見出し画像

研修について

研修させてほしいと後が絶えない。肉を知りたい、扱い方を覚えたいと思ってもらえることは正直嬉しい。ただ、知らない方や同業者は勘弁してほしい。実際にお会いしたことがある方でも、うちの雰囲気に合わなさそうな人はちょっとね・・・。結局は、取引先のシェフやスタッフ、おもしろそうな若者(料理人のみ)しか受け入れしないんですけどね。だって、社員でもない人を数日預かるって結構大変なんですよ。知り合いの子供が夏休みに泊まりに来るようなものです。

画像2

井手さんは研修生からセジールに就職して2年目です。

まず何日間研修するのか、なんのために研修するのか、このあたりがあやふやな人がいます。もっとも多いのが2〜3日の研修希望。次に1週間とか2週間。実際これだと研修にならない。アルバイトと同じ仕事をしてもらって終わってしまう。それでもいいと言う人もいますが、短期間で教えられることってないですね。雰囲気だけでもと粘る人もいますが、それも困りますね。

基本的なことなら最低でも3ヶ月、しっかり覚えたければ3年は働いてもらわないと身につかないです。技術を覚えるってそういうことじゃないかな。

研修希望者でもっとも多いのが料理人です。料理人でも肉の扱いが上手な人はいますよ。僕こそ勉強になることがたくさんあります。ただ、僕と料理人では肉の扱い方がまったく違います。包丁の持ち方から立ち位置まで違います。僕は料理はわかりませんが、料理に適した肉は選べますし、そのための手当てができます。このあたりを身につけるにはやはり3年はかかります。

画像1

短期研修でしたが、間もなく石井まなみさんの研修が終わります。石井さんは神戸のカセントで福本シェフの下で8年間勤め、最後はスーシェフとして活躍後、現在スペインの新進気鋭のシェフ、ルシアさんの元、Restaurant A tafona by Lucia Freitasで働いています。短期間の研修なので僕が直接指導することはなく、アルバイトの作業程度でしたが、感度が高く、こういう女性が食肉業界に身を投じてくれれば未来は明るいのですが、なかなか難しいですね。おもしろい仕事なんですけどね。

どちらにしても、感度の良い人は単純作業こそ素質がわかります。彼女がいつか自分のレストランをオープンして、僕が手当した肉を豪快に繊細に料理してくれる日が楽しみです。

ありがとうございます!