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唐松(カラマツ)について

当社では「唐松(カラマツ)」という樹種を使い、集成材を製造・加工しています。

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カラマツはスギ・ヒノキほど全国に流通していませんが、北海道・東北・中部地方等に生育しています。

①唐松(カラマツ)とは?

カラマツは日本固有の樹種で日本の針葉樹のうち唯一の落葉樹です。そのため「落葉松」と書かれることもあります。秋になると葉を黄金色に染め、長野県の山の景色を美しく彩り、たくさんの人を魅了しています。実際に見るのはもちろん感動的ですが、写真に収めても見事です。

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カラマツの高さは30m前後、幹の太さは最大で1mになる大木で、年輪は赤茶色っぽく、割とハッキリとしています。雪の重みにも耐え、たくましく育つカラマツは強度が強いことで知られています。また、他県のカラマツに比べても長野県のカラマツは強度等級が高く、評価されています。標高の高さや寒暖差が影響しているのかもしれません。

しかしその一方、ねじれながら成長するという特徴があり、螺旋状に繊維が育つため、しっかり乾燥をさせないと割れ狂いが出やすいです。また、他の樹種に比べ、ヤニ・節が多いことも特徴です。ヤニがあることで飴色に変わる経年変化を楽しむことが出来たり、防腐や防虫効果を発揮するのでメリットでもありますが、加工する点ではデメリットでもあります。

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②唐松(カラマツ)の歴史

カラマツは成長が早く、育苗が容易、そして根付きが良いため戦後各地で造林されました。長野県で林業目的で継続的に造林されるようになったのは明治12年(1879年)に北佐久郡下で造林されてから。カラマツは雪が降り寒さの厳しい長野県でもしっかりと根付き成長するため積極的に造林されたそうです。

冬雪


昭和30年代後半まで土木用材として黄金時代を築きましたが、その後コンクリート杭や鋼板が発達、加えて外材の輸入量増加に伴い、カラマツの需要が激減。新たな用途開発が必要とされました。

そんな中、長野県では、昭和40年代に脱脂乾燥技術の開発に伴いカラマツの欠点とされていた割れ・狂い・ヤニの問題が大幅に改善。構造材として新たな利用価値を見出すことに成功しました。

現在は集成材とすることでより安定した木材となり、構造材として建物の柱・梁、壁・床など内装、テーブルや棚などの家具、など様々な用途で利用されています。

③まとめ

カラマツはほかの樹種に比べ非常にクセのある樹種です。欠点を取り除くためには手間がかかりますし、技術も必要となります。しかし、丁寧な乾燥を行いカラマツ素材を活かすことで、重厚感があり、強度が強く、安定した木材となります。

現在、長野県の人工林のうち約55%がカラマツ林です。当社のある東信地区でも半分以上をカラマツがしめています。
近年、その多くの木々が木材として利用に適した伐採の時期を迎えており、当社はそんなカラマツの有効利用の促進に取り組んでいます。

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