ついにル・ポールのドラァグレース新シーズンが配信開始した

先日、ル・ポールのドラァグレースについて紹介記事を書いた。
こちらは非常に多くの人に読んでもらえて、恐縮なことに同好の方々からのいいねもいただいた。
本当にありがとうございます。

先日ついに待ちわびていたドラァグレースのシーズン12がNetflixで公開された。
しかしこのシーズンは非常に大きな問題を抱えたシーズンであり、前シーズンからの視聴者の多くが混乱し戸惑う複雑なレースとなった。
今回はこちらについて、概略と、自分の感想を書き留めようと思う。

1.クイーンのスキャンダル

ドラァグレースの新シーズンをまだかまだかと待ちわびていたのだが、そんな中ドラァグレースのシーズン12に大きな問題が発覚した。
参加者(しかもTOP4に食い込んだ有力なクイーン)のスキャンダルである。

スキャンダルの発端はFacebookの告発、その後各SNSやRaddit(アメリカ版2ch)でさらに深く掘り下げが行われた。
内容としては、俳優志望の人(複数人)に自分の偽名のメールアドレスを渡し、別人のブッキングマネージャーを装ってステロイドの服用をさせたり、裸の画像を送らせたりしたとのこと。
性的被害を告発するケースは過去のドラァグレース参加者にもいたが、今回は人数が非常に多く、中にはドラァグレース撮影中・撮影後の被害者もいたため契約違反となった。
またこれに伴いフィナーレには該当者を参加させず、その後のワールドツアーや関連イベントも全て出演させないという処分となった。

過去ドラァグレースで失格になった参加者はいるが、これは撮影中に素行不良で失格になっており、フィナーレなどには参加している。
これを考えるとこの処分はかなり重いものである。
もちろんやった事としてはかなり深刻な内容なので仕方ないが、その注意書きを番組冒頭に流した上で、そのクイーンが画面内に入るため多くの人が戸惑いや混乱をレビューしていた。
自分もそうだ。
正直何度も番組を見ながら該当クイーンに対して複雑な感情を抱いていた。

シーズン12はこれ以外にも非常に裏側のトラブルが多く、もちろんコロナの影響もあり非常に厳しいシーズンになっている。
コロナの影響のある中で、何をどうすればいいのか?と模索しているように感じた。
もちろん魅力的なクイーンたちがたくさんいることには変わりない。

2.リアリティーショーの是非

木村花選手の自殺があったせいか、リアリティーショーというものに対しても考えてしまった。
ドラァグレースも特定のクイーンがヒールであるかのように切り取って演出されていることがあった。
そのせいで放送後にヘイトを向けられる参加者も多々いる。
アメリカは特にヘイトによる暴力事件などもある上、人種差別なども絡み参加者としてはリスキーな点も多い。
今回も見ていると「あれ、これ意図的か?」と思うような場面があった。
これも、今回の失格騒動合わせて苦手な人にはとても苦手に捉えられるように思ってしまう。

ただ、それでもドラァグレースは面白いとぼくは思う。
ネタバレになるが、とあるエピソードで番組ファンの女性にドラァグクイーンメイクを施すというのがある。
参加者の一人はとても太っているせいで小さい頃から虐められ自信が持てないと語り、それをクイーンが慰めて、メイクを施す。
鏡を見た瞬間、美しくメイクされた自分を見てその女性の顔がパッと輝き出すのがぼくはたまらなくグッときた。
コンプレックスに支配されている人が、自信を持ってセクシーなドレスを纏って自分でない自分を演じる。
これこそがメイクの醍醐味であるし、ドラァグの魅力であると思うからだ。
クイーンたちが華やかな衣装を身に纏う、その様を見ているとやはりこの番組は素晴らしいと思った。

3.つまりどういうことかというと

なのでぼくは自信を持って言う。
ル・ポールのドラァグレースを見ろ、と。

ぼくの日々のゼロカロリーコーラに使わせていただきます