見出し画像

youtube探訪 2 ブルースの人

職場のスタッフのひとりが 風邪をひいたのか すごい声になっていた
『これを機会に 声を潰してブルース声にしたらどう?』
とアドバイスをしたら
『ブルースって何ですか?』
と帰ってきた
わたしは あまりのリアクションに絶句してしまった
せめて 
『タイツ履いて上半身裸で戦う人?』
『それはブルース・リーや』
『ビルから脱出するハゲ?』
『それはブルース・ウォレスや』
『ボーン・イン・USAの人?』
『それはブルース・スプリングスティーン』
せめて このぐらいのノリツッコミがあって欲しかった 還暦超えのジジイとしては
(ちなみに彼は 30代中盤)
彼は ブルース・リーもブルース・ウォレスもブルース・スプリングスティーンも知らないのでしょうよ
怖くて聞けないけど

中島らもが
『バーボンをストレートであおって タバコをスパスパ吸って 大声を出す というのを毎日やってたら 10年ぐらいすると ええ具合のブルース声になるんです』
と仰っていたが 彼はたぶん中島らもなんて知らんやろうなぁ

そんな彼に ブルース声を教えるために youtubeで動画をあたってみた
わたしもブルースに関しては あまり知らないのだが 彼よりはたぶん知っている

まずは 近藤房之助!
正直 近藤房之助の声は 羨ましい
わたしがもし あの声 あのルックスだったら 絶対ブルースを歌っていただろう
あの声は 無理に潰した声ではなく 案外地に近いのではないだろうか 知らんけど
近藤房之助のCDを 5枚ほど持っているが 意外な人がバックで演奏したりしているのに驚く
サックスの ジョン・ゾーン
そしてサックスの(またサックスかい!)ネッド・ローゼンバーグ 
ふたりとも 超絶テクニックの持ち主で  リーダー・アルバムを何枚も出しているし ジョン・ゾーンに至っては プロデュースした作品も 数限りない
何でここに?
近藤房之助を若い人に説明するなら ちびまる子ちゃんの『踊るポンポコリン』で シルクハットをかぶって 叫んでいるおっちゃん と説明するとわかりやすいかも知れない
まあ 若い子で ちびまる子ちゃんすら知らない年代が増えている可能性がある
アンパンマンやサザエさんみたいな 超ロングセラー型だと 若い子でも知っているだろうけど

そして木村充揮!
天使のダミ声 
もしわたしが 彼のような声だったら 人生 微妙に変わっていただろう
実は 彼のCDは 1枚しか持っていない
『流行歌(はやりうた)』 だ
これを聴いたわたしの木村充揮への認識は 『道頓堀行進曲』を日本一(畢竟 世界一になる)カッコよく歌う人 である
わたしぐらいから上の年代の関西人で 『道頓堀行進曲』を知らない人は あまりいないだろう
そして 多くの人が そのイナタさ クサさに辟易したと思う
わたしも そのひとりであった
木村充揮の歌う『道頓堀行進曲』は そのクサさを洗い流して 洗練させた事でカッコよくなった のではまったくなく ブルースという衣をかぶせる事で クサさをさらに熟成させ(関東の食文化 クサヤのように)アウフヘーベン 昇華させた結果生まれた 奇跡の産物である
クサさ イナタさを含めて 丸ごと味わえ!

あと トム・ウェイツやモンタ兄さんなど 味わい深いダミ声がいらっしゃるが ブルースとは少し外れるかな








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?