Amazonファーマの発足によるGoodRxの暴落①

11/17の夜(日本時間)に、Amazonがデジタル薬局(Amazon.Pharmacy)を立ち上げるというリリースを出した。

これを受けて、アメリカの薬局チェーン大手が落下。

ウォルグリーン 40.36(-3.74 -8.48%)
CVSヘルス 67.95(-5.52 -7.51%)

画像1

画像2

そして、アメリカで人気の、近所の薬局の最安価格を検索して購入できるアプリ「Good Rx」もすさまじい勢いで落下。

画像3


GoodRXは、結構注目のディールだったので(2020年9月IPO)、調子に乗ってGoodRXを500購入。(@$39、11/18の未明)


買って寝て朝起きて $36.2 になっていて愕然。
仕方ないのでリバウンドを気長に待つことに。

GoodRX(グッド・アールエックス)について。

GoodRXは今年9月に$33くらいでIPOされたホットな案件。
全米7万件の薬局と提携し、処方された薬の近隣薬局での取り扱い価格を表示してくれるアプリサービスを提供。

アメリカでは薬価が薬局によって大幅に異なるので、最安値情報は重要。アプリを携えて安い薬局に行くと、処方箋とバーコードをピっと読んで、薬が処方される仕組み。薬のディスカウントクーポンを併せて提供しており、アプリを使うと価格が安くなる。

画像4

収益源は、薬の販売価格からのバックマージン(より正確には、薬の卸会社からのマージン)。アプリ経由の販売代金に対して、契約された金額がバックされる。

アクティブユーザーは月間で約400万人。1人あたり売上高は$25 くらい。

個人的には、下げ過ぎかなぁ と思ったのと、 GoodRXのビジネスはさほど影響受けないのでは と思ったのでINした。

39 USD(前日比-16%)でINした後、翌朝に36.2まで下押していたので(前日比-22.5%)、着手が早すぎた。今後、こういうラッシュの時は、1日置いてから考えてもいいかもと反省。

競合として気になる点

①Amazonの出店薬局数が「5万件」。GoodRXの7万件に対抗できてしまう数だが、実態は?


②Amazonでは、どのような種類の薬まで購入できるのか。処方箋薬を全体的にカバーするようなことが書かれているが、大衆薬ではないものがどこまで取り扱うのか。

→ 一過性の強い薬(タミフルとか)はさすがにAmazonでは扱わないと思うが、慢性疾患向け等で継続的に使う薬(降圧剤、糖尿病の薬、ビタミン剤、抗うつ薬など)は、Amazonパントリーのような形で、Amazonを選好するユーザーも居るような気がする。注文から配送まで2日かかるらしいが、持続的に使っている薬であればこれは誤差の範囲なので、Amazonパントリーの定期便のような感じで使われていくのではないだろうか。

ただ、それでも、GoodRXほど廉価な価格は提示できないような気がする(日本でも多くの商品についてAmazonが最安ではないし)。薬を求める即時性と低価格という点で、まだフィジカルな店舗が有利であるというのが私の推測だが、果たしてどうなるか。

なお、GoodRXは、黒字かつ高成長企業であるものの、当然のようにPERは割高。(2019年12月期のEPSは約0.2、PERは下落した11/18においてさえ、155倍)

ワクチンができるとハイパーグロースは没落しそうな中、果たしてどうなるか。という懸念もある。
(これはSocial-Distancing銘柄ではないけど)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?