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みんな大好き?転職エントリだよ

ども、さいたまにすとです。
気がつけば暦は6月、毎度のことながら月日の経つのは早いものです。皆様もお元気でお過ごしでしょうか。

さて、結婚式やらで伸び伸びになってしまった転職エントリ、ようやく書く暇ができました。
結論から言うと今回の転職は現時点では成功でした。めでたしめでたし。

そもそも

俺は色々あって転職はもう3度目になります。
新卒がちょうど就職氷河期な世代でした。文系SE(8年)→測量(7年)→建築設計(3年)→建築設計(今)、と、途中で業種すら大幅に変えていますが、今までの経験は全て現職に活かせていると感じています。

直近の前職

今年の4月まで、某中堅住宅メーカーの設計部で3年半ほど勤務していました。入社した理由は、実家と同じ県に本社があって名前を多少知っており、安心感を覚えたからです。
しかし採用面接時、いきなり「九州に行ける?」と尋ねられました。
後から分かりましたが、設計部は当時から人手不足で、特に遠隔地の九州はやり繰りに困っていたようです。
結局俺は関東から離れることはありませんでしたが、俺にそれを尋ねた部長はしばらくして九州へ飛び、1年ほど九州全体の案件を監督していました。一人でやるには範囲が広すぎるでしょうに。

前職のメーカーは分譲住宅と注文住宅の新築をメインの商品としており、俺は注文住宅の方に配属されました。
仕事は自分で図面を書くというより、営業さんが書いた図面のチェック、そしてそれをCAD図面化したもののチェック。そしてたまに営業同席の接客。
CADオペは中国に投げており、それがまた見事な中国クオリティ。例えばクッションフロアがクツツョンワロアみたいに記載されているのが日常茶飯事でした。1日の間に複数案件で何度も訂正依頼のメールをやり取りしても、正直間に合いません。確認申請等に影響のない図面であれば上記の間違い程度は半分くらいスルーしてました。

また営業さんが書いてくる下絵も法律とか構造とか無視しているものが多く、まあ仕方ないっちゃ仕方ないのですが、粗探しをして訂正するのは大変でした。
特に面倒だったのは、ろくすっぽ法規を覚えていないにも関わらず誰にも相談しないで長時間残業してぐちゃぐちゃに書き込んだ図面を作り上げ、出来ました!よろしく!と投げ込んでくるおじさん。ついでに話も長い。
全体の半数以上の住戸が採光NGな共同住宅とか、鉄骨階段が隣地にはみ出るとか、挙句は防火地域なことを見落として準耐火構造が耐火構造にランクアップ(見積額倍増)とか。あの人がどうして今まで営業として働き続けてこられたのかは永遠の謎です。

木3共事件

業務にやっと慣れたと思った頃、自分と直属の上司の担当エリアの外から、物騒な物件が投げ込まれました。何と木造3階建共同住宅、60分準耐火の木3共です。
うち(設計・建設部署の両方)にそんな技術力無いんだから止めてくれよ……、と社内の様子が何となく分かってきたところでしたが、そんな理由で断れる訳も無く、しぶしぶ担当に。

ちなみに木3共って耐火構造より建物自体の規制は少しだけ緩いですけど、その代わり敷地内通路を幅3m設けろとかバルコニーを広く作れとか避難設備の規制が厳しくて、敷地に落とし込んでみるとプランが成り立たなくなることが多いんですよね。今回は何とか成り立ってしまったのが運の尽き。
確認申請まで進んだところで、審査機関からきつい補正依頼を喰らってしまいました。
共用廊下の一部だけ、両側に住戸を作る形に途中で設計変更したのですが、その時に階段の竪穴区画の検討をしておらず、階段と廊下の間に特定防火設備が必要になってしまったのです。階段はほぼ外気に面していたので竪穴どころか穴だらけなのに、変な法律だよねチクショー……
見積の金額は確認申請前に固まっており、今更施主様に追加請求できません。特防のドア3枚分、軽く血の気の引く額の始末書を書き、社長室に上司と共に呼び出されて社長直々に決裁を頂きました。

