水民マガジン 水泳 クイック・ターン(クロール)について

クイック・ターンの発想の原点は ターンをする時は 身体の一部が壁につけば良い というルール だと思う
つまり 手をつく前に足をついちゃえ
そうするためには 足を水中で運ぶより 水上を運んだほうが 速いよね
そんな考えだ
バタフライも そんな発想で平泳ぎから分岐したし クロールも 抜手から進化したと聞く
前回の東京オリンピック(1964年)当時のチャンピオン ドン・ショランダーの本によると 当時 最新技術であったクイックターンを 何回使うか によって 400メートル競技の勝敗が決する とされていた
つまり クイック・ターンを使うことによる体力の消耗とターン速度のアドバンテージという二律背反に どう折り合いをつけるかが 
勝負の鍵と言われていたのである
わたしは 水泳を本格的に始めるのが遅かったので 高校生でスイミング・スクールに入った 
4種目 泳ぐのがやっとのレベルだ
その初日 スイミング近くの県立高校のアウトプールで 小学生に混じって練習をやった
小学生とはいえ みんな めちゃくちゃ泳げる
アップ 1000メートル
ぇ゙っ?
まあ 何とか泳ぎ切った途端
『この中で クイック・ターンをやってへんかった奴がおる やり直しや』
げっ 俺や
当時 クイック・ターンなど 教えてもらったことがないので 我流で それらしい事が何とかできるレベルだった
そんなわけで 理不尽な論理で 連帯責任の犯人になってしまったわけだが やり直しの1000メートルは なんとかクイック・ターンをやり通した
その結果 クイック・ターンがあまり苦ではなくなった
要するに どうやってやれば良いんですか?ではなく ドバァーとやればエエんや
というのは 一面の真実ではある
現在 1500メートルでも 小学生でも 地方の小さな競技会でも クイック・ターンは普通に使われている

1980年代前後は 足を伸ばした状態で ダイナミックに回転するクイック・ターンが流行ったように記憶する
おそらく 壁の遠い位置から仕掛けて 距離をかせぐ発想なのだろう 
見栄えが良いので けっこう 真似して練習したものだ
ところが フィン・スイミングの講習で モノ・フィンという 魚の尾ひれのようなでかいフィンを履いて そのタイプのクイック・ターンをやった途端 腰が抜けたようになって 力が入らなくなった
それ以来 定期的に腰痛が出てくるようになった
ロサンゼルス・オリンピックの100メートル自由形の金メダリスト ローディ―・ゲインズは いろんな意味で イノベーターだったと思う
クラウチングスタートを早い時期に採用したし コンパクトに回るクイック・ターンも 話題になった 
というのは わたしは今 当時読んだ新聞の記憶で これを書いているからである
コンパクトに回転して 壁に足が着いた時点では 身体は上を向いている
壁面を足の裏で圧しながら 身体をひねって スクリューしていく
新聞では ゲインズ・ターン と紹介されていたような記憶がある
おそらく 今も この方法がクイック・ターンの基本だと思う
違っていたら 教えて下さい




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