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川崎フロンターレU18 選手別中間報告後編

前編が長くなりすぎたのでMF・FW陣の後編になります。12節終わったけど11節までのデータで書いてます。

では、どうぞ。

■10番MF大関 友翔(ゆうと)くん  3年

今月トップ昇格内定したのでユースを見たこととかなくても知ってるフロサポが多かろう。柿生出身で小さな頃から麻生の練習を見に行き、憧れの選手は『中村憲剛』という大関くん。憲剛が活躍してからは憲剛2世的な選手を多く獲得してきたけど、そんな諸先輩方と比べても最も憲剛っぽさがある。視野の広さ、視野の遠さ、相手の裏を付くプレー、セットプレーキッカーとしての正確さは憲剛よりありそう。遠目のFKでファーに緩く合わせる仕草からニアに強く狙うあたり、憲剛も認めるピッチ内で必要な『性格の悪さ』も持ち合わせてる。端的にいうとフロンターレ『14』の系譜に乗っている。プロで戦える身体を作って等々力で観れるのを心待ちにしております。
  リーグ戦は全試合スタメン。高井くんがいないときはゲームキャプテン。ダブルボランチの一角としてゲームを組み立ててる。そして身体はまだ細いのにターンを駆使してボールを奪われないし運んで展開する。そして相手が狭くしてても、さらにその狭いところを突き刺していく。いわゆるサッカーの10番という感じ。このチームはCBふたり、ボランチふたり、2トップのふたりのセンターラインに太い軸があるので、戦術面でサイドの選手が機能しているように見える。とても良いチームでその中心が大関くん。まずはユース時代の大関くんをみんなに見てほしい。そして数年後、比べてほしい。それがユース観戦の醍醐味。クラブユース選手権や7月9日終わったら2ヶ月空く再開後のプレミアイーストも観戦してみませんか。

■18番MF由井 航太くん 2年

ちょいちょい由比ヶ浜の由比と書かれがち由井くん。憧れは橘田というが、たぶんターンはすでに橘田より上手くクルクル回る。2年のエースナンバー18なので3年では10番を付けそう。順調に行けばアンカー候補としてトップ昇格するはず。憧れは橘田だしね。ただ頭角を表してきたらユース出身だけに田中碧2世的な書かれ方をされそう。そこはぜひ由井1世として風靡してほしい。高さ(180㌢)がありターンが上手く、良いポジションからチームを潤滑に動かしていく。今のうちに見ておくと数年後が間違いなくたのしい。橘田っぽくも碧っぽくもなんなら稲本っぽくもあるのは、奪えると判断したときの前に出るスピードの速さ。そこからショートカウンターに持っていきゴールに繋げる。今はダブルボランチなので持ち場を離れてボールサイドのフォローに入ることで攻撃のやり直し、失ったときの即時奪回役が機能してる。全体の方向性は大関くんが担ってるので思い切って行けるんだろう。来季は大関くんが昇格するので由井くんが全体の方向性を示すのか、他の選手の台頭を待つか。個人的にはトップ昇格候補だけに、より大きなスケールを身に着けてほしいので中盤としてなんでもやれるようになってほしい。他クラブのユース893さんがクラブユース関東予選vs水戸の由井くん見てスーパーとツイートしてたので、トップでもスーパーになれるよう期待しかない由井くんである。

■14番MF大瀧 螢くん 3年

リーグ戦は9試合にメンバー入り、4試合スタメン5試合途中出場。4節まではスリーセンター気味だったのでスタメンだったが442採用で途中出場が増える。基本的に大瀧くん、大関くん、由井くんの3人でダブルボランチを担ってる。憧れを泰斗というくらいなのでやはりプレースタイルは似ている。高性能潤滑油。もう少し怖さがほしいなぁと泰斗と共通した願いもある。大瀧くんもクラブユース選手権では活躍が期待される。頼むね。


■17番MF尾川 丈くん 2年

選手・監督からは『オガジョー』と呼ばれている。フロンターレU18式442最大のキーマン、オガジョー。自分も尾川くんではなくオガジョーと言いたいのでオガジョーで原稿は進める。開幕節はスタメン、2節は途中出場で3節からスタメンを守り続けている。時之栖で間近で見ていたのだけど、グラウンドレベルだと僕の理解度ではオガジョーが何をやってるのかわからなかった。次節以降も続けて見てたら442のネックであるトップ下不在による攻撃力低下を防いでいたのがオガジョー。442なのに真ん中へ楔が入る受け手がオガジョーであった。じゃあ空けた右サイドはというと右SBの江原くんが埋めていた。トップで家長さんがフラフラ出てった時の山根タスクである。被カウンターの怖さなどはもちろんあるだろうが、オガジョーを前に押し出す江原くんを信用しての攻撃参加からSHなのに6得点を上げているという。中盤で6点はすごいこと。戦術キーマンだけに交代が少ない点が長橋監督からの厚い信頼を感じる。ゴールは綺麗なゴールよりは相手に当たってとかエリア外からのロングヘッドがそのままとかこぼれを押し込むとかプレースタイル同様渋い決め方をしている。サッカーIQの高さとスペースを見つける目がプレーヤーとしての特長。オガジョーも憧れは泰斗なのだがまさにそうだなと。元々は小平というFC東京のお膝元からフロンターレへ。U10からはフロンターレ。もうDNAには青赤から赤みが抜けてフロンターレブルーのみであろう。

