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nikki 20220802

おなかがすいてきた午前2時、かなり地獄に近い。肉を焼いて食おうかな。
日記に書こうと思っていたことをすっかり忘れてしまって、少し途方に暮れた。何か、過去のことだった気がする。過去にあったことを思い出しながら書こうとしていた気分だった気がする。カスミのような記憶。

思い出した、麻婆豆腐のことを書こうとしていた。
麻婆豆腐を作っていると、なるべく豆腐が崩れないといいなと思う。私だけではないだろう。で、案外豆腐は崩れずに調理が進む。あれ?余裕じゃん。麻婆豆腐で豆腐崩さないのってそんなに難しくないんだな~と思いつつ、火を止めて、とろみ液を入れる。そして全体を混ぜながら、再び点火する。このあたりから一気に雲行きが怪しくなる。とろみ液を入れてかき混ぜた瞬間、それまで形を保っていた豆腐がバラバラになり始める。とろみがついたことで、自分の菜箸が、へらが、豆腐を傷つける凶器に変わる。
焦る。違う、そんなつもりじゃなかったんだ、豆腐よ。俺はお前たちを、最後まで守護していようと誓ったのだ、なのに、なぜ、ああ……
そうして出来上がった麻婆豆腐は、もうめちゃくちゃ豆腐が小さくなっている。液状に近い。さっきまで存在感を主張していた豆腐たちは、もはや欠片と呼ぶしかない大きさになってひっそりとしている。悲しい。こんな悲しい出来事が、麻婆豆腐を作るたびに起こる。
とろみ液、憎い存在だ。アイツの制御方法を身につけない限り、豆腐の無差別殺戮は止まらない。とろみ液をコントロール下に置くことが、平和的麻婆豆腐への第一歩なのだ。

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