「埼玉発世界行き」奨学金特集① ~国際交流協会 並木さんに聞く~
こんにちは、初めまして!
埼玉発世界行き奨学金(地域活躍コース)の支援を受け、2023年6月から9月までスペインのバルセロナにて短期語学留学をしたOliviaです。インタビュープロジェクトではライターを担当しています。
さて、インタビュープロジェクト第1回は、「埼玉発世界行き」奨学金特集です!とても有名な奨学金ですが、その歴史や関わっている方の思いを知る機会は、これまであまりなかったのでは・・・!?
今回は、公益財団法人埼玉県国際交流協会で副局長を務める並木次郎さんに詳しいお話お伺いししました。お忙しい中お時間を作って下さり、ありがとうございました。
「埼玉発世界行き」元・現奨学生、埼玉県親善大使同窓会の会員の皆様、更にはこれから応募を考えている皆様は必読記事です!3回に分けてお届けします!お楽しみください☺️
■今回インタビューさせていただいた人
■2011年、県が10億円を出資し「一般奨学金制度」スタート。若者の海外留学を応援!
ーー2011年に埼玉県は自治体としては異例の10億円を出資して「埼玉発世界行き」奨学金を作っています。その背景や理由を教えて頂けますでしょうか。
当時、2004年(平成16年)をピークに日本から海外で学ぶ留学生の数が減っている状況でした。埼玉県が率先してこの状況を変えていこうと、グローバル人材育成基金を設立、一般奨学金制度が設けられました。当時の関係者の方々にチャレンジする若者を後押ししたいという思いがありました。また、埼玉県としてグローバル人材を育てようという意図もありました。
■埼玉県から日本中に広がった、留学支援の輪
ーー埼玉県の取り組みは、他の自治体や国にも影響を与えたそうですね。
埼玉県の「埼玉発世界行き」奨学金創設の後、いくつかの都道府県が留学する学生を支援するようになりました。
また、国の留学支援の予算も増えました。例えば、2010年(平成22年)に7.6億円であった予算が、年々増額となりました。当時、文部科学省に埼玉県から参画されていた方が、グローバル人材育成基金の話をし、関係者の方々が埼玉県の10億円という数字に刺激を受けたという背景があります。予算額は2016年(平成28年)には87.2億円になったそうです。
ーー「埼玉発世界行き」奨学金は色々な賞を受賞されたと聞いています。
「埼玉発世界行き」奨学金は先進的な事例であると表彰を頂きました。全国知事会優秀政策、プラチナ構想ネットワーク委員会特別賞などです。
■「埼玉発世界行き奨学金」の知られざる歴史 ~2024年2月現在で2,200名以上の海外留学を支援~
ーー「埼玉発世界行き」奨学金ができたのは2011年です。現在まで、支援内容やコースなどはどのように変わってきたのでしょうか。
その時々で最適な形で若者を支援しています。2011年から2016年まで、約1,600名の若者に奨学金を出し、海外留学を支援しました。当時、支援した若者の数は全国の自治体トップでした。
また、海外でのインターンシップや語学留学、ワーキングホリデーなどの「海外体験活動」に対しても奨学金を出しました。通常の奨学金は留学のみを対象としていますから、全国的に見ても非常に珍しい取り組みです。
2017年より民間や個人の力もお借りしながら奨学金を運営していこうということになりました。埼玉グローバル人材活躍基金と名称を変更し、埼玉県が3億円を出資に加え、企業や個人の方々からの寄付を受け付けて運営するようになりました。
ーーもう少し詳しく教えて頂けますか?
これまでは、埼玉県が出資した10億円を原資とし、若者を応援してきました。
2017年からは一般奨学金コースと冠奨学金コースを作りました。一般奨学金は、県民の皆様からのご寄付と県の補助金によるもの。冠奨学金コースは寄附者の方によるオーダーメイドの奨学金です。
ーー「一般奨学金コース」とは、どのようなものなのでしょうか?
地域活躍コース、学位取得コース、高校生留学コースの3つがあります。当初は、それぞれ年間20万円を50人に、100万円を10人に、50万円を30人にお渡しして留学を支援してきました。
内容や細かな条件は年により変わりますので、詳細は埼玉県のホームページ他、グローバル人材育成センター埼玉のホームページをご確認頂ければと思います。
ーー冠奨学金制度について教えてください。
冠奨学金制度とは、寄附者の方がオーダーメイドで作ることができる奨学金です。どのような方にいくら奨学金を出すか、またその奨学金の名称を寄附者の方に決めて頂き、グローバル人材育成センター埼玉にて選考を行い、奨学生を決定します。
例えば、サイタマさんという方が医学を学ぶ学生を応援したいと100万円寄付をして下さり、医学を学ぶ学生年間2人に50万円を支援する「サイタマ医学奨学金」を作る、と言うとイメージがわきますでしょうか。
2017年当初はカネパッケージ株式会社様、カルソニックカンセイ株式会社(現:マレリ株式会社)様、個人の篤志家の女性が冠奨学金制度を支援して下さいました。こちらにも記事が出ていますね。
2023年度の募集では17の企業・団体・個人の方々が寄附者となって下さりました。冠奨学金の詳細に関しては、こちらにも出ていますので、是非ご覧ください。
■留学だけでなくインターンまでサポート
ーー奨学金支給のみならず、帰国後のインターンシッププログラムもあるのが「埼玉発世界行き」奨学金の面白いところです。地域活性化コースでは、埼玉県内の企業でインターンを実施することが義務付けられています。
最初は奨学金支給のみでしたが、留学後の就職までサポートしていこうとなり、制度が整えられました。
地域活性化コースでは、埼玉県にてインターン先を探し、インターンに挑戦して頂きます。このコースの狙いは、留学を通して得た経験を地域で活かしていただくことなので、インターン先を探すことによって地域(埼玉県)のことをより知ってもらえたらと考えています。
■「埼玉県親善大使」ってナニ!?
ーー「埼玉発世界行き」奨学金の選考に合格した場合、「埼玉県親善大使」を委嘱されます。埼玉県親善大使とは、何ですか?
埼玉県では、「埼玉発世界行き」奨学金やJICA海外協力隊、日本語パートナーズ、姉妹都市(アメリカ・オハイオ州、中国山西省、オーストラリア・クイーンズランド州、メキシコ・メキシコ州など)とのプログラム(留学、インターンシップなど)で海外に赴く方に「埼玉県親善大使」を委嘱しています。
埼玉県と世界の国々の懸け橋になり、友好を深めて頂きたいです。
また、上記のプログラムで海外から埼玉県に来られる方にも「埼玉県親善大使」を委嘱しています。
…
いかがだったでしょうか!?
「埼玉発世界行き」奨学金特集の前編でした。これまでの歴史や関わって下さった方々の思いを知っていただければ嬉しく思います。
次回は埼玉親善大使についてより詳しくお話をお伺いします!「埼玉発世界行き」奨学金で海外に渡航される方全員が委嘱される埼玉県親善大使。どのような役割で何をすべきなのか!?詳しくお伺いしました。
お楽しみに!