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「男性育休」とはなにか?

こんにちは。かわまんパパです。簡単に自己紹介です。

私は現在医療IT系のベンチャー企業にて、一社員として在籍しており、早5年目を迎えようとしています。このたび2020年10月に第一子を授かり、現在2ヶ月間の育休真っ只中にいます。

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「男性育休」ってなんなんだ?

そもそもですが、「男性育休」って意味は分かるけど実際なんなんだろ?って方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか?(大丈夫です、そういう私も詳しく知ったのは妻が妊娠してからになります…)

実際、子供が産まれるのはめでたい、とは思いつつも、

...男性育休って旦那さん休んで何かすることあるんですかね?

とか、

...実際、おっぱいあげたりするのは奥さんが中心になるだろうし、どうせ育休とかいって暇でしょ〜旦那は結局飲み行ってたりするんちゃう?苦笑

みたいな、心の声が正直少なからずあるんじゃないかなって思います。

この記事では「男性育休」について現在の制度背景と、そもそもなぜ何のためにあるのか?について、実際に取得した経験を踏まえて書き綴りたいと思います。(内容は2020年11月現在の状況です)

「男性育休」についての動向

「男性育休」について日本で大きく話題となるきっかけとなったのは、2020年はじめの小泉進次郎環境大臣による育休取得宣言です。

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                  画像引用:HUFFPOST記事より

子どもが生まれるにあたって、あまりに知らないことが多いので、様々な専門家や親御さんにお話を聞かせていただきました。その中で、妊娠・出産によってホルモンバランスが崩れ、産後の孤独な育児によって「産後うつ」になる方が約10%もいる、ショッキングな事実を知りました。私自身、妻の様子を隣で見ていて、率直に育休を取りたいと思うようになりました。
(中略)
私なりに考えた結果、「公務に支障をきたさないこと」「危機管理を万全にすること」を条件に、育休を取ることを決めました。最も母親の負担が大きいと言われる出産から3ヶ月間のなかで「2週間分」取得したい、と考えています。              引用:小泉進次郎オフィシャルブログ

小泉大臣の育休取得により「男性育休」が脚光を浴び始める大きなきっかけとなりました。

また最近では菅総理大臣からも、男性育休について意欲的に取得を促すような施策が増えてきています。

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                画像引用:Yahoo!JAPANニュースより

具体的には公務員の男性育休1ヶ月取得から始まり、そして今「男性産休」の創設に向けて厚生労働省の諮問機関にて来年の通常国会への関連法改正案についての話合いが進行中で、益々機運が高まっている状況です。

そして海外では先んじて、FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグも2ヶ月間の育休取得を発表しています。

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                 画像引用:THE SANKEI NEWSより

「男性育休」はいつからあるのか?

ここ最近このように「男性育休」がクローズアップされているのですが、実は日本での制度自体は、今から28年ほど前の1992年に育児・介護休業法(育児休業等に関する法律)としてすでに施行されていることは、あまり知られていないかもしれません。

しかしながら、男性育休取得率は2020年現在で「7.48%」となっており、女性の取得率が「83.0%」と比較すると、非常に低い数字となっています。
※現在の制度については、厚生労働省より動画も公開されています。

なぜいま「男性育休」が話題になっているのか?

それではなぜいま話題となっているのでしょうか?

一つ目は「少子化対策」です。

日本では、毎年産まれる子供の出生数は年々減少しており、令和元年は約86万人と過去最小の数字となりました。コロナの影響もあり令和2年は更に下がることが想定されています。

下記は厚生労働省による、令和元年の人口動態統計月報年計です。

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  引用:厚生労働省 令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概況

少子化がなぜ問題かというと、人口減少は日本経済に大きな影響を及ぼすと危惧されているからです。日本の人口は2008年の1億2769万人をピークに減少を続けており、政府もこれまでも待機児童削減や働き方改革などの少子化対策を講じてきましたが、今のところ芳しい結果は得られてはいません。

ではその少子化と「男性育休」がどう繋がるのでしょうか?

統計上、男性の育児・家事の時間が取れているのといない場合では、第2子以降の出生状況に大きく違いが出ることが明らかになっています。

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   資料元:厚生労働省/第14回21世紀成年者縦断調査【平成14年成年者

原因としては、第一子の育児を妻に任せきりにしてしまうことで子育てが妻にとってトラウマと感じてしまったり、夫婦の信頼関係が崩壊してしまうことで第二子へとは踏み切れなくなってしまうことがあるようです。

二つ目の理由は「産後うつ対策」です。

産後うつとは、出産後に発症するうつ病のことをいいます。罹患率はおよそ10%ほどで、割合的には10人に一人が発症する可能性があり、産後2週間で発症のピークを迎えます。また産後一年未満に死亡した妊産婦の死因の第一位は「自殺」ということも明らかになっています。

