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執筆実績:有名企業でも要注意?隠れたブラック企業かも

有名企業で働くことは、社会人だったら一度は考えるものです。

綺麗なオフィスで働き、名刺に自分の名前と一度は聞いたことがある社名が印刷されていれば、もうそれだけで優越感に浸ってしまいます。

その優越感に要注意。そう思わせてしまえば企業側の思う壺です。

有名企業でも、そういった社員の誇りを利用して経費節減や、退職防止を暗に行っている可能性もあります。
待遇がいいように見せかけて、よく見れば全く良くないということも少なくありません。

今回は、そんな有名企業というネームバリューを利用して社員を縛り付けている例を紹介します。

新卒採用は大学名と志望動機だけ?
これで個人の何がわかる??

転職を考えている人もそうでない人も、新卒者の採用試験を一度は経験しています。
その時のことをよく思い出してみてください。

「弊社を志望した志望動機を教えてください」
「学生時代に力を入れたことは何ですか?」

このような質問が思い出されると思います。

採用試験での回答はよほど個性的なものでなければ、面接官の印象に残ることは困難と言えますよね。
質問の模範回答集が書店などで売られていることを考えれば、同じような回答を耳にタコができるぐらい聞いているのではと簡単に想像がつきます。
某マスコミなどは志望動機が言えれば採用すると採用HPに書かれていたこともありました。
これってでもおかしいですよね。
採用試験で見ることが志望動機だけって。


これは独立行政法人経済産業研究所による調査です。
企業の人事担当者を対象に「事務系総合職採用の際、大学時代の経験が有能な人材に結びつくことを考えているか」というアンケートに対する結果です。

大学生の代名詞でもある専門性、サークル・体育会、アルバイトの活動が、その後有能な人材になるために必要なものかというアンケートに、「大いに考えている」と回答した人事担当者はそれぞれの項目で2割以下でした。

大学生活の活動内容が「有能な人材になる基礎になる可能性がある」と考えている程度という結果でした。
(画像出典元http://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/16j022.html

結局、大学時代の活動なんて、企業側から見れば参考程度にしか考えていないということなのではないでしょうか。

大勢が受ける有名企業であればあるほど、新卒者を見る部分は「大学名」と「志望動機(どうしても入社したいという熱意)」だけということになります。

大企業での転勤は大半が企業都合?
個人にとっては迷惑?!

そんなある意味「どんぐりの背比べ」で入社した新卒者は有名企業に入れたというだけで満足してしまいます。

自分は他の人とは違うという「選民」意識を持つような人も中には出てくるかもしれません。

しかし、企業側から見れば、替えの利く人材でない「オンリーワンな人材」が出てくることを内心恐れています。

それは、その人間が退職すれば、企業活動に即座に影響が出る可能性が考えられるからです。
こうした有名企業は出来すぎる人間を嫌う傾向にあると言えます。
そのため、企業側も「ジョブローテーション」を行って、全社員が平均的にまあまあできるという状態を作ります。
ジョブローテーションとは以下のようなことを行うことを言います。

・2年ごとに部署が変わったり、業務内容の変更を伴う転勤がある
・本社と地域支店などを行き来するような転勤があり、その度に役職が変わる
・営業部門を2年間、技術部門を3年間、総務部門を3年間などキャリアに一貫性がない

これは、表向きは「様々な部署の業務を経験して社内業務を広く知る」ことを目的としていています。

しかし実際には、同じ部署に何年もいるとスペシャリストとして成長してしまい、替えが利かなくなりやすいという状況を防いでいるような気がします。(企業側もこれらに公式な見解を公表していません。当たり前ですが…)

特に国内に複数拠点があるような会社では、本社と地域支店などを行き来する人事が多く見られます。

大企業になると、一度本社で勤務し、数年後、支店に課長などで戻ってくるという出世街道のようなものが存在します。

しかし、本社での業務が数年間やった人と、地域支店で何年も頑張った人を比較する時、地域支店で頑張った人は本社勤務歴がないと判断され、昇進に遅れが出るということがよくあります。

