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ついに、ついに、積年の悲願であったホーウィンシェルコードバンの小物を購入してしまいました。

そこで、あの神番組「俺のダンディズム」よろしく手持ちのコードバン小物をご紹介しつつ、各社の革の雰囲気の違いなどをレビューしていきたいと思います。

●名刺入れ(ガンゾ ホーウィンシェルコードバン #8 バーガンディ)

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↑↑↑購入して3か月ほどが経ちました。
基本的に、カバンの小物を入れるポケットに入れっぱなしなのですが、それでも既に凹みや小傷が出来ています。

実際の色合いは、この画像よりももう少し赤みが強いです。陽の光のもとではかなり赤く見えます。

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↑↑↑購入後、布で磨く程度のことはしていたのですが、蓋の折れ曲がる部分が乾燥し、カサカサしています。
また、内側にも小傷のようなものが散見されますが、購入したときからこんな感じです。


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↑↑↑裏面です。アップで見てもらうとわかるのですが、毛穴や斑点のようなものが見えます。これもやはり購入したときからこういうものです。

●二つ折り財布(ガンゾ ホーウィンシェルコードバン ネイビー)

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↑↑↑今回購入したものです。
上記の3カ月ほど使用した名刺入れに比べ、艶がなく、マットな状態であることがお判りいただけるかと思います。
また、かなり毛穴が目立ちます。
このように、ホーウィンコードバンは、とにかく個体差が大きいのが特徴です。武骨で上品さはないのですが、ギラリと光るツヤ感や、アメリカンなラフさの中にある何とも言えない高級感に思わずうっとりしてしまいます。


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↑↑↑AJIOKAさんの作りもとても丁寧です。
ホーウィンコードバンの持つマッチョな雰囲気とガンゾの骨太なデザインとが絶妙な具合にマッチしているのがこの「SHELL CORDOVAN 2(シェルコードバン2)」シリーズです。


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↑↑↑反対の面のアップです。こちらも毛穴がかなり多く見られます。
毛穴や血管、シミなどを隠すことなくナチュラルに仕上げるのがホーウィンシェルコードバンですので、こうした風合いがイマイチだと感じる方は値段に見合った価値を感じることはできないものと思われます。

あと、高価なものをドヤるために購入する、というのも全くお勧めできません。後に見る顔料仕上げコードバンはともかく、コードバンは一般的に水濡れに弱く、決して扱いやすいものではありません。

財布や名刺入れがホーウィンコードバンだったとしても正直全く他人には気付かれませんので、そもそもドヤる機会すら与えられません。

ですので、機能性や実用性は低いと言わざるを得ず、趣味性の高いシロモノと言うべきかと思われ、基本的には自己満足にしかならず、あえて言うなら、コードバン・革小物好きと語り合うためのコミュニケーションアイテムくらいにしかならないような気がします。

●定期入れ(キプリス 新喜皮革シェルコードバン ネイビー+ブラック)

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↑↑↑キプリス(CYPRIS)の定期入れです。表面はブラック、裏面はネイビーです。
新喜皮革のコードバンは、ムラなく、均一に美しい感じです。
毛穴やシミなどはありません。

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↑↑↑裏面のアップです。使用して4年目です。細かい傷はありますが、まだまだキレイです。とにかく光沢感があり、蛍光灯の光でギラギラ光ります。

ホーウィンコードバンの荒々しさに比べると、とても上品に感じられます。キプリスの上品なデザインには、ホーウィンコードバンより新喜皮革コードバンがマッチしているように感じます。

●腕時計バンド(松重商店 新喜皮革オイルコードバン ネイビー)

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↑↑↑これも使用して4年目ですが、まだまだキレイです。あと3年は持つのではないでしょうか。
ちなみに、長持ちさせる観点と、夏と冬とで気分を変える意味で、5月~10月にかけてはこのネイビーのコードバンの革ベルトを使用し、11月~4月にかけては純正のブラウンのクロコの革ベルトを使用することにしています。

同じ新喜皮革製でも「オイルコードバン」と「シェルコードバン」とはかなり趣が異なります。

シェルコードバン」は定期入れでみたように、表面に凹凸は全くなく、かなり光沢がありますが、一方の「オイルコードバン」は表面が少し毛羽立った感じであり、光沢はなくマットです。
正直、製法の違い等は全く分かりませんが。

松重商店さん↓↓↓は、大阪ミナミの南堀江にある腕時計の革ベルト専門店です。

クロコやカーフはもちろん、コードバン、ブライドルレザー、リザード、ガルーシャ、オーストリッチなど、普通では手に入らないこだわりの革がラインナップされています。しかも安い!!

