墓まで持っていくための花澤香菜お渡し会参加レポート
花澤香菜さんの写真集「How to go?」発売記念特典お渡し会に参加してきました。4月に予定されていたものが延期となり、9月19日(土)にようやく開催へと漕ぎ着けた格好。なにか特別な出来事があったわけでもありませんが、初体験だったので一応文字に残しておこうという記念パピコです。
準備
ステージや画面越し=”輝きの向こう側”にお住まいの方と直接会ってコミュニケーションを図ることができるイベントは初めてで、いざ対面した時にどういう感情になるのか、ならないのか、そもそもスムーズな会話を成立させることができるのか、などと不安は尽きない。
先人たちのレポートを読むにどうやら1分弱ぐらいは話せそう。事前に考えた台詞を高速詠唱してハイそれまでョとはならずに済むかもしれない。かと言ってフリースタイルの勝負を挑むわけにもいかず。
①一番伝えたいメッセージを伝える
②相手からのコメントを引き出す
この2点を軸に考えました。
写真集の感想とかご結婚おめでとうございますとか、そのへんから入るのが正攻法ですが、伝えたいのは「歌っている花澤香菜さんが好きです!(これからも音楽活動続けてくださいの意)」なので、ここに肉付けしていきます。一方的に伝える/聞いてもらうというのも一つの在り方だと思いますが、1分あるならもう1センテンス行けるかもと欲張った末の②。答えやすい質問なら負担にはならないだろうという判断。いざ花澤さんを目の前にして真っ白になる可能性もあるので、ほどほどにシミュレーションしつつ、あとは流れで。自分で設定したゴールに向けて完走を目指す予定調和の1分間。高度なコミュニケーションが要求される催しだなぁとしみじみ思います。だからこそ短い時間ながら体験としての密度が高いのかもしれません。
当日
ライブ装束でライバルに差をつけろ!と思ってライブTシャツ(中止になってしまった「かなめぐり」のグッズ)を着ていくも同じ考えのオタクたちがたくさんいた。そりゃそうだ。
20人程度を1グループとしてまとめて案内される。本人確認、感染対策、防犯対策の諸々を経て入場。金属探知機まで動員する徹底ぶり。男女比は7:3ぐらい。みんな思い思いの小綺麗な格好をされていたように思います。観覧スタイルのイベントとは違い参加者ひとりひとりにとってもまたハレの舞台。
あとは順番を待つだけ…と思っていたらサプライズ的に花澤さんがご登場。盛り上がっていきましょう!的な鼓舞をいただき、会場を包んでいた緊張感は興奮へと変わる。
そして順番来たる。参加者もまたイベントを構成する一員であり、そういう意味では花澤さんと同じ立場にいる。”輝きの向こう側”からやって来た花澤さんは今、同じ目線に立っている。というか、目が合っている。花澤香菜さんが目の前にいる。目が大きい。大きい目がこちらをとらえている。飲まれまいと言葉を繰り出す。そうして会話が始まる。ビニールカーテンが隔てる心の距離などない。
せっかくなので、やり取りを会話形式で再現するあのくそ恥ずかしいやつを記憶の限り書いてみます。帰るまでが遠足、会話を書き残すまでがお渡し会。
私「ォア"、こンにちゎ…(小声)」
花「こんにちは!(透き通った声)」
特典(写真)を受け取る
私「私、歌っている花澤さんが好きで」
花「ありがとうございます」
私「2月の渋谷のライブに参加したんですけど、最高でした」
花「あ~ありがとうございます(やりましたね、みたいな顔)」
私「人生でこんなに楽しい瞬間もないんじゃないかってぐらい本当に楽しかったです」
花「そんなに…!?」
私「はい。花澤さんが歌っていて特に楽しいと思う曲はなんですか?」
花「う~ん(数秒考えて)ライブの締めでよく歌う『星空☆ディスティネーション』が好きですね」
私「わかります(予想してた回答ではある)会場の一体感が良いですよね」
花「そうなんですよ~!」
”進んでください”の看板(タイムキーパー)が花澤さんの背後に上がる
私「オンラインライブ楽しみにしています」
花「ありがとう~また生のライブもできるようになりたいですね~」
私「ありがとうございます(?)またよろしくおねがいします!(?)」
花「はーい♡」
そそくさと退場。
ああ、花澤さんとお話してしまった…高揚感を抱えながら階段を降りた。ストーブに手を置く1分は1時間に感じられるし、花澤さんと話した1分は1秒だった。なんてことのないやり取りを無事に成立させられたのが嬉しかったし、伝えたいことを直接伝えられたのが嬉しかった。もっと壊滅的な事態も想定していたので。花澤さんが今日交わしたであろう数百のやり取りの中では印象に残らないものだと思いますが、自分にとっては得難い瞬間でした。不安と緊張を抱えて震えた時間、ご本人を目の当たりにした時の喜び、お話できた感動、その全てを今静かに反芻している次第です。この記憶もまた時間とともに色を失っていくわけで、せめてもの抵抗としての記録=このnoteなわけです。
漫画『空が灰色だから』に「おはよう」という一篇があります。毎朝すれ違いざまに挨拶してくれる小学生に対し、口下手で上手く返事ができない主人公。練習を重ねた末に渾身のおはようを繰り出すことに成功しますが、アドリブで返されてしまった上に、歯抜けの可愛さに気を取られてしまい「まさかフリートークをぶち込んでくるとは~!!」というオチに至り、「明日からはべしゃりも鍛えなきゃ」で終わります。お渡し会という特異な環境で発生する特殊なコミュニケーション、まさにこれだよなぁと思いました。
今後も同様のイベントでお話できる機会に恵まれるかもしれません、その時はまた新しい「おはよう」を繰り出せるよう精進します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?