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神へ捧げるソネット  #69

佐佐木 政治

あの丘の柵に不気味なほどやさしい顔をもたせかけて こちらを見ているクローンの羊よ
まだ朝焼けのほんの一瞬の間の彩にも充たない 人類の文明の狭間では 
すでにこよない憂愁の徴候がはじまっている
神よ その昔幾山河を越え去り来たったあなたの奥深い或る時代の荒野には
群れ集う同類がいたであろう事実は想像に難くないのだが

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亡父の詩集を改めて本にしてあげたいと思って色々やっています。楽しみながら、でも、私の活動が誰かの役に立つものでありたいと願って日々、奮闘しています。