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大切なクルー集めと航海準備

前回からの続き

前回の記事では企画づくりを以下のポイントを中心に書いていきました。

ITは目的に応じて引き算で考えると超便利
そのためには・・・
▶︎メッセンジャーでは1対ALLの情報共有を意識的に行う
▶︎オンラインミーティングではタスク=作業意外の情報共有を行う
▶︎演出に拘らず、届けたい価値観は何かに時間をかける(それを元に人を巻き込む)

今回はいよいよチーム編成・チーム運用についてお話しをしていきます。多分今回のプロジェクトで一番重要なことを書き起こせるのではないかと感じています。それではどうぞ!

WHY(価値観)から編成しよう

チーム編成で一番大切なことは『能力<共感』です。チームメンバーを組成するときに陥りがちですが、能力(機能)でメンバー集めをしだすと大概機能しません。漫画ワンピースのルフィは剣士、航海士、コック、船医、音楽家・・・と役割のイメージは持っていても、出会うメンバー全員に声を欠けてはいません。必ず、「コイツが良い!」と一本釣りをしています。

企画への相思相愛から集めたメンバーは戦で言うと、大将になる可能性が高いです。特に士気高く、楽しんで、自分ごととして関わってくれるメンバーは起案者の強力な味方になります。*ちなみに今回のプロジェクトでは覚醒したメンバーがゴロゴロ出てきました。本当助かりました。

そして、そんな大切なメンバー探しはリーダーが足で探すことをお勧めします(ワンピースのルフィとおんなじです)。また、さいもんのようなコミュ障や、ネットワークがない人は優れたコーディネーターに全力でwhyを売り込むことをお勧めします。そして、つないでくださったご縁にはいちいち感動と感謝をしてください。

ちなみにどれだけコアメンバーを共感で固めるかと言う話しです。全員が全員そうである必要はありません。ただ要所では必ず共感を埋め込むよう説明は意識できるとより良いです。

当然新規メンバーを迎え入れる時にはなぁなぁにせず必ず企画書と一緒に、価値観の説明を厚くして、その反応を見極めることをお勧めします。

チームとして機能することを目指す環境づくり

突然ですが、チームには成長ステージがあることをご存知ですか?

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第1ステージ「フォーミング(形成期)」
第2ステージ「ストーミング(混乱期)」
第3ステージ「ノーミング(規範期)」
第4ステージ「トランスフォーミング(変態期)」
出典:株式会社ナガオ考務店

ざっくり説明すると、フォーミングはメンバーがお見合いをしている状態。ストーミングは本音の意見が出始め、議論が起きたり、対立が起きる状態。ノーミングは目標がメンバー共通のものとなり、自立的に動き始める状態。チームとして成果が出始めるのもこのタイミング。最終形態のトランスフォーミング(元ソニーの天外さんはフロー状態に入るという表現を使う)はチーム全体澄んでいる状態。そこはあうんの呼吸が息づいており、成すべきことが共通化され、個人が高いパフォーマンスを安心して発揮できる。チームメンバーはお互いを信頼し、必要な状況で新しいリーダーが出現する。そんな感じです。*詳しい内容を知りたい方は文末におすすめの書籍を記載します。

なんでこんな話しをしたかと言うと、さいもんが描いているチームの理想型はこのトランスフォーミング(変態期)だからです。そして、そこに向けてコミュニケーションや仕組みを考えています。今回の夏祭りのチームは最終形態がトランスフォーミングの入り口に立つ兆候を感じました。とはいえ、メンバーの特性や、人の集め方によって、このアプローチは異なると思うので、今回はその中でこれはポイントだったなと思う項目を5つに結晶化していきたいと思います。

1)チームで決められる座組みを目指す

大切なことは基本的にチームメンバーで決められる状況が好ましいです。今回の場合は自主開催+初開催という状況だったため、スポンサーもいなくあらゆる決定権がチームにありました。個人的にはスポンサーや協賛を募る場合も、広告枠以外は忖度しないコントロールを保持できる形で募った方が良いと思います。