そのため、産後のいわゆる産褥期(さんじょくき)に旦那さんが育休を取り、奥さんを支えることは非常に重要なことといわれているのです。

産褥期について

ここで産褥期における女性の心身の状態について触れておきます。
産褥期とは、出産を終えてから約6〜8週間の期間を指します。母体は出産により相当なダメージを負い、回復するのにもそれなりの期間が必要となります。

産後の身体は、まず胎盤が剥がれることにより子宮には直径30cmほどの円形の損傷ができ、見た目にはわからなくても、実際大怪我を負っているのと同じ状態です。また骨盤は出産で開ききり、産後しばらくグラグラした状態が続きます。また母乳を作るためのホルモン分泌が一気に高まるなどでホルモンバランスが急激に変化します。

それらが原因となり、ワケもなく涙が出て止まらなくなったり、やる気が出なかったり、ちょっとしたことでもすごく傷付いたりと、メンタルに大きな変化をもたらすようになります。

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「男性育休」を取って旦那は何をするのか?

そんな中で、旦那さんが育休中にやるべきことはなんなのか、具体的にお伝えしていきます。

主には以下5つが挙げられます。
①おむつ交換 ②授乳 ③沐浴 ④買い物 ⑤料理/洗濯

こうやって挙げてみると簡単にみえますが、実際にやってみると意外に大変なことに気がつきます。例えば「おむつ交換」って1日何回くらいするか分かりますか?新生児であれば1日10〜13回ほどです。授乳に関しては1日8〜10回が目安となります。

また、重要なのは回数だけではありません。おむつ交換であれば、排泄されたのはおしっこなのかウンチなのか、ウンチであればその色や状態をしっかりと観察しなければ赤ちゃんの体調の変化に気がつきません。

授乳であれば、母乳なのかミルクなのか、適切な量を与えているのか、温度は適切か、哺乳瓶は清潔に保たれているのか、飲んだ後にゲップをさせたのか。

また、ここでポイントとなるのは親の睡眠時間の確保です。授乳はおよそ3時間おきに行う必要があるため、まとまった睡眠を親が確保することが難しくなり、夫婦間で役割の分担などを工夫していかなければ精神的な疲労もお互いに増していきます。

沐浴は日に1回ですが、首の座っていない子供を抱えながらお風呂に入れてあげるのは、慣れるまでは不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。しっかりと体勢を支えて上げながら一通り沐浴を完了させるのは一苦労です。

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そういった意味では、買い物料理・洗濯は男性にとっては即戦力となりうるところです。特に買い物は、産後の女性は歩くことすらままならず、容易には外出することもできません。

また料理は苦手な方もいるかと思いますが、お米を研いで炊くことや食器を洗うことであっても、家庭にとっては大事な家事の一つです。

洗濯
も同様にあまり普段やられない旦那さんもいらっしゃると思いますが、協力頂くと奥さんは大変助かると思います。

まとめ

「男性育休」がなぜ必要で、何をするのか?について現在の制度からその流れ、そして実際旦那さんは何をどうするのかについて、ポイントを記載しました。

この他にも、育児をしていく中でとまどうことこれはどうしたらいいんだろう?と思うことは日々たくさんあります。

そうした一つ一つを夫婦で乗り越えていくためにも、「男性育休」という期間を通じて夫婦でともに育児にあたっていくことは、子供のため、夫婦のためであることはもちろん、ひいては社会全体のためとなることだと私は思います。

ただここで一つ誤解のないように記載しておきたいことがあります。

それは、男性が育児や家事に参加することは、必ずしも正しいこと、ということではなく、あるべき家庭のモデルケースの一つとしての選択肢に過ぎない、ということです。

中にはどうしても仕事に専念をしなければならない状況下の旦那さんもいらっしゃるでしょうし、また育児家事は苦手分野だったりで、里帰りやベビーシッターを雇うなどの対策を講じた方が結果的に円満に回る、というご家庭もあると思います。

大事なことは、育児という大きなライフイベントに対して、夫婦としてどのように対応していくことが最適解なのかを話し合い、選択をしていく過程そのものだと思います。

ただその際には、実際に出産や育児にあたってどういうことが大変で、女性の心と身体にどういう変化をもたらすのか、について特に男性は実態をより知った上で夫婦間での話し合いと選択をしていくことがより望ましいことは言うまでもありません。

特にこの1年は新型コロナウイルスの影響もあり、生活様式も大きく変化しています。持続可能な社会を今後作り上げていくためにも、今一度、育児についての知見を深め見つめ直していく必要があると、私はそう思います。

今後も、「男性育休」を通じて感じた「妊娠・出産・育児」についての記事を、私たち家族の備忘録もかねながら記載していきたいと思います。今後まさに出産育児を迎えられる方々や周りにそういった状況の方々がいらっしゃる方々などに、少しでも参考にして頂けたらと思います。

引き続きどうぞ宜しくお願いいたします。

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