 そしてその木3共ですが、社内であまり実績の無い規模の建物だったせいで、構造計算担当者が音を上げました。
そこ俺の担当範囲じゃないし! 俺だって構造は大の苦手なんですけど! 二級建築士試験の学科でも構造はギリギリだったんですけど!!(一級は学科で二度落ちて諦めた)
でも上記の始末書の負い目もあり、泣きながら訂正箇所を一つずつ潰していき、何とか確認済証を受領、竣工に至りました。

ちなみに、俺に木3共を投げつけてきた営業部長からは他にも、歯科医院の電気配線図(書いたことねえよ)、最低高度地区有りの敷地に平屋のコインランドリー(何だよそれ)、外部の設計事務所が作ったいい加減なプランを元にした住宅の接客(まじであの事務所くたばれ、本気で社名を出したいくらい恨んでいる)、などなど、俺を✨圧倒的成長✨へ導く数々のクソ案件を頂きました。
ほぼ住宅専業メーカーにいながら非住宅の物件をたった3年の間に片手で足りない数をこなした人、あの会社に他に何人いたんだろう?

あれ、身体が

木3共のドタバタが過ぎてしばらく経った、一昨年の7月。
ある日突然、とんでもなく身体がだるくなり、動かせなくなりました。
思考も止まるし、歩く速さも激遅に。間違いなく異常事態ですがどういう異常なのかがさっぱり判りません。
コロナ後遺症も疑いましたが、結局うつ病との診断。投薬を受け始めるとゆっくりと回復していきました。歩くのに杖が欲しくなる苦しさの身体で通勤するのは本当に大変でした。
2年近く経った今でもカリフォルニアロケット投薬を続けています。ついでに去年の春に胆石で激痛に襲われて胆嚢を取りました。割と珍しいらしい黒い砂利みたいな胆石が十数粒も出てきたよ。厄年って正確なんだね。

やってられんわ

投薬を受けつつ、昨年9月にお付き合いを続けていた彼女と入籍。
これ書いてて思ったけど、よく結婚まで辿り着いたな俺。人生の不思議。
彼女改め妻の仕事場の都合で都内へ引っ越したことで、通勤時間が伸びてしまいました。上司に相談したところ、某住宅展示場にある店舗で勤務することを提案されました。若干ではあるものの通勤時間が減る為了承します。

前職は設計部門の人数が慢性的に不足しており、営業から設計への質問などがやりづらかった為、展示場に俺が行くと営業さんから歓迎されました。
仕事の内容は以前と変わらないものの、人員不足とスキル不足からやや難しい物件が優先して俺に割り当てられ、また営業さんから直接受ける質問に対応するなどの業務が増えた為、担当物件数は減ったが残業時間は減らない、という状態が続きます。

更に当時、会社の方針で分譲住宅の売上割合を増やすべく、分譲住宅担当の設計部員だけでは捌ききれない量の間取作成や確認申請のノルマが課され、溢れた物件が注文住宅担当の我々に割り当てられました。
住宅の作りかたは注文と分譲で全く異なります。注文住宅は最初に施主様の意向があって、そこから現実的なプランに落とし込んでいくものですが、分譲住宅は会社の都合が最優先です。
安く建てる為に仕様もギチギチに標準化されていますし、4LDKで作って売ると決まったら必要な部屋や設備を狭い敷地に無理やり押し込んでいかねばなりません。高難易度のパズルをタイムアタックで解いているような気分で、楽しくもありましたが非常に疲れるものでした。
逆に土地の広い郊外で建てる時は工数削減の為か、他所で建てた住宅の間取をそのまま持ってきて、色だけちょっと変えて終わり、ということもあったようです。それはそれでやりがいの無い仕事だなと感じました。

その他では、長屋の長期優良&設計性能評価申請なんてものを社内で初めて担当したりもしました。知らないことだらけで補正まみれになり、受理まで1ヶ月も費やしてしまいました。着工時期まで余裕があって助かりました。
この頃の残業時間は月平均20~30時間くらいでした。病気なのに。
なお上司は80時間くらいでした。年1で入院してたのに。