2)平等な立場を作り・維持する

2人以上の人が集まると、チームの中で上下の関係が起こります。このランクはチームが求めている価値や能力によって順位が決まります。そのため、チームが求める価値観の中に、「平等な立場を重視する」ことを定めることが大切です。これは明示してリーダーは必ず遵守した方がいいです。また、基本的に褒めることも上位の人が下位の人にする行為ですので、できるだけ避けることをお勧めします。リーダーは一番マウントしがちです。*さいもんが取り入れた仕組みは主に3つ。
●宣言する
リーダーがマウンティングは必要ないと宣言します
●仕事についてなるべく聞かない
人によっては無自覚に自己紹介でマウンティングをしてしまうことがあります。一度それが発動すると別の人のマウンティングも誘発しがちです。それよりも、好きなことや、プロジェクトに関連するトピックについて質問して、全体で共有することがお勧めです。
●ニックネーム制
くん、さんづけは構いません。みんなが一貫してニックネームで呼び合う状態を作れれば大丈夫です。役割や立場を外すことが目的ですので、すでにニックネームで活動していて権威などがそのニックネームについている人はニックネームを変えるのもいいかもしれません。

3)明確なゴールの設定と説明する

チームとして何がゴールか明確にします。ゴールテープがどこにあるのか、これをシンプルに提示することです。まちかど「超夏祭り」のゴールはイベントを成功させることではなく、初めての「オンライン夏祭り」を開催することがゴールでした。当時は手段(イベントの実施)を目的化すると説明していました。そのため、イベントによる効果(楽しかった・感動する)は追加で生まれるものです。ましてや、そのクオリティはゴールでもなんでもありません。*ちなみに立ち上げ時はクオリティを目指した企画を作りましたが、速攻でゴールを変更しました。

4)感情・感覚の共有を行う

ここまで何回か出ていますが、感情と感覚はチーム作り、意思決定においてとても大切な要因です。利害関係ある無しに関わら、現代の話し合いでは、正論ではメンバーがパフォーマンスを発揮する意思決定は難しいです。人は感情に大きく左右されるものです。感情を跨いで議論を進めても最終的に感情によってちゃぶ台返しがおきます。つまりロジカルに議論を進めたい人は先にエモーションを扱うのが理にかなっています。*ちなみに話し合いには会話と議論と対話の3種が存在するので、その違いを調べることをお勧めします。

5)安全・安心感づくりを目指す

究極ですが、安全である・安心感があるチームを作ることを目指します。基本的にはどこまで行ってもこれは達成できないと思っていますが、そこを目指すことであらゆる設計が変わってきます。そして、最初に説明したトランスフォーミングの最強のチームづくりにおいて、ここの設計は避けて通れません。*夏祭りの場合は企画立ち上げ時にまちかど「 」のガイドラインを設計しました。多分他のコミュニティでも使える内容なので参考にできる部分はそのまま転用してOKです。

また、今チームがどういう状態にあるか、プロジェクトの進捗を確認すると良いです。特に決まったことの進捗がない、明らかに遅い場合は、安全でないか、安心でないかのどちらかの可能性が非常に高いです。

ということで、ここまでがチームに関するお話でした。チームは奥が深く、言い始めたら終わりがありませんが、プロジェクト活用において必要なポイントに絞ってお伝えしてきました。次回はいよいよリーダーの役割についてお話しをします。

本記事のまとめ

チームづくりには、編成方法と運用方法の2つのアプローチがある
最高で最強のチームを作るためには・・・
▶︎価値観偏重型チーム
▶︎仕組み(ガイドライン・文化)でチームづくり・運用を目指す

おまけ
▶︎「完璧なリーダーはもういらない」 新時代の高パフォーマンスチームの作り方。僕の大好きなヤッホーブルーイングさんと長尾さんの対談です。21世紀型のチームを作りたい方はまず読んどいたほうが良いと思います。

記事を読んで興味を持たれた方は書籍もおすすめです。宇宙兄弟のムッタを例にしていてキャッチーで読みやすい内容です↓。

▶︎サイモン・シネックの『優れたリーダーはどうやって行動を促すか』
リーダーシップのテーマだけど、チームビルドの内容だと思うのでこちらの記事で紹介。眼から鱗の記事だし、速攻で使える内容なので必見。


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