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目次頁 東日本大震災に駆け付けたヘリパイロットの隔靴掻痒記 3.11とその前後

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1話 3.11発災情報は管制無線の傍受だった

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 2011年(平成23年)3月11日(金) 14時46分。私は隠岐空港に着陸していた。その管制無線で関東かどこかで巨大な地震が発生したことを知り派遣されるであろうことを予期した。

2話 被災地への飛び石推進

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 発災翌日3月12日早朝、目的地も不明のまま母基地を離陸。だが搭載物多く燃料搭載量が少ないため、飛び石で燃料補給しつつの飛行を開始。

3話 隔靴掻痒の始まり

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 3月12日15時42分花巻空港到着。宿舎となる体育館に徒歩移動して休めとの指示。翌日は07時からブリーフィングを始めるとのこと。頭がくらくらした。日出は05時48分なのに。

4話 夜と昼の間のトワイライトと第1任務

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 太陽が地平線の下にあっても薄明期と薄暮期のトワイライトゾーンでは、ほぼ昼間と変わらぬ目視任務が可能だ。だが日出の2時間と1分後に離陸しての第1任務は釜石行き。被災地のおぞましい景況に唖然とする。目的地に着きはしたが。

5話 釜石観音横の中学校に着陸するも動きなし

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 通信途絶の釜石。行けと指示された中学校に着陸するも動きなし。救急車らしいサイレンが聞こえてきた。負傷者を収容し最寄りの病院へ搬送する。病院横の狭いグランドには6機のヘリコプターが蝟集することに。

6話 流し営業させない待ち受けのタクシー会社のごと

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 前5話と同じ日付3月13日の午後の任務だ。当然飛行任務の都度花巻空港に帰投している。通信インフラはほぼ崩壊しているのに、流し営業をさせず、呼び出し電話を待つタクシー会社のようなヘリコプター運用が続いている。なぜ被災現場近傍にヘリコプター運用の前方拠点を設営しないのだろうか。

7話 適正なヘリコプター運用は任務分析から

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 戦力リソースを効率よく駆使して、目的を達成するためには、目の前の問題に飛びついてばかりいては、袋小路に入ってしまったり、もっと大事なことに気がつかなかったり、とても問題の本質、つまり目的を解決する部隊の運用はできないのだ。
 その「目的」はなにか。そこから「いかに」行うかが導き出される。

8話 指揮所活動「任務分析の次に行う状況判断」

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 災害対応立ち上げ時には、先ず前話の「任務分析」を行い、ついでその分析を発展させ「状況判断」すべし。その状況判断の前半部分の一例を示した。その任務達成のための方策(行動方針)が一つなどあり得ないのだ。

9話 あるべき「状況判断」の結論と現実 その結果

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 前話では「状況判断」の前半部分を示した。ここではその後半部分、行動方針の列挙から結論に至る思考過程を取り上げた。これは大事な決断を行なうときのチェックリスト的存在であり、思わぬ思考の忘れものを防止するものだ。そして残酷だが適正な思考過程を欠いたことの結果を、その実行機関が公表していた。

10話 ヘリコプターによる救助活動 宮城県の場合

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 宮城県では沿岸部をエリア分けして対応した。
「◯◯県からの応援ヘリは✕✕地域を担任。細部機長所定。非救助者は△△へ後送。燃料は▢▢にあり。日没まで任務継承とするも燃料補給時に任務変更を予期せよ。かかれ」これだけでいいのだ。

11話 宮城正面活動内容と岩手正面ヘリ運用計画の一例

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 宮城正面の防災ヘリコプター運用の実態と陸上自衛隊による夜間運用の紹介、そして岩手正面であるべきだったと考えるヘリコプター運用計画(命令)の一例を示した。
 運用計画(命令)は任務分析そして状況判断を通して導き出される。

12話 災害現場直接支援ヘリコプターの運用

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 任務分析、状況判断、そして運用計画(命令)の一例から「災害現場への直接支援ヘリコプター派遣」を案出した。その運用の実態とそれをなすため処置しなければならない事項を考察した。

13話 罹災市町村とヘリコプターのコンバインド運用

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 発災から72時間は徹底的に飛行させる。そしてその後はヘリコプター運用の方向性も変質してくるだろう。その両期間を通じ現場に派遣されたヘリコプターと現地市町村とのコンバインド運用を考察した。

14話 阪神淡路大震災におけるヘリコプター運用

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 消防防災ヘリコプターの現在の配備状況とその導入整備の歴史を、また阪神淡路大震災でのヘリコプター運用について記しました。


つづく

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