環境に配慮した農業について
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環境に配慮した農業について

佐伯幸平@エボシステム代表

1. はじめに

最近農水省が発表した「みどりの食料自給戦略」なるもので,食料・農林水産業の「生産力向上と持続性の両立」をイノベーションで実現させるため、中長期的な観点から戦略的に取り組む政策方針とされていますが,

2050年の有機農業の取り組み面積の割合を25%(100万ha)まで拡大・・・という目標設定に対して

> 無理じゃない?

というようなやりとりをSNS等でみかけたり,「SDGs」とか「環境に配慮した農業」や「持続可能な農業」についての話題に触れることが多かったので,今の自分の考えていることをまとめてみました.

※ちなみに,令和元年の主食用水稲の作付面積が137.9万ha とのことなので,100万haまで拡大する目標ってのは2050年に日本で作られるお米が全て有機農業になるくらいのインパクト感があります!

※ H29年時点での有機農業の取組面積は2.3万haのもよう・・・ 30年ちょいかけて50倍にするってことか!?


2. 今やっていること

私達は「記録」や「データ」の連携が持続可能な農業の第一歩になると考え,関連サービスの開発を進めております.
「肥料/農薬費」「燃料費」「流通経費」など農家にとっての経費となるものは「環境負荷の蓄積」だと考えており,次世代農業といえばドローンやロボット等に目が行きがちですが,環境に配慮したトレーサビリティが気軽に確認できる仕組みを整えることで,農家にとって「環境への配慮」= 「売上向上」につながる仕組みとなるサービスを目指しております.

データ活用が進んだ先には,
・機械投資判断
・機械の自律稼働
・病害虫防除判断
・その日に行うべき作業の推定
・保険(衛生写真やドローンで,農業の保険料産出@イタリア)

など,「記録」や「データ」が生産者にとって有用なツールとなり,人類にとって環境負荷の少ない農業,持続可能な社会にとって大きな価値となると考えております.


3. 環境に配慮した農業とは

農業やってると,自然に良いことをしているイメージを持たれることがありますが,人間が種を撒き,そこから収穫運搬している以上,有機でも不耕起でもどんな農法であれ自然は破壊している気がします.

農作物は人工物であり,石油製品であるという視点を最近個人的に考えていて,その背景として最近の農業資材ののコスト増が挙げられます.

農業に必要な資材としては

1.種苗
2.肥料
3.農薬
4.光熱動力
5.圏芸施設
6.農業機械

これくらい挙げられますが,農業に必要な資材ってほとんど石油由来であったりします.そのため石油価格があがるとこんな風にニュースになったりします.

“四重苦”に農家悲鳴 重油、資材、飼料、肥料…高騰で生産コスト増 農産物価格は低迷https://news.yahoo.co.jp/articles/acffb377e574b38c2bd783fe95e31b959f792976
yahooニュース

原料が石油由来であったり(農薬とかマルチとかハウスフィルムとか),
部品や肥料が海外由来であるために輸送費で石油を消費するため,
日本で農作物を育てる前段階で既に多くの石油が使用されております.

(もはや,日本で育てた輸入品に近いのかも・・・)

参考までに,投入したエネルギーに対してどれくらいの産出エネルギーがあるかについて調べたりしましたが,少し古い記事しか見つけられませんでした.

投入エネルギーなどの推定の記事


私達農家が環境に配慮した農業を,持続可能な形で行うためには

・必要最低限な資材の投入で最大の利益をだすこと

でもこれって,環境に配慮とか考える以前に,利益を出すためにみんなやっていることではないでしょうか?



4.現場でできること


結論から言うと
「儲かってるか」が「環境に配慮した農業」の指標になるのではないか!?

と最近思っております.

「儲かってるか」という指標は有機とか無農薬とか品種とか品目とか関係なく,誰もが確認できる数値です.


環境に配慮してるかどうかって,イマイチぴんとこないので

・環境にいいことをしないといけないのではないか?
・環境によさそうな,いい資材を投入したほうがいいのか?
・農薬や化学肥料をもっと減らさなければならない?

といった思考に陥ってしまいがちなのですが,農作物は人工物であり,石油製品であるという視点をもってみてからは,基本的な行動も環境配慮につながるのではないかと思い始めました.

仮に石油を使う動作が「環境に悪い」のだとすると,

・畑についたけど,道具を忘れて倉庫に戻る

といった行動も無駄に石油を消費するため「環境に悪い」と考えられます.

・無駄のない作業の導線
・無理のない作付計画
・農場に合った機械の選定

など,農業経営者や現場マネージャーが常日頃考えていることも,全て環境配慮につながっていくのではないかと思います.


5. 最後に

 特別に不安がらずとも,いま現場でやるべきことをしっかりと行うことも環境配慮につながると,自分で再認識して今後の行動につなげていけたらなと思っております.

ただ,化学肥料や石油由来製品の値上がりによって,新しい技術だけではなく,過去にコストパフォーマンスが悪かったりした資材や栽培方法など,再度検討していく価値がでてくることも検討していく必要はあるかなと思っております.

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※5年前からヘアリーベッチ等マメ科の窒素固定能力で化学肥料を減らせないか一部圃場で導入してたりしましたが,化成肥料の価格UPに従い,再度コスパ検証していきたいと思っております.


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佐伯幸平@エボシステム代表
農業×IT×●● 受託webシステム開発メインの株式会社エボシステム代表. 個人事業としてブロッコリー4.5ha,スイートコーン1.5ha. 農業の発展が人類の発展につながると思っています. 農業やITの相談は問い合わせフォームから https://evosystem.jp/