■8番MF川口 達也くん 3年


開幕戦でゴールしプレミアでのチーム初得点を刻む。U15まではFC東京にいた。そしていまをときめく『さぎぬまSC』出身の川崎っ子である。よくぞ戻ってきてくれました。いつかA代表で板倉、三笘、碧同様に『さぎぬまSC兄弟』と言われますように。ポジションはMFだけど点に拘りは強いようでどちらかというとFW寄りの気質みたい。開幕戦、2節はスタメンだったけどその後は途中出場が続いてる。開幕から左SHだけ3人スタメン選手が代わってて激しいポジション争いを繰り広げてる。クラブユース選手権では均等にスタメンはありそうなので結果を残しリーグ戦へつなげよう。さぎぬまSC末っ子に期待である。冒頭のサムネイルのCK、そのフォームの美しさったら。綺麗に軸が見える。大きく成長しそう。


■11番MF岡野一 恭平くん 2年

2年にして11番をつける岡野一くんはその背番号が示すとおり憧れは小林悠である。MFというよりはFW、WG色が強い。ドリブルが武器でもある左サイドのアタッカー。世代別代表候補合宿にも呼ばれている。開幕から8節まで左SHでスタメン。その後は途中出場やメンバー外。このチームでもっとも激しいポジション争いの渦中にいる。2節の流経柏戦では決勝点を決めたがリーグ戦ではこの1点のみ。括りとしてはFW側なのでゴールが求められる。この壁を乗り越えられるか。大会が変わるクラブユース選手権でゴール量産してほしい。


■25番MF志村 海里(かいり)くん 2年

開幕はメンバー入りしたあと、クラブユース関東予選水戸ホーリーホック戦がシーズン初出場。ここで先制点を決めゴールという結果を残してから直近3節はスタメンで2ゴール。今季4試合3ゴールという決定力を持つ。またゴールの内容も先制点、相手のゲームプランを破壊した後半開始直後の追加点、先制された4分後の同点弾と価値の高いゴールばかり。試合後のヒーローインタビューでは声が小さく初々しさが残るがピッチでは見た目とは全く違うタイプ。左SHの激しいポジション争いをゴールという結果で奪って見せている。ピッチ外では20番FW岡崎寅太郎くんと仲が良さそうだが、寅ちゃんとは性格は真逆な気がする(笑) その決定力の高さをクラブユース選手権とプレミア後半戦でも見せつけてほしい。

■6番MF吹田 航晟(すいた こうせい) くん 3年

開幕節に途中出場、5節〜8節までベンチ入りしていたが直近3試合はベンチ外。なかなかに厳しいポジション争いを勝ち抜けてない。開幕戦は見れてないのでプレーぶりはわからない。しかしU18からフロンターレ加入してるので、半端ない倍率のセレクションを受かってる。夏場の連戦あるクラブユース選手権では出番があるはず。期待してるね。

■23番MF名賀 海月(なか みつき)くん 2年

開幕節と6節にメンバー入り、6節は途中出場している。167㌢で憧れは大島僚太なのでプレーヤーとしてイメージはしやすい。ただ出場した試合ではボランチより前での起用。大差のついた状態での柏レイソル戦出場で前の真ん中ボールで動かしていた。1.5列目でリンクマンのような。433のIH向きなのかもしれないけど、あまり試合で見れてないので適正ポジションはまだ掴めてない。名賀くんもクラブユース選手権では出番はあるはずだから勝ち抜いてフロサポにプレーを見せてね。


ここからはFWの4人。

■28番FW髙橋 宗杜(そうど)くん 2年


開幕から4試合にメンバー入りして全てで途中出場している。スタメンFWふたりのパフォーマンスが高く出場機会は得られてない。出場時間も短くまだノーゴール。しかし紅白戦ではBチームとしてレギュラー相手にガツガツやっていることでしょう。リーグ最少失点DF陣を相手に決めれればどんな相手からも決めれる。普段の練習を早く試合で見せれますように。

