見出し画像

SDGsも大事だけれど、日々自然に触れて感性と知識を磨け

海のこと、山のこと、どれだけ知っていますか?知ろうとしていますか? SDGsが大切だと、自然環境の保護が大切だと、持続可能性が...と発言し、意識する人が増えてきたことは素晴らしいことだと思います。

でも、一方でどれだけの人が日々土や草木を触り、風を感じ、潮をよみ...自然を実際に感じ、学ぼうとしているでしょうか。

実際に自然に触れなくても自然の恵みをお店で買うことができるし、磯焼けが起きていることや魚が減っていることなどは新聞や雑誌、スマホを見れば情報としては手に入ってわかった気になりやすい世の中は、とても便利でありがたいものだと思います。

でも、島国に住んでいる私たち、本当にこのまま自分の肌で感じ、体験せず、海や山への理解が薄れていって良いんでしょうか。海藻は磯に生えていますし、種類ごとに生えている場所も季節も異なります。

また、魚は切り身で泳いでいるわけではなく、魚の種類ごとに生態は全く異なります。 私も漁業をはじめてまだ6年目ですが、知らないことばかりで「海に囲まれた島国に暮らしているのに、自分の知識はなんて浅いものだったのだ。」と、学ぼうとすらしていなかった過去を恥ずかしく思うのと同時に、海の素晴らしさ、壮大さに心を打たれ自然の面白さや深さの虜になる日々です。

以前アジとサバの違いが分からない人とやり取りをして、魚は切り身になって売られているので分からないですよね....と思いつつも、自然からのおこぼれを日々預かる身としてこれはもっと発信できることがあるのではないか、と思うに至りました。

ひじきやワカメが磯に生えていることを知らない人もいます。 国土の7割が森林である島国に住んでいる私たちの大きな資源は「海からのめぐみ」であり、また「山のめぐみ」でもあります。

そんな自然のおこぼれに預かる私たち。 サービスが充実しきった世の中では、タコとイカの違いやメバルとハマチの生態など分からなくても、困ることはないかもしれません。潮の満ち引きがどうなっているか知らなくてもそれがどうした、という感じでしょう。

でも、 一部の人だけが知っていたり、体験していれば良い話ではないと思っています。自然環境というのは、思った以上に複雑で、意識の高い個人がどう足掻いたところで太刀打ちできるものでもありません。

以前なら暮らしのすぐそばに畑や里山があり、海へ行って食材を自分たち、あるいは近しい人が採取し、加工していることが当たり前だったからこそ、自然環境に関する知識と感覚が皆豊富だった。

そしてそういった場所を維持をするために必要なことを多くの人が知っていて実際に手足を動かしていた。

今は、そんな手足を動かす人が、本当にいません。 食材を調達する場所などたくさんある、と思っているかもしれませんが、これから急速にそういう場所を維持してきた人たちがすごい勢いで、減っていきます。大丈夫でしょうか。 「自然環境って大切だよね」「持続可能な世の中にしていきたいね」なんていう前に、野山で草に触れ、山菜をとり、川や磯で遊び、魚釣りをし、そんな人が増えることを願っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?