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エコロジカル・アプローチ@バレーボール【2/16】基本技術(オーバーパス)習得における「制約主導」

エコロジカル・アプローチ@バレーボール【1/16】なぜ「エコロジカル・アプローチ」なのか?からの続きです。 前回、基本的な技術練習も「適切な制約を設定して練習環境をデザインする」という「制約主導アプローチ」であるべきことに変わりはないという考え方を述べましたが、今回は、具体的に「オーバーハンドパス」を題材として、「基本技術練習における制約主導アプローチ」について説明していきたいと思います。 そもそも技術を指導するとは 「正しいやり方を説明して、その通りにやらせる」ことで

エコロジカル・アプローチ@バレーボール【3/16】「変動をどのように調節するか」セッター練習の例

エコロジカル・アプローチ@バレーボール【2/16】基本技術(オーバーパス)習得における「制約主導」からの続きです。 前回はバレーボールの基本技術「オーバーハンドパス」の習得を例に ・基本的な技術も「試行錯誤」によって獲得される ・「変動が大きすぎると試行錯誤にならない」ので、変動を適切に調節する必要がある ということについて書きました。 変動が大きすぎても試行錯誤にならないし、小さすぎても「普遍性」が獲得できないということについて、「エコロジカル・アプローチ」では次のよう

エコロジカル・アプローチ@バレーボール実践例②セッター練習1

2023年10月14日に指導した某中学男子チームで、12月2日に「セッター練習の制約主導アプローチ」を試みたので、「エコロジカル・アプローチ@バレーボール実践例②」として紹介したいと思います。 「エコロジカル・アプローチ@バレーボール」シリーズや、前回の「エコロジカル・アプローチ@バレーボール実践例①アンダーハンドパスの感覚をつかむ」も参考にしてください。 セッターの動きと判断の感覚をつかむための制約主導アプローチ対象者:中学生男子1、2年生 8人+3年生1人(前キャプテ

セットするときは「ボールの下に入り、上げる方向に正対」すべきなのか?(後) -セットアップの基本を考える-(2/5)

セットする(トスを上げる)ときは「ボールの下に入り、上げる方向に正対」すべきなのか?(前) -セットアップの基本を考える-(1/5)からの続きです。 「体を上げる方向に向け」ればボールは正確に目標に向かって飛ぶのか?(コントロールのメカニズム)ボールが飛ぶ方向は体の向きだけで正確にコントロールできるものでしょうか? 例えば、セッターの右手をねらってパスをコントロールしたり、レフトへのセットをネットから50㎝離れたところに上げたりすることをイメージしてください。ブレが10㎝

セットする(トスを上げる)ときは「ボールの下に入り、上げる方向に正対」すべきなのか?(前) -セットアップの基本を考える-(1/5)

5回シリーズで「セットアップの基本」と練習方法について考えます。 1.「ボールの下」とはどこ? 2.「体を上げる方向に向け」ればボールは正確に目標に向かって飛ぶのか? 3.「どこでボールをとらえればどの方向に飛ぶか」をつかむための練習方法 4.注意してほしいこと 5.「セットアップの基本」とは? 質問箱にいただいた質問に対する答としていろいろ整理してみました。 質問を寄せていただいたのは「今年度から本格的にセッターを始めた小6男子」の保護者の方と思われます。 質問内容は

「どこでボールをとらえればどの方向に飛ぶか」をつかむための練習方法(前) -セットアップの基本を考える-(3/5)

【3/5】 セットする(トスを上げる)ときは「ボールの下に入り、上げる方向に正対」すべきなのか?(前) -セットアップの基本を考える-(1/5) セットするときは「ボールの下に入り、上げる方向に正対」すべきなのか?(後) -セットアップの基本を考える-(2/5) からの続きです。 練習方法練習としては、「どこでボールをとらえればどの方向に飛ぶか」をつかむために、徹底的に試行錯誤を繰り返すことですね。動画【フォーラム】セットのバイオメカニクス(後編)の「天使の輪」を体で理解す

「どこでボールをとらえればどの方向に飛ぶか」をつかむための練習方法(後) -セットアップの基本を考える-(4/5)

