カンボジア 政府レポート 2022年の国内消費電力の電源構成比と2023年予測

2023年1月にカンボジアのMinitsry of Mines and Energyから2022年の国内電力事情に関するレポートが発行された。こちらの記事では2022年のカンボジア国内の再生可能エネルギーを含めた電源構成比と消費電力量、2023年のそれらの予測を抜粋して紹介する。今回、参照したレポートは下記からダウンロード可能。

Salient Feature of Power Development in the Kingdom of Cambodia Until December 2022

Ministry of Mines and Energy
 

・2022年のカンボジア国内の電源構成比別の発電キャパシティ

2022年12月時点の国内の発電キャパシティは国内発電が3,464.67MW(メガワット)、輸入による供給は1,030.75MWであり、合計4,495.42MW国内である。両者のそれぞれの割合は国内発電が77.07%、輸入電力が22.93%である。
国内発電の3,464.67MWの発電方法別の内訳は下記のとおりである。
・石炭火力発電: 29.58%
・石油火力発電:18.55%
・水力発電:38.44%
・太陽光発電:12.61%
・バイオマス発電:0.82%

化石燃料を使った火力発電が発電キャパシティの48.13%、再生可能エネルギーを用いた発電キャパシティが51.87%であり、カンボジア国内では再生可能エネルギーを用いた発電の方が大きいことがわかる。

一方、輸入による電力供給1,030.75MWの輸入元は隣国であり、タイ、ラオス、ベトナムである。
・タイからの輸入:26.90%
・ベトナムからの輸入:32.25%
・ラオスからの輸入:40.84%
 

・2023年の予測

2023年のカンボジアの発電キャパシティ予測は国内発電が3,814.67MW、輸入による供給が1,130.75MW、合計が4,945.42MWである。両者のそれぞれの割合は国内発電が77.14%、輸入電力が22.83%である。

国内の発電キャパシティの内訳は下記のとおりである。
・石炭火力発電: 36.05%
・石油火力発電:16.85%
・水力発電:34.91%
・太陽光発電:11.45%
・バイオマス発電:0.75%

一方、輸入による電力供給の輸入元は隣国であり、タイ、ラオス、ベトナムである。
・タイからの輸入:24.52%
・ベトナムからの輸入:29.40%
・ラオスからの輸入:46.08%
 

(Salient Features of Power Development in the Kingdom of Cambodia Until December 2022)

・2022年と2023年の比較

2023年の発電キャパシティは2022年と比較して、国内発電が10.18%増、輸入による供給が9.7%増である。
発電方法別を見ると火力発電の割合が増加している。これは700MWの発電キャパシティを持つシアヌークビルの火力発電所が2022年11月に稼働したことが寄与すると考えられる。その他の発電方法のキャパシティを見ても、2022年と数値が変わらない。
輸入による供給はラオスからの輸入が2023年は100MW増加する。タイとベトナムからの輸入による数値は変わらない。

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