いつだってそばにいる:ミヒャエル・エンデ『モモ』
私は読書は体験だと思っているし、子供時代ならなおさらだ。
子供の頃に夢中で読んだ本はいくつもあるのに、思い出せるのは当時の自分の熱狂ぶりばかりで、ではどんな話だったかとなると途端にぼんやりとしてくる。下手をするとタイトルだって怪しくなってくる。
先日も、小学校の時に大好きで何度も図書館から借りていた本の名前を思い出したくて、覚えている表紙のイメージと断片的なタイトルと内容だけで必死で調べた。記憶にあるのは、緑色の表紙で、「○○おばさん」というタイトルで、翻訳物で、子供の問