ディズニー映画全部見る10・メロディタイム
メロディ・タイム/Melody time(1948・75分)
10作目は7本の短編から成るオムニバスです。メイク・マイン・ミュージックと同様に音楽がテーマになっています。パブリックドメイン化しているので各短編ごとに大抵の動画サイトで視聴できます。
冬の出来事(Once upon a wintertime/7.5分)
雪景色の中、馬が引くそりに乗る恋人2人。通りがかったウサギのカップルも同乗します。目的地は凍った池。どうやらスケートに来たようです。イチャイチャしながらスケートを楽しむ2人と2匹ですが、彼氏がいいところを見せようと猛スピードで滑走したところ、彼女を雪まみれに。ウサ彼氏も格好つけようとして失敗、ウサカノを巻き込んで雪に突っ込んでしまいます。
ご立腹の彼女達は彼氏を置いてスタスタスタ。しかし、その先には「危険!氷が薄い」の看板が。慌てて追いかけ警告するウサ彼君ですが、彼女たちは無視。これにはウサギ君もおこ。引っこ抜いた看板をその場に叩きつけストレス発散……と思いきやそこからどんどん氷が割れてしまいます。
滝に向かってどんどん流される氷の上の彼女達。あまりの恐ろしさに気絶してしまいます。何とか助けに向かう彼氏達ですが、雪に犬神家よろしく突っ込んでしまいます。頼りにならない彼氏達の代わりに馬や傍にいた小動物が何とか二人を救出、彼氏達の傍まで運びます。目覚めた彼女達は彼氏が助けてくれたと思い仲直り。めでたしめでたし。頑張った動物たち可哀想。
クマンバチ・ブギ(Bumble Boogie/3分)
熊蜂の飛行のメロディに乗って楽器が次々と小さなクマンバチに襲い掛かる。特にストーリーは無いがテンポがとてもいいのと画面がおサイケで楽しい。
リンゴ作りのジョニー(The old settler Johnny Appleseed and Johnny's angel/18分)
アメリカ民話に登場する開拓者ジョニー・アップルシード(デイビー・クロケットやポール・バニヤンのような存在)のお話。
信心深いリンゴ農家の青年ジョニーはある日おじいさん天使から啓示を受けます。リンゴがあれば何でもできる!西部開拓へ行きなさい! 開拓者に憧れつつも、僕はマッチョじゃないしひ弱だし……と及び腰だったジョニーは天使のおじいさんに励まされ、西へ向かう事を決意します。
リンゴを植えながらどんどん移動するジョニー。国中にリンゴを植えまくり、リンゴ祭りも開き、人々に幸せを広げました。ジョニーの通った後には愛と信仰、そしてリンゴの木。そんな生活を数十年続けた後、ジョニーは老衰で亡くなります。でもジョニーにはまだやる事がありました。それは天国にリンゴを植える事。迎えに来た天使のおじいさんと一緒に年老いたジョニーは足取り軽く天国へ向かうのでした。
小さな引き船(Little Toot/8分)
引き船のトゥートは悪戯っ子。港で他の船の邪魔をしてばかり。お父さん船にも怒られっぱなし。ある日、いい子になろうと決心してパパの仕事を手伝おうとはしたものの大失敗。大事故を起こして港を追放されてしまいます。
一人寂しく外洋を漂うトゥート。 嵐に巻き込まれる中、一隻の大型船が動けなくなっているのを発見します。急いで救難信号を送るトゥートですが、荒波で他の引き船たちは引き返すしかありません。覚悟を決めて曳航するトゥート。雷や強風にさらされながらも何とか港まで無事帰還したトゥート。悪戯っ子はもういません。一人前の引き船になりました。
丘の上の一本の木(Trees/4分)
木とそこに住む生き物たちの一年を描いた短編。特にストーリーは無い。
サンバは楽し(Blame it on the Samba/7.5分)
三人の騎士のドナルド、ホセ、アラクワンが再登場。何故かパンチートだけ仲間外れ。暗い顔をして歩くドナルドとホセを陽気なアラクワンがお出迎え。サンバのリズムに乗るうちに何だかとっても楽しい気分。実写とアニメの融合作。ドラッグによる幻覚ってこんな感じだと思います。
青い月影(Pecos Bill/13分)
ディズニーランドにある飲食店、ペコスビル・カフェとザ・ダイヤモンドホースシューの由来の作品。
昔、テキサスにペコス・ビルという凄腕カウボーイがいました。投げ縄も銃も乗馬もお手の物。テキサスが干ばつに苦しんだ時はカリフォルニアで雨雲を捕まえてテキサスに恵みをもたらしたという伝説まであります。
ペコス・ビルと愛馬ウィドウ・メイカーのコンビは絶対無敵、どこでも一緒……だったのですが、ビルはある日大ナマズを乗りこなすカウ・ガール(ナマズだけど)のスルーフット・スーに恋をしてしまいます。さっそくプロポーズをするビル。スーの答えは勿論イエス。ラブラブな二人を尻目に相棒にほったらかしにされてしまったウィドウ・メイカーは涙を流します。
結婚式の当日、スーはいつものカウガールスタイルとは違い、ビルにプレゼントしてもらったバッスルを仕込んでばっちりおめかし。ついでにウィドウ・メイカーに乗せてほしいと頼みますが、大事な相棒を奪った女をみすみす乗せるウィドウ・メイカーではありません。ロデオのごとく暴れるウィドウ・メイカーですがスーもカウガール。難なく手綱を操りますが、ドレスに仕込んだバッスルが跳ねていつものようにはいきません。とうとう落馬し、地面に投げ出されるもバッスルのスプリングで空中に跳ね飛ばされてしまいます。地面と空を往復するスーをビルが投げ縄で捕まえようとしますが、ウィドウ・メイカーが邪魔をした事でロープは届かずスーは空の彼方に消えてしまいます。
最愛の人を失ったビルはカウボーイをやめ、荒野に消えていきました。毎晩月が昇ると、ビルがスーを想って吠える声が聞こえてきます。
関連作品
・メイク・マイン・ミュージック
メロディ・タイムと同じく音楽メインのオムニバス。前々回の記事で紹介しています。
・三人の騎士
ドナルド、ホセ、アラクワンが登場。3つ前の記事で紹介しています。
以上、メロディ・タイムでした。次はイカボード氏とトード氏について書きます。
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