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アルバート・アイラーは破壊せよと言ったのか?

中上健次のエッセイに
『破壊せよとアイラーはいった』
というのがある
中身はよく覚えていないが アルバート・アイラーに興味を持つきっかけになったような気がする
アイラーって誰? ということでだが

元々 破壊的な音楽は嫌いではない
山下洋輔 エリック・ドルフィー アーチー・シェップ アート・アンサンブル・オブ・シカゴ オーネット・コールマン ジョン・コルトレーンとくぐり抜けていくと(今聞くと 全然破壊的ではないが) アルバート・アイラーに至るのは 必然と言える

アルバム『Spiritual Unity』の中から「Ghost」を聴く
アルバート・アイラー (テナーサックス)
サニー・マレー(ドラムス)
ゲイリー・ピーコック(ベース)
という 実にシンプルな編成
演奏も シンプルで野趣溢れる感じだ
そこで 豪放磊落なおっさんが 胴間声で叫んでいるようなテナーが アイラーである
しかし 『破壊せよ』という感じではない
曲も シンプルで 明るい
坂田明が ヨーロッパで『Ghost』を演奏した時に 途中で『赤とんぼ』に変わり ちょうちょちょうちょと歌い始め ついには田中角栄のモノマネになって大受けする という名盤があるが 『Ghost』が『赤とんぼ』に自然に変わるのが分かる つまりは 破壊というより どこか牧歌的ですらある
何かの雑誌で
『祝福せよとアイラーは言った』という題名の記事があった
なるほど 確かにアイラーの演奏は途中から混沌に投げ込まれるのだが それは破壊 というより 祭りの喧騒であったり 魂の高揚であったりする
ゴスペルが 次第に熱を帯びて 神を祝福する中でトリップして行く あの感覚だろうか

ところで ゲイリー・ピーコックというベーシストの 守備範囲の広さに驚く
アルバート・アイラーとの共演と キース・ジャレットのスタンダーズ けっこうな乖離があるような気がする
アイラーもキースも 同じジャズだもんね と思って演奏するのだろうか?

ついでに 
ゲイリーの元嫁 アーネットはエロい




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