カミーユフォルネは手が出ないけれど、時計の革ベルトにはこだわりたいという方にはとてもおススメのショップです。メールでの問い合わせにもとても丁寧に対応して頂けます。

●ベルト(プレリーギンザ 宮内産業?顔料仕上げコードバン ブラック)

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↑↑↑プレリーギンザ顔料仕上げのコードバンベルトです。製造元は不明なのですが、ガラスレザーを思わせるツルっとした仕上げ方から、新喜皮革製ではなく宮内産業製と勝手に理解しています。

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顔料仕上げは、コードバン好きからは敬遠されがちかも知れませんが、何と言ってもその実用性が魅力です。

手を洗った後の水にぬれた手でベルトを締めてもシミなどは一切できませんし、使用して3年目になりますが、カーフのベルトだと必ずでてくるヤレ感も全くありません
また、引っ張る力に強い馬革の特性が生きており、ベルトの穴が横に広がったりもしていません。
汚れにも強く、少し汚れていたとしても、M・モウブレィの「パーフェクトジェル」↓↓↓を少し含ませた布で磨けばすぐピカピカになります。

水に弱いというコードバン最大の弱点がカバーされており、しかも引っ張りに強いという馬革の特性はベルトにした際に最も活きる気がします(財布や名刺入れは引っ張る力は通常かからないので)。
そうしますと、顔料仕上げコードバンはベルトの素材としては最強のようにも思えます(あとは、ガラスレザーを思わせるのっぺりした表情をどう思うかだけでしょう)。

●お手入れ用品(長谷革屋 コードバンオイルワックス)

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↑↑↑M・モウブレィの「コードバンクリームレノベイター」やサフィールの「コードバンクリーム」などなど、各社がコードバン専用のクリームを販売していますが、今回購入したのは、「長谷革屋 コードバンオイルワックス」です。


↓↓↓あのレーデルオガワが製造元となっており、まさに「プロ仕様」です!

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↓↓↓同封の説明書きです。ワープロソフトでベタ打ちしただけのプリントで、このあたりも「to C」というより「to B」感があります。

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↓↓↓上記の名刺入れにさっそく塗って磨いてみました。たいして変化は感じられません。使用後3カ月なのでそもそもまだ加脂の必要もないのでしょう。ただ、カサついてダメージを受ける前にちょくちょく油や栄養を補給しておきたいところです。

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↓↓↓他方で、革の折り曲げ部分のカサつきには顕著な効果がありました。
ワックスを塗って磨いてみたところ、カサつきは全くなくなりました。

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●新品のケア

上記のネイビーの新品の二つ折り財布に現時点でワックスを塗りこんでおくかどうかは難しいところです。

↑↑↑ガンゾさんとしては、例えば靴の履きおろしの際のように新品のものにクリームを塗ってから使い始める、というようなことは推奨していないようです。

ただ、例えばオンラインで購入する際には、倉庫等にある在庫の中から発送するわけで、在庫として眠っている間は何らの手入れもされていないわけですから、購入して手元に届いた際には、商品は相当程度乾燥した状態にあるのではないでしょうか。

そう考えますと、やはりとりあえずは油分や栄養を加えてやる必要があるような気がします。

ですが、「長谷革屋 コードバンオイルワックス」は、ガッツリ塗ると油分で確実に革が濃くなります。

まずはネイビーの青さ加減を楽しむべく、とりあえずは上記ガンゾ公式サイトのレクチャーに従い、何も塗らずにいこうと思います。

他方で、色が濃くなることに抵抗がない方は、使い始める前にまずはクリーム等で油分を補給してもいいのではないでしょうか。
職業によるでしょうが、私などは名刺入れを毎日カバンから取り出すことはありませんし、キャッシュレスが主流になりつつある今、必ずしも財布を毎日触ることがあるかと言いますと、そうとも言えない気がします。
そう考えますと、少なくとも手の油で保油される、という話にはならないわけで、やはりクリーム等で油分を補給すべきという考え方もあり得るのではないでしょうか。

●ネクスト"俺のコードバン”

というわけで、いろいろ書いてきましたが、最後に、次なる狙いについて述べてこの記事を終わりたいと思います。

〇次なる狙いその1 レーデルオガワ社製コードバン

まだレーデルオガワ社製コードバンを味わえておりませんので、まずはその水染めの美しさというものを味わってみたいと思っています。

ただ、同社製の財布以外の革小物はそれほどたくさん流通してはいませんので、どうしたものかというところです・・・

〇次なる狙いその2 オールデンのVチップ

革靴好きなら誰しもが一度は憧れるオールデンのコードバンシューズも次なる狙いに定めております。

ネックがあるとすればそれはとにかく高いことかと。
税込14万円近くするわけですが、雨の日に履けないアメリカの大雑把な作りの靴にそこまでの金額をかける価値はあるのか、と自問自答の毎日です。
この金額を靴にかけられるなら、三陽山長の「極み」シリーズなど、国内最高峰の既製靴が手に入るわけで、なかなか難しい決断を迫られます。

他方で、コードバン靴であれば何でも良いというわけでもなく、ホーウィンコードバンは、オールデンのザ・アメリカンな雰囲気のデザインがあってこそのものと言え、例えば、三陽山長等のパターンオーダーでホーウィンコードバンを選択できたとして、三陽山長のラストにホーウィンコードバンを搭載したものが果たしてホールデンのコードバンシューズのような唯一無二の雰囲気を纏っているかというと、そうではない可能性もあります。

その意味で、やはりオールデンのコードバンシューズはオンリーワンのものと言え、14万円を支払ってでも・・・という思いはあります。

しかし、仮に購入するとしても、黒かバーガンディか、悩みは尽きません。

私は、ビジネスシューズを除きますと、革靴は茶色派なのですが、ホーウィンコードバンのバーガンディはかなり赤みが強く、服との合わせはなんだか難しそうな気がします・・・

というわけで、いろいろ悩みは尽きませんが、とにかく、コードバンは素晴らしい素材であり、とにかく革の楽しさを味わいたいならコードバンのアイテムを一つ持っていて損はないはずです。

雑なまとめ方で恐縮です・・・ここまでお付き合い頂き誠にありがとうございました。

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