■41番FW香取 武くん 1年

エリートクラスからフロンターレに入り高1にしてフロンターレ歴が10年くらいに達してそうな香取くん。リーグ戦初メンバー初出場で初ゴールをきめる碧のトップデビュー戦みたいなことをやってのけた。性格は強気なFW向きと見て取れる。横浜FCユース戦89分、ペナ内で3年大関くんと被りそうになるも譲らずシュートをニアに撃ちきってゴール。高体連なら先輩に思わず譲りそうシーンである。そういうプロ向きな性格を買われてか続く10節11節もメンバー入りして途中出場している。まだ身体は出来上がってないので小柄だが今のうちにスペースを見つける眼、DFの裏を取るとかをマスターしておいてほしい。憲剛のように育成年代で小柄なうちに頭を使う訓練は後に役立つはずだから。ここから卒業までにどう成長するかが楽しみである。

■9番FW五木田 季普(ごきた きしん)くん 3年

全試合スタメンのチームの軸である。エースFWな五木田くんはフィニッシャーと奥行き作る、裏取りをするというCBとの駆け引きがタスクになってる。五木田くんがCBを引っ張ることで岡崎寅ちゃんが中間で浮くことができる。寅ちゃんとのツートップのバランスが良すぎて不動のスタメンツートップである。183㌢という大きさありタイプ的には山田新くん、ひとつ上の田中幹大くんの系譜に近い。憧れはダミアンのようなのでバイシクルもいつかやってほしい。リーグ戦は7点で前橋育英戦の泥臭いウノゼロ決勝点やほかでも先制点あげるなどエースFWとして結果を残してる。体躯を活かしたゴリゴリカウンターとか見てて爽快感がある。トップでみたい選手ではあるけど、山田くんを来季獲得したし、レンタル続く宮代見ててわかるようにトップでCFを育てるのは難しいので大学で試合経験を積んで、ダミアンくらいのスケール感を持って山田くんのようにフロンターレへ帰ってきてほしい。まずはF東の熊田くん抜いてプレミア得点王を奪い取ろう。


■20番FW岡崎 寅太郎くん 2年

最後は僕の推しである岡崎寅太郎くん、僕は寅ちゃんと呼んでる。『川崎の寅さん』なんていう記事も出た。最初に気になったのは第3節JFAアカデミー福島戦@時之栖で途中出場し終了間際1対1を相手GKにビックセーブされた時のプレーと悔しがり方が印象強くて。岡崎選手はプロ向きの性格かもってプレー全体を通して感じたのもある。素直にプロで観たいなぁと。完全に推しになったのは青森山田戦決勝点のプレーである。目の前であんなゴールを見せられたら惚れるやろ。隣のフロサポ(セイネンさん)も大興奮。試合後選手たちから『今日は岡崎』『トラでしょ』『トラ』って聞こえて来たから何かなって思ったら試合後勝利の儀式先頭に立ったのが寅ちゃんであった。初スタメンは4節マリノス戦で、今季初ゴールを貴重な同点弾で見せる。見事な逆転勝ちを引き寄せ長橋監督の信頼を掴み11節までスタメン8連勝。プレースタイルはセカンドトップ的で五木田くんがCBをひっぱり、岡野一くんや志村くんがSBをピン留めしてる中間ポジションでボールを受けるのがとても上手い。なお松長根くんはマークが外れた寅ちゃんを見逃さないというホットラインが形成されてる。前橋育英戦の五木田くん決勝点も松長根くん⇨寅ちゃんドリブルからのラストパス⇨五木田くんが倒れながら流し込むという形。パスだけでなく受けてドリブルで運べるのが最大の持ち味。桐生第一は研究してて受けた寅ちゃんを潰しに行ってたから、研究されても乗り越えないとね。トップの憧れはノボリだけど動画で勉強してるのはジョアンフェリックスなのも分かる。シュートが上手いのでプロで生き残るなら嘉人や寿人ぽいフィニッシャーなのかなとも思う。ふたりと体格近いしね。ゴール決めれる選手の価値は高い。知念推しでもあるから20番を背負うFWに最初の頃は目が行ったのもあるけど今は完全に寅ちゃん推しである。まだ2年だし卒業までにどこまで伸びてくれるか。過去トップに上がったユースでも寅ちゃんみたいな選手はいない。そういう期待はある。寅ちゃんがトップに上がれますように。トップに上げるしかないよね!!と強化部が観念するくらいゴールを積み重ねられますように。焦るとミドルを撃ってしまうので、周りを見てアシストなのかアシストのアシストなのかとか卒業までに磨いてね。スタメンでの勝点率は大切な指標。寅ちゃんがスタメンだとチームは勝てるって信頼もゴールだけでなく得てほしい。


前編も後編も5000字オーバーを最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。トップを応援してるフロサポがひとりでもユースに興味を持ってくれて、ユースの試合会場にも足を運んでくれたらこの記事を書いた甲斐があります。応援してる選手がトップにあがるというユースならではの醍醐味を一緒に味わいましょう!! 試合レポートや三笘や碧、泰斗といった過去のユース選手の記事など検索するとたくさん載ってる『川崎そだち』さんもぜひご覧ください。素晴らしきアーカイブになってますよ。



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