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セゾン投信 相談室のツブヤキ第23回【2024年12月iDeCo改正】

みなさま、こんにちは。いつも相談室のツブヤキを読んでいただき、ありがとうございます。
セゾン顧客本位の相談室の高野と申します。今回、初めてのツブヤキデビューです。普段は、ファイナンシャルプランナーとして相談業務にあたっております。

2024年12月にiDeCoの改正が行われ、多くのお客さまにも影響が及ぶことと思います。そのため、今回のツブヤキでは、iDeCo改正の詳細についてわかりやすく解説するとともに、iDeCoを利用する人が注意すべき点について、紹介していきます。


◆iDeCo改正の概要と目的

今回の改正は、iDeCo制度の拠出限度額の引き上げなど、制度の利用しやすさをUPさせることで、より多くの国民が老後資金の準備を始められるように後押しすることが目的です。

これまで、iDeCoは何度か改正されています。過去の改正を確認したい方は、相談室のツブヤキ第2回【iDeCo改正】を合わせてお読みください。

◆改正の主な内容について

■拠出限度額が引き上げられます

・現在の拠出限度額は?
iDeCoの拠出額は国民年金の加入者ごと(第1号、第2号、第3号被保険者)に分かれ、さらに勤務先の制度によって上限が定められています。現在は、下記の図1のように主に次のA~Gの7パターンに分けられ、緑色の金額が拠出限度額となっています。

【図1】

・A:自営業(個人事業主)、学生、フリーター、無職の人など
・B:勤務先に企業型DCや確定給付型の企業年金(DB)制度がない
・C:勤務先で企業型DCのみ加入
・D:勤務先で企業型DCと確定給付型の企業年金(DB)に加入
・E:勤務先で確定給付型の企業年金(DB)のみ加入
・F:公務員(他私立学校の教職員)
・G:主婦(主夫)など扶養内

・拠出限度額の引き上げ対象となる人はどんな人で、どれくらいUPできるの
iDeCoを利用するすべての人の拠出限度額が上がるわけではありません。
上記のA~Gのうち、次の人が該当します。
・D:勤務先で企業型DCと確定給付型の企業年金(DB)に加入
・E:勤務先で確定給付型の企業年金(DB)のみ加入
・F:公務員(他私立学校の教職員)
つまり今まで緑色の部分iDeCoの拠出限度額が毎月1.2万円だった人が、毎月最大2万円まで引き上げることができるようになります。

・ただし必ずしも毎月2万円できるわけではありません
現在加入中の企業型DCや企業年金(DB)など、その他制度の掛金相当額とiDeCoの掛金の合計が毎月5.5万円を超えることはできません。そのため、iDeCoの掛金が毎月2万円よりも少なくなる場合があります。

次の図2をご覧ください。
たとえば、企業型DCで事業主拠出(会社が出してくれている分)が毎月1万円、そして同じく会社が出してくれている企業年金(DB)が毎月3万円だった場合、本来自分で拠出するiDeCoは、毎月2万円になるところですが、毎月の拠出額を5.5万円内に収めなければならないというルールがあります。そのため、この場合、iDeCoの拠出上限額は、毎月1.5万円となります。

【図2】

・手続き上の注意点
現在、上記のD~Fに該当し、iDeCoを年払いにしている人は、注意が必要です!
iDeCoの掛金は、毎月の拠出のみ可能、つまり年払いができなくなります。そのため年払いから月払いへの変更手続きをしなければなりません。
iDeCoに加入している金融機関へ2024年10月末までに手続きをしないと、iDeCoの2024年12月分の掛金(2025年1月に引き落としされる分)より、引き落としが一時停止されてしまいます。今一度、ご自分のiDeCoが年払いなのか月払いなのか、会社の制度はどうなっているのか、確認しておきましょう。また、手続きが必要な人には、iDeCoを申し込んだ窓口の金融機関からご案内が届いていると思います。忘れずに手続きをお済ませくださいね。

■事業主証明書の廃止

事業所の登録状況やiDeCoの加入資格や掛金の上限等を確認するため、上記図1のB~Fに該当する人は今までiDeCoに加入する際、勤務先から事業主証明書を発行し、それをiDeCoに加入予定の金融機関に提出する必要がありました。

