海外在住相続問題(4) 相続税申告攻撃
こんばんは。
海外永住者が直面中の争族問題を書いています。
Intro
相続税は遺産にかかる税金です。協議して分割した遺産の割合に応じて各相続人が払います。
通常は相続人全員が共同で相続税申告をします。相続人が別々に申告することもできますが、これは税務調査が入る確率が高くなります。
私の場合、相続人は海外在住の私と日本在住の妹の二人です。この妹が共同申告を拒否してきたので私一人で海外から相続税申告をすることになりました。
ここまでのあらすじはこちらです。
絶えない揉め事
妹は相続のお金の事以外にも、ネットスラングで言うところの香ばしいことばかり言ってくるので、とにかく揉め事が絶えませんでした。
なので私は分割協議は弁護士に依頼すると早くから決めていました。
海外在住者でも日本の弁護士に依頼するのはむずしくありません。相続を扱うような弁護士さんはたいていメールや動画通話を使いこなします。海外からでも簡単に依頼できるのです。
私はネットで弁護士事務所を探し、今お世話になっている弁護士さんと契約しました。
弁護士は何する人?
その後親が亡くなり相続が発生したので私の弁護士は妹に受任通知を送りました。
受任通知を受けた妹は案の定怒りだし「あなたの費用は一切負担しないが、取る金額分の仕事はきっちりしてもらうからそのつもりでいろ」と私の弁護士にくってかかりました。
え?と最初は妹が何を言ってるのか訳がわかりませんでした。
ちなみに英語で訳のわからないトンデモな話を聞いた時の感嘆詞はWTF!です。
妹の他の言動と合わせると、どうやら妹は自分で勝手に親の資産を処分するつもりだったようです。だから私が弁護士を雇ったのは妹の代わりに資産の処分をさせるため、と思って怒ったようです。
もちろん弁護士さんは「妹さんと私はそういう関係ではありません」と一蹴してました。
その後しばらくすると妹も弁護士を立ててきました。そして妹の弁護士から「財産目録をまとめてからまた連絡する」と分割協議に向けた通知が来ました。
共同申告拒否
ようやく相続が進められると思いましたが、それっきり妹の弁護士は何も言ってきません。
そこで、相続税申告が間に合わなくなるが分割協議はいつ進められるのか、と問い合わせました。
すると妹の弁護士から「共同申告は拒否する。親の資産資料は一切開示しない。分割協議はそちらの申告が終わってからする。どのみち調停するつもりだ」という返事が返ってきました。
分割協議は後でするけど調停するつもり、とは変な主張ですが、要するに分割協議は拒否、共同申告も拒否という事ですね。
さらに妹は「立替金をどうするか教えろ。申告に計上するのか?」と聞いてきました。
何も教えないと言っときながら自分に都合の良いことは教えろとは身勝手な、と私の弁護士さんも呆れてました。
もちろん返答は拒否。そして私と弁護士さんは早急に私の申告を終わらせて、こちらから調停を申し立てる方針を固めます。
こうやって海外永住の私が一人で相続税申告をする事になりました。
個別相続税申告
海外在住者の相続税申告は大変に思えますが、国際相続の経験がある税理士さんを見つければむずかしいことはありません。手続きも日本で申告をするのと一緒です。
親の通帳などは妹が隠してしまいましたが、父のエンディングノートに必要な情報がありました。なので申告自体は大した事なかったです。
ただ海外在住者は郵便で戸籍や残高証明を集めないとなりません。これには時間がかかります。日本の税理士さん(or 弁護士さん)に代理人として残高証明や戸籍を集めてもらうと早いですがその分費用もかかります。
どちらにしても書類の原本を郵送でやり取りしたり、印鑑証明の代わりにサイン証明を送ったりするのでさらに時間がかかります。
そういうわけで時間との戦いでしたが、きっちりと期限までに申告・納付を済ませました。
間に合わせてくれた税理士さんにはほんとに感謝してます。
税務調査上等?
妹はなぜ共同申告を拒否したのでしょうか。
実は妹は調停でも親の通帳など資産情報を開示しません。親の資産や相続税申告の内容で私に知られたくないことがあるようです。
私に知られたくない内容とはなんでしょうか。
これはやはり脱税と指摘されるような事をしているか、名義口座など親の資産を隠している、と言ったところだと思います。
しかし税務署は私と妹の申告をつきあわせて確認します。申告内容が違えば、税務調査になります。税務調査が入れば私も妹の申告内容を全部知ることになります。
妹が申告の内容を隠しても何の意味も無いのです。
妹には税務調査の可能性を指摘したのですが、税務調査なんて入る時は入るし、と税務調査上等といった態度でした。
日本の税務署は絶対にそんなに甘くないと思うのですが。
ちなみに私の申告では妹が引き出していた多額の直前引き出し金をきちんと相続財産として計上しました。
妹が要求していた多額の架空立替金も一切計上せず、きっちりと相続税を払いました。
まとめ
いろいろありましたが、海外在住の私が日本の家族の協力無しで、相続税申告・納付をやり遂げました。
今はオンラインで日本の税理士や弁護士とやりとりできるので、海外在住でも日本在住でも大した違いはありません。海外在住で違うところは郵送のやりとりに時間がかかることぐらいです。
そして申告ですが、他の相続人と揉めて個別申告になったら親の資産の把握が一番の問題になります。
私の場合は父がエンディングノートに情報を残しておいてくれたので海外にいながら親の資産を全部把握する事ができました。今になると父の几帳面さはとてもありがたいです。
親の資産リストを作っておく事はお勧めです。せめて親の銀行の名前を知っておくだけでも違います。海外在住ならなおさらです。
また妹の申告内容ですが、税務調査に巻き込まれるのは避けられないと想定しています。なので税務調査になった時の対応、妹が資産隠しや脱税をしていた場合の追徴税を税理士さんに相談しています。
もし税務調査が入ったら、税務署をコケにした妹のせいで海外在住者が税務調査に巻き込まれた(仮)と言うタイトルでぜひ書こうと思います。
それではおやすみなさい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?