百貨店の外商売上は2割程度で、売り手も買い手も若年層に注力

売上高の2割

百貨店が熱視線を送るのがこのような若年の富裕層だ。外商は売上高の2割程度とされ「店によっては半分にもなる」(関係者)と言われる。20~40代の起業家や夫婦ともに高年収の「パワーカップル」などに広がる裾野の取り込みに余念がない。

大丸松坂屋は21年、外商カードのオンライン入会を業界でいち早く解禁した。今や外商会員の約7割がオンライン経由だ。「いちげんさんお断り」で閉じた世界になりがちだった外商の慣行を破ったことが若年層との新たな接点拡大につながったと言える。

百貨店は外商員そのものの若返りも進める。そごう・西武は4月、24年度の新入社員全員を外商に配属した。7割に当たる24人は個人向けの「お得意様部」へ、12人は企業向けの「商事事業部」につけた。過去にも新入社員が外商を担う例はあったが、約20年ぶりに再開したのが19年度だ。以降、継続的に若者を送り込んでいる。

西武池袋本店(東京・豊島)の小沢みなみさんは19年入社。医者や外国人、インフルエンサーなど若い外商客を担当する。「顧客との関係や接客スキルなどの財産を下の世代に引き継いでいきたい」と力を込める。お得意様部の小野慶三部長は「若手が入らないと士気は上がらない。外商の組織活性化や良い緊張感の醸成につながった」と手応えを感じる。

業界全体は5兆円規模

百貨店業界の売上高は近年減少傾向にありますが、2023年には回復の兆しが見られました。

2023年の百貨店の市場規模(売上高)は5兆9557億円で、前年比8.1%増となりました[3]。これは経済産業省の調査による年間補正後の数字です。

しかし、この数字はピーク時と比べるとかなり低い水準にあります。1991年のピーク時には9兆7000億円だった売上高が、2021年には4兆4000億円まで落ち込み、ピーク時の半分以下になっていました[4]。

百貨店業界は、専門店やEコマースとの競争激化、インバウンド需要の蒸発などの課題に直面しています。新型コロナウイルスの影響も大きく、2020年度には多くの百貨店が最終赤字に転落しました[4]。

ただし、2024年4月の既存店売上高は前年同月比8.9%増となり、円安や花見需要により免税売上高が2.8倍に伸びるなど、回復の兆しも見られます[3]。

情報源
[1] 百貨店売上高 - 日本百貨店協会 https://www.depart.or.jp/store_sale/
[2] 百貨店業界|売上高ランキング - キャリタス就活 https://job.career-tasu.jp/rankinglist/234/
[3] 百貨店業界 市場規模・動向や企業情報 | NIKKEI COMPASS https://www.nikkei.com/compass/industry_s/0561
[4] 百貨店市場とは 売上高、ピークの半分以下 - 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC116WX0R11C22A1000000/
[5] 百貨店 業界地図 - 就活準備 - マイナビ2026 https://job.mynavi.jp/conts/2026/gyoukaimap/department_su_co_hya/

売上高ランキング

百貨店業界の売上高ランキングは以下のようになっています:

1. 高島屋: 7,611億円
2. セブン&アイ・HD(そごう・西武事業): 4,469億円
3. 三越伊勢丹HD: 4,183億円
4. J.フロントリテイリング: 3,314億円
5. 丸井グループ: 2,093億円

これらの数字は2021年-2022年のデータに基づいています[4]。

上位10社の中には、エイチ・ツー・オーリテイリング(百貨店事業)、近鉄百貨店、天満屋、東急(東急百貨店事業)、松屋なども含まれています[4]。

ただし、この順位は年によって変動する可能性があり、また一部の企業については百貨店事業のみの売上高が計上されている点に注意が必要です。例えば、セブン&アイ・HDの数字はそごう・西武事業の売上高を示しています[4]。

情報源
[1] 百貨店業界の動向や現状、ランキング等を研究 https://gyokai-search.com/3-dept.htm
[2] 百貨店業界 売上高ランキング(企業一覧) - バフェット・コード https://www.buffett-code.com/industries/138
[3] 百貨店業界|売上高ランキング - キャリタス就活 https://job.career-tasu.jp/rankinglist/234/
[4] 百貨店業界 売上高ランキング(2022-2023年) https://gyokai-search.com/4-dept-uriage.htm
[5] 百貨店売上高 - 日本百貨店協会 https://www.depart.or.jp/store_sale/

Jフロントは大丸、松坂屋、パルコを傘下に。
エイチツーオーは阪急阪神。

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