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温泉で倒れた話

僕はソロキャンプが好きで、キャンプの翌日は温泉に立ち寄るのが定番。
キャンプ場ではずっと焚き火の煙を浴びていたので体中が煙臭いし、そもそも入浴せず寝てしまうので、温泉に立ち寄るとそれはもう素晴らしくスッキリします。

キャンプの楽しみの4割…いや半分くらいを占めているのは「翌日の温泉」ではないだろうか? 本気でそう思うくらいです。

そんなわけで、今日もキャンプ帰りの途中でとある温泉に立ち寄ったのですが…。タイトルのとおり、なんと「湯上りに倒れる」という経験をしてしまいました。その顛末をお話します。


今日は日曜日だったこともあり、立ち寄った温泉はけっこう混んでいました。自分が湯舟に浸かったら、次から次へと人が入ってきて、あっという間に満員状態。一度湯舟から上がったら、もう一度入りたくても場所がなくなっていそうだな…という感じでした。

いつもだったら、何度か湯舟に出たり入ったりを繰り返すのですが、この混雑を見て「長めに浸かって体を温めて、出よう」と思いました。「今日はもう、出たり入ったりしなくていいや」と。

そのため、最初に入った湯舟にずっと浸かり続け、汗がにじんできても我慢してじっくりと温まって、出ました。

その結果…。明らかに「のぼせた」状態になったわけです。


脱衣所で「あー、ちょっと浸かりすぎたなー。頭ぐわんぐわんするなー」と思いました。ただ、この程度の「のぼせ」は過去に経験したレベルでもあり、このときはそこまで危機感はありませんでした。

扇風機の風を浴びたり冷水器の水を飲んだりしたのですが、頭ぐわんぐわん状態がまだ収まりません。

「どっかに座って休みたいな」と感じました。洗面台のところに椅子があったので座ろうかなと思ったのですが、僕はまだちゃんと体を拭いていません。ビニール張りの椅子とはいえ、濡れた尻を載せるのはちょっと申し訳ないな…と思いました。

ここまでが、覚えていた記憶です。



気付くと、どこか遠くの方から声が聞こえます。

「……か…」
「…ですか…」
「…ですか!」
「…大丈夫ですか!!」

休日に寝ていたところを起こされたような、気持ちよい睡眠から起こされるような感覚でした。
「せっかく気持ちよく寝てるのに…」という感覚とともに目を開いてみると、目の前には知らない男性の顔。

何が何だかわかりません。
10秒ほど、固まった状態になりました。
この人は誰だろう? ここはどこだ? 僕は何をしていたんだっけ…?
目の前の人の表情は真剣そのものです。

意識が明瞭になってきて、ようやく、自分の身に何が起きたのかを理解しました。僕は温泉でのぼせ、脱衣所で倒れたのだと。

「うわ、僕、倒れたんですね。すいません、のぼせたようで…」

「大丈夫ですか! 頭打ってませんか」

「ああ、はい、大丈夫だと思います」

実は僕はこの年(47歳)になるまで、失神するという経験をしたことがありませんでした。目が覚めて、自分の身に起きたことを理解できましたが、なんせ初体験なので頭の中はパニック状態です。

ひとまず椅子に座って「うわ、まじか。こんなこと初めてだ。恥ずかしい」と、さまざまな感情の中で混乱していると、僕を起こしてくれたのとは別の男性が来て「今、施設の人を呼んだので!」と伝えてくれました。

「ああ、もうそんな、大丈夫です」と答えはしたのですが、僕がひっくり返ってる間に脱衣所はひと騒動だったでしょうから、そうなるよなぁ…と思っていると、温泉施設の方々が3人くらい駆け込んできて。

ビニール袋に入った氷、経口補水液、タオルなどなどで僕のケアをしてくれました。もう申し訳ないやら、ありがたいやらで恐縮しきり。

しばらく休ませてもらったおかげで無事に帰ってくることができましたが…(そしてこのnoteを書くことができていますが…)。

つくづく、「自分はもう若くない」という現実を思い知りました。


よく温泉に行くと、脱衣所に「温泉の正しい入り方」といった案内が貼ってあったりしますよね。

おおむね「徐々に体を慣らす」「休憩を挟む」「長湯をしない」といったことが書かれてありますが、僕は今まで「そんな大げさな」と思っていました。敏感な人は注意した方がいいだろうけれど、自分には関係ないものだ、と…。

しかし、今回の失敗で、大いに反省しました。

僕はもう若くないのだし、温泉の入り方にも注意しないと本当に危険。


今回の教訓を、肝に銘じようと思います…。

そして最後になりましたが、僕に声をかけ続けてくれた方、スタッフを呼びに行ってくれた方、スタッフの皆様、ご迷惑をおかけしました。ありがとうございました。

僕ももし逆の立場になったら、恩返しのために「いの一番」で動こうと思います。皆様もどうかご注意を。

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