日常の中にある気まぐれな訪れがやけに根源的なものであるということ〜藁束をかき集めて〜
農家を営むかたわら、ひょんな思いつきで今年から米俵を作ることにした。その手慣らしとして、まずは藁で鍋敷き作りを始めてみた。
最初は毛羽立った藁をすいて、出た藁くずで鍋敷きの土台をつくる。これがなかなかな思うようにいかなくて少し苦手だ。
けれども、この土台次第で出来栄えが違うため、気持ちを入れて取り掛かる。
あちこちに散らばった藁くずを、両手でがさがさと集めて、なんとか形にしようともじょもじょと手指で束ねる。そうして掴んだ藁を、何度も曲げたり、伸ばしたり、握ったり、しならせた