壁にかけてくっついていて特に邪魔になる感じではなさそうでした。羊水量は過多ではないけどやや多めという感じでした。今も赤ちゃんの頭を腹壁から触るとぽよんぽよんと揺れています。これまで筋腫の指摘もないですが、妊娠初期に前壁に筋腫?と聞かれたものがあります。その後、エコーで目立ったり医師からの指摘はないです。

◇不妊治療はなしです。また、私の方は逆子の家族歴はなしです。夫の方もなさそうですが、まだ確認できてないので聞いてみます。

◇不調についてマークアップしたもの送ります。たまにあるものは真ん中にマークあります。また詳細補足します。
・首肩凝りは妊娠前から自覚あり、妊娠してから自覚はマシになった気がします。
・むくみは基本なくて、塩分多めだったなと思う食事だとたまに出ます。
・後期づわりのせいか吐気、嘔吐も2週間くらい前までたまにありましたが、今は軽減しています。
・基本便秘でマグミットを飲んで排便コントロールしている感じです。
・胸焼けがひどい時、高さのある枕で寝ると腕が痺れている時があります。(仰向けで寝ていて、腕が痺れて起きます。)
・ストレスは休職してからかなり減りましたが、私が短気だからか、整骨院の施術時間が基本より短いとか、親が過干渉気味で疲れるとか、たまにストレスを感じます。夫が話を聞いてくれてます。
・寝つきはすごく悪いです。0時前後でベッドインしますが、明け方まで眠れません。胸焼け感とお腹の圧迫で寝苦しさがあります。本当に眠くなって寝る感じです。そのため起きるのはお昼くらい。一旦寝ると中途覚醒はないです。サイクルがずれているだけかなとも思いますが…。

僕の返信がこちら

なんで逆子が治らないのかがわからないと不安ですよね😭😭
詳しく説明して頂いてありがとうございます🌱

♢基本的には、氷を食べるのは鉄分不足だからです。中期から測ってないなら、なるべく食べるようにしてみてください。鉄は血液量、酸素供給量に影響します。そのバランスは血圧などに影響し自律神経が乱れやすくなり、胎動が減りやすくなります。先生に指摘をされていないなら健康状態的には問題ないと思うので、そういう意味で心配する必要はありません🌿

♢先生から言われてないなら器質的な要因は考えにくいです。また、不妊治療、家族歴、高齢出産(35歳以上)は逆子が治りにくい要因になります。それもないのであれば、子宮の血流と自律神経の乱れが影響していて、スペースと胎動が減っているはずです。

♢首肩こり・胸焼け・睡眠の質が悪い、寝付きが悪い、吐き気、嘔吐、短期(イライラ)は自律神経が乱れているからです。いわゆる後期つわりの原因の多くは自律神経の乱れです。お腹の圧迫は胎児のせいではなく、胃のバランスが乱れているからです。お腹が大きくなっても多くの妊婦さんは苦しくなりません。逆子の方に苦しくなる方が多いですが、それは自律神経が乱れて胃のバランスが乱れているからです。高さのある枕で寝ると腕が痺れるのは首の前の筋肉が硬いからです。首の前の筋肉が張るのは色々な理由がありますが、自律神経の乱れもそのひとつです。睡眠サイクル(体内時計)はメラトニンというホルモンがリズムを作ります。日が昇れば覚醒し、日が落ちればリラックスするようにできています。そのサイクルがずれるのも多くが自律神経が乱れて、アドレナリンが出続けていることが多いです。

以上のことから、やっぱりかなり自律神経が乱れているはずです。今胎動を感じていてもその胎動は少ないはずで、もっと増えると思います。逆子治療に来院する妊婦さんの多くが「胎動がある。」と答えますが、実際にはほとんど出ていないことが多いです。初産が多く本来の体動がどれくらい出るものか知らないから、胎動が少しあるだけで胎動がちゃんとでていると思いがちになります。

自律神経がはちゃめちゃに乱れていても、95%の逆子は治ります。また、1週おきにくるくるしているなら治る可能性は高いです。それはこれらの症状を聞いても変わりません。なので、そこまで不安に思うことはありません。

ポジティブに捉えれば、まだまだもっと今以上に治りやすくできるということです!自律神経を整えるとスペースと胎動が増えやすくなり逆子がより治りやすくなるのと、妊娠生活がかなり楽になるはずです。また、産後の母体の状態も全然違います🙂

相手に合わせたセルフケア

このように簡単なオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンをするだけでも、相手のカラダを把握することができます。
問診についてはまた別の記事でお話しします。

問診で相手のカラダを把握したら、セルフケアを指導します。
もちろん、至陰と三陰交のセルフケアもいいんですが、今回はそれ以外にもっと別のセルフケアを求められています。
逆子を治すためのセルフケアは、特別逆子のためのものではありません。

  • 自律神経を刺激するもの

  • 腰神経、仙骨神経を刺激できるもの

であればなんでも効きます。
セルフケアを指導する場合は、効果に加えて妊婦さん1人でもできて簡単なものを基本として指導するべきです。簡単でなければうまくできません。刺激をすれば効きます。なら難しいものよりも簡単な方がいいです。
今回はインスタライブでアシュネル反射、迷走神経反射、自律神経反射を促すものを指導しました。

*セルフケア自体についてはたくさんあるので省略しています。僕が逆子の妊婦さんに推奨しているセルフケア5つはこちらです。

まとめ

逆子に対するセルフケアの指導は、妊婦さんの体調を良くするものであるべきです。なぜなら、妊婦さんの体調が良くなれば胎動が増えてスペースが増えるからです。そのためには適切な問診が必要で、相手がどんなものを求めているかを汲み取る力が必要だと言うことです。セルフケアの内容については、今回はアシュネル反射、迷走神経反射、自律神経反射を利用しましたが、どんなものでもかまわないと思います。その都度その人に合うものを指導してあげてください。

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