ミュトスの雨<神へ捧げるソネット>#85
佐佐木 政治
ときとして 言葉は無愛想だ
ぼくらにおかまいなしに流れてゆく
ときとして 言葉は無関係の罠を張る
夜空に漲る沈黙の(或いは饒舌の)星となって
おゝ何とその身近な殷賑
笹の葉をすべる結露のように
左右に走りたがる
あふれる涙のように熱くなり ゆがむ
しかし しっかりと枝に結わえられ
我が身ほどは熱くならない
問うすべもない
遠さはむしろこの地上にある
いやらしい距離は すぐ脇の物影にひそんでいる
人間の言葉は 殊にいやらしい
>>>>>>>いつもフォトギャラリーから素敵な写真を使用させていただいています。感謝してます。ありがとうございます。<<<<<<
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亡父の詩集を改めて本にしてあげたいと思って色々やっています。楽しみながら、でも、私の活動が誰かの役に立つものでありたいと願って日々、奮闘しています。