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神へ捧げるソネット  #53

佐佐木 政治  

ことしは奇しくも妻たちがいそいそとあなたの荒野から摘み取ってくるオミナエシから わが家の秋がはじまる
このところめったにエプロンなど着用したこともない妻が その裾に花束を巻いて戻ってくる
手取りばやくも 素脚を顕わにされたその何本かを
わが呑み残しのウィスキーを払って その黒いボトルに沈める

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亡父の詩集を改めて本にしてあげたいと思って色々やっています。楽しみながら、でも、私の活動が誰かの役に立つものでありたいと願って日々、奮闘しています。