【4/5】 「セットアップの基本を考える」5回シリーズの続きです 1/5 「ボールの下」とはどこ? 2/5 「体を上げる方向に向け」ればボールは正確に目標に向かって飛ぶのか? 3/5 「どこでボールをとらえればどの方向に飛ぶか」をつかむための練習方法 4/5 注意してほしいこと 5/5 「セットアップの基本」とは? 注意してほしいことシリーズの1回目(1/5)で「問題のある練習」について書きましたが、重要なことは「どこでボールをとらえればどの方向に飛ぶか」をつかむための練習

「セットアップの基本」とは? -セットアップの基本を考える-(5/5)

【5/5】 「セットアップの基本を考える」5回シリーズの続きです 1/5 「ボールの下」とはどこ? 2/5 「体を上げる方向に向け」ればボールは正確に目標に向かって飛ぶのか? 3/5 「どこでボールをとらえればどの方向に飛ぶか」をつかむための練習方法 4/5 注意してほしいこと 5/5 「セットアップの基本」とは? 「基本」とは「動作のやり方」ではなく、「もっとも汎用性のある動作原理」だということが重要です。 最もよく使われる動作のエッセンスのようなもの、その感覚をつかむこ

オーバーハンドパスのハンドリングについて(1/3)-「持つ」=「接触時間が長い」ではない-

前シリーズ「セットアップの基本を考える」1~5で「方向転換」の原理とその身に付け方について解説しましたが、それ(サイドセット)をするにはかなりの「ハンドリングの能力」が必要なのではないかとのコメントをいただきました。 実際には全く逆で、「方向転換の原理」に取り組むことで、ハンドリングのことにはほとんど触れずに、結果としてハンドリングがとてもよくなっていきます。この秘密も含めて、今回は「ハンドリングの動作原理」特に「持ちパス」との違いと、どのように取り組んでいけばいいかについ

オーバーハンドパスのハンドリングについて(2/3)-「キャッチ」の判定基準-

オーバーハンドパスのハンドリングについて(1/3)-「持つ」=「接触時間が長い」ではない- の続きです。 「キャッチ」の判定基準について前回説明の通り、「持ちパス=キャッチの反則」を 「肘の2 way action」(ボールタッチ後に肘を曲げて伸ばす) で定義して判断するのが一番合理的だと考えていますが、ルールやその取り扱いでも 2 way action が問題にされてはいるものの、その定義は曖昧と言わざるを得ません。 2022年度6人制 審判実技マニュアル(JVA審判規

オーバーハンドパスのハンドリングについて(3/3)-「トスを溜める」の中身-

オーバーハンドパスのハンドリングについて(1/3)-「持つ」=「接触時間が長い」ではない-  オーバーハンドパスのハンドリングについて(2/3)-「キャッチ」の判定基準- の続きです。 ※2022.9.19 「手のバネを柔らかくする」という表現を「手のバネの硬さを下げる」に修正しました。 「トスを溜める」には3つの方法がある「トス(セット)を溜める」というのはセッターの重要な能力と考えられていて、そのことが「持てるセッターの方が上手い」になっているのではないか?と思われます

セッターの立ち位置は少し右寄り(ゼロ・スロット)を基準とすべきなのか?(1/3)

多くのセッターがコートの中心より少し右寄りに立っている。なぜ? こんな疑問を持ったことがある人はいるだろうか? 私はバレーボールを深く理解したいと思うようになってからこのような疑問を持つようになった。しかし、これまで長い間「些細な疑問」としてそのままにしてきたのもまた事実である。 しかし、ある私が尊敬したやまないバレーボール・コーチとの会話によって突如として、私の「些細な疑問」は解決に向かったのである。しかし、考えてみればみるほど決して「些細な疑問」として終わらせてしま

¥100

セッターの立ち位置は少し右寄り(ゼロ・スロット)を基準とすべきなのか?(2/3)

セッターの立ち位置は少し右寄り(ゼロ・スロット)を基準とすべきなのか?(1/3)からの続きです。 アリー・セリンジャー氏がゼロ・スロットをセッターの立ち位置基準にした理由を考察する先述した通り、私の尊敬するコーチからアリー・セリンジャー氏がスロット・ゼロをセッターの立ち位置基準とした合理的な説明を受け、セリンジャー氏のスロット修正の意図を理解することができた。

¥140

セッターの立ち位置は少し右寄り(ゼロ・スロット)を基準とすべきなのか?(3/3)

セッターの立ち位置は少し右寄り(ゼロ・スロット)を基準とすべきなのか?(1/3) セッターの立ち位置は少し右寄り(ゼロ・スロット)を基準とすべきなのか?(2/3)からの続きです。

¥300