投薬でやや持ち直した体調も、業務に追われているうちにまた段々と落ちていきました。
このままではまずい、と確信した俺は上司に相談し、2ヶ月間休職してしっかりと休養することにしました。
休養は成功し、すっきりした表情で復職しましたが、2週間もすると元の木阿弥に。
というか復帰したその週から残業せざるを得ませんでした。これには心療内科の主治医もドン引き。「いつでもまた診断書を書いてあげますからね」と温かい言葉を頂く始末でした。

その上、若手の同僚が辞めてしまいました。彼が担当していた物件が残った人間に割り振られ、面倒臭い物件は優先的に俺の元へ。
更に更に、会社の業績不振が社内でもじわじわと話題に上り始めました。
住宅ローン金利の上昇に世間が過剰なほど反応したのも追い打ちをかけます。隣の公園には親子連れが沢山いるのに、住宅展示場の敷地に入った途端人影が消えるのを目の当たりにして、冷や汗が止まりませんでした。

もはや命の危険さえ覚えました。妻にも大変心配され、そんな会社早く辞めろと諭される始末。
早く転職するには同じ職種がいいだろうと、休日を利用して採用面接を受けるも上手く行かず悩んでいたところ、派遣社員の募集を見つけました。
そこで現職を見つけ、4月末で前職を退職しました。引き継ぐ人がいない物件の対応に追われ、最終日の退社時間は21時半でした。

ありがとう現職

これまでずっと正社員として働いてきたので、派遣社員って何ぞや? という所からのスタートでした。
社内にCAD専門の部署があり、CADの研修が受講できる、というので、それなら信頼できそうだと思い登録したのがテンプスタッフでした。
実際にJW_CADの研修を受けましたが、とっつきにくいUIを社員講師に直接質問しながら練習できたので非常に有用でした。あれが無料なのはお得が過ぎる。
一応記載しておきますが、このエントリにスポンサーは付いていません。

テンプスタッフの営業さん(この人もまめな良い人、繰り返しますがスポンサーは付いていません)に連れられて訪問した現職の会社は、小さめの建設会社ですが母体はその筋の人なら知っている優良企業。
設計の部長さんもとても良い人で、社内も落ち着いた感じだった為是非お願いしますと即座に頭を下げ、GW明けから勤務開始となりました。

経験もあることだし君にはちょっと難しい物件をお願いしたい……と頼まれた間取作成をこなすと「えっもう出来たの?」と驚かれ、いやでもこれ前職の倍以上の時間をかけてるんだけどなぁ、と内心では反省しつつも、じっくり時間をかけて仕事ができる現職は本当にありがたいと感じる次第です。

また大事なことなのですが、転職したことで通勤時間が激減しました。会社から家まで最短30分未満です。夢のようです。
しっかり休めるようになったことで体調も回復し、妻に喜ばれています。
転職していなかったら結婚式も無事に終えられなかったかも。何しろ披露宴で流す2人のプロフィールムービーを作ったり(Canvaって物凄く便利だね)、妻が出席者のアクスタを作って会場に並べるんだって言うから写真をプラ板に印刷したりと、俺の作業が意外とあったもので。

まとめ

転職って始めてから決まるまでに時間も体力も消耗して大変ですが、それでも今回は転職して大正解だったなと感じています。
派遣社員なので長期的に安定した仕事があるかどうか若干不安があるのと、まだ初回の給与が振り込まれていないので実際どのくらい手元に入ってくるかが不明なのですが、それでも体力・精神共に大幅に改善されましたので良しとしましょう。
皆さんも今の仕事に不安を感じたら早めに転職を含めた働き方の改善を考えてみてください。俺みたいに仕事で身体を壊す人が一人でも減ることを心から願っています。

あと、電話中にふと口が緩んで「設計は営業の言うことを素直に聞いているだけでいい」とほざいた女営業、てめえは一生許さんからな。

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