しかし、iDeCoを管轄する国民年金連合会にて、管理が可能になったため、2024年12月以降はこの事業主証明書が不要となります。iDeCoを早く始めたくても、会社からこの証明書がなかなか発行されない、時間が掛かるといったこともあり、この証明書1つ廃止されるだけでも、かなり手続きがスムーズになっていきますね。
(注)事業主払込を行う方は引き続き必要です。

■脱退一時金の受給

iDeCoは老後の資産形成のための制度であるため、原則60歳まで解約したり、途中で引き出すことはできません。たとえるなら「60歳まで口の開かないお財布」のようなものです。そのため毎月の掛け金の支払いが厳しくなり、手元にお金が欲しいといった理由などでは解約できません。

今回の改正は、次の事情により、脱退一時金の受給が可能となります。
先ほど、現在加入中の企業型DCや企業年金(DB)など、その他制度の掛金相当額とiDeCoの掛金の合計が毎月5.5万円を超えることはできないことを説明しました。
もし、企業型DCや企業年金(DB)の掛金相当額が大きく、iDeCoの最低掛金の5,000円を割ってしまう場合、iDeCoを継続することができなくなります。

【図3】

iDeCoの最低掛金の5,000円を下回り、かつ下記の脱退一時金の受給要件を満たした場合、脱退一時金を受給できます。
【2024年12月以降のiDeCoの脱退一時金受給要件】
(1) 60歳未満であること
(2) 企業型DCの加入者でないこと
(3) iDeCoに加入できない者であること
(4) 日本国籍を有する海外居住者(20歳以上60歳未満)でないこと
(5) 障害給付金の受給権者でないこと
(6) 企業型DCの加入者及びiDeCoの加入者として掛金を拠出した期間が5年以内であること又は個人別管理資産の額が25万円以下であること
(7) 最後に企業型DC又はiDeCoの資格を喪失してから2年以内であること
※ 上記(1)~(7)のいずれにも該当する必要があります。
※ 上記(3)の「iDeCoに加入できない者」とは以下の方になります。
・国民年金第1号被保険者であって、保険料の免除を申請している、又は、生活保護法による生活扶助を受給していることにより国民年金保険料の納付を免除されている方
・日本国籍を有しない海外居住の方
・DB等の他制度に加入する者(企業型DCに加入する者を除く。)であって、5.5万円からDB等の他制度掛金相当額を控除した額がiDeCoの掛金の最低額を下回る方

◆最後に

2024年12月のiDeCo改正について説明しました。公務員の方や、お勤めの会社に企業年金制度がある方は、今回の改正の影響を受ける可能性があります。
ご自身の場合、改正によってiDeCoの掛金がどのように変わるのか、あるいはiDeCoだけでなくNISAも活用して、将来の資産形成をどのように進めていけばよいのか、など疑問に思われる点があるかもしれません。
セゾン顧客本位の相談室では、お客さまひとりひとりの状況に合わせて、ご相談を承っております。iDeCoやNISAに関するご質問はもちろん、将来のライフプランについても、お気軽にご相談ください。

セゾン顧客本位の相談室
高野 具子

(出所)
厚生労働省 2020年の制度改正 ◇企業型DC、iDeCoの拠出限度額にDB等の他制度ごとの掛金相当額を反映(2024年12月1日施行)

厚生労働省 DB等の他制度に加入している方へ(公務員を含む)(PDF)

厚生労働省 企業型DCを実施する事業主・従業員の皆さまへ(PDF)

セゾン投信公式noteに過去のアーカイブが掲載されています。ぜひそちらもご覧ください。

【ご留意事項】
当資料は情報提供を目的としてセゾン投信株式会社によって作成された資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。投資信託は値動きのある有価証券等に投資しますので基準価額は変動します。その結果、購入時の価額を下回ることもあります。また、投資信託は銘柄ごとに設定された信託報酬等の費用がかかります。各投資信託のリスク、費用については投資信託説明書(交付目論見書)に詳しく記載されております。お申込にあたっては販売会社からお渡しする投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。

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