つまり、「転勤」をしていないということで昇進できないという結論を突きつけるのです。

でも、よく考えてみてください。
転勤をしないことで昇進ができないってなんだかおかしな論理ですよね。

仕事はテキトーにやっていても、数年経った後に来る転勤の依頼だけに喜んで受けていれば、自動的に昇進していくことになります。

転勤は、引っ越しも伴うものであれば、個人の私生活は大打撃を受けます。
それが3年から4年といったスパンで繰り返されれば、落ち着く暇もありません。

当の本人は昇進のためと家族や周囲の人間に説明して滅私奉公をします。
「自分は会社に選ばれて、出世街道を歩いている。だから、こんなに転勤が多い」と自分の陥っている状況に酔っているような人もいるでしょう。

そうやって転勤を繰り返して、他社では全く通用しない人間になっていっているかもしれないのに…。

熾烈な出世競争の行く末は?昇進 or dieの現実

出世街道を歩くためには、転勤を受け入れるだけでは足りません。
出世街道に残るために、次のようなハードルを設けている企業もあります。

・直属の上司から気に入られる、
・営業成績がよい、
・TOEICテストの点数がいい

そんな高すぎるハードルを入社当時は意気込んで超えていた人も、数年経つと、ハードルを越えることができず、出世を諦めてしまう人もいます。

高度成長期からバブル期などには、そういった人でも平社員で有名企業に残ることができました。

しかし、日本経済が停滞した90年代から2000年代にかけて、多くの大企業は余剰人員の切り捨てを行いました。給与体系の異なる子会社を設立して、一定の基準を満たさない人は子会社へ出向させる人事を行うようになりました。

そこでも成果が上がらない社員などは子会社への転籍や下請け企業への人員の押しつけなどを行った例もあります。

昇進を諦めるのは本人の自由です。

しかし、そうさせないために企業が首にナイフを突きつけるようにして、「昇進しないならそれ相応の手段を取る」といった脅しをしていることが果たしていいのかという疑問が残ります。

このような出世競争を勝ち抜いた人は会社に対して表向き肯定的な態度を取るイエスマンしか残らなくなります。

それが、企業経営にとって都合がいいのでしょうが、嵐が吹いた時(業績が悪化した時)に多様な人材がいなくなっているということが、企業を弱らせてしまうことになってしまうと感じます。(業績悪化時にブラック企業化することはよくあります)

ニンジンをぶら下げられたレースで、一つでもハードルを越えられないことが死ぬことを意味するのであれば、そんなデスマッチのようなレースに参加すること自体がブラック企業の所業だと感じます。

有名企業や大企業でも、こうした昇進 or die の例は多々あります。

結局はどこかで名前を聞いた企業を受ける 
企業研究をしているつもりの人が多い

新卒でどこの会社に入社するのかを考えるとき、結局はどこかで名前を聞いたことのある企業を受ける人が多いことがこの問題の根本にあります。
でも、有名なことは決して悪いことではありません。

名前「だけ」で入社を検討する人があまりにも多いから問題なのです。
面接を受ける際に、次のような部分を見て受ける企業を決めてはいませんか?

・企業の採用ホームページで作りが凝っているところで選ぶ
・大手企業が会社名に入っていると安心する
・採用の募集要項でよく見るところは福利厚生欄

これらは大手企業ではよく見せる傾向があり、これだけで面接を受ける企業を考えているようであれば、注意が必要です。

某有名な不動産販売業者(名前は伏せますが)での話で有名ですが、学歴も正社員歴もない人が正社員で採用されて喜んでい たら、毎日チラシのポスティングだけだった、しかも尋常じゃないノルマだったというものがあります。
これもまた、名前だけは有名な企業へ名前だけ見て応募して採用になったために起こった悲劇です。

特に日本人はこうした有名なものは安心、信頼できるという迷信にも似た信条を持っている人が多いです。
それによる有名企業の杜撰な仕事が明るみに出ることは後を絶ちません。

特に自分の入社を検討する会社は最低でも悪いうわさがないかネット等で調べるなどのことはしてみたほうがいいかもしれません。

まとめ

新卒で内定をもらった人も、中途採用で入社を控えている人も、有名企業に勤務できるということだけで有頂天になってはいないでしょうか?

その内情は外部から見た華やかなものとはかけ離れていて、ドロドロとした誰かを蹴落としても上に立ちたいという自己顕示欲と出世欲の巣窟かもしれません。

もちろん有名企業であっても、働きやすい企業も多く存在します。
問題はこれからあなたの勤務する企業はどうかということです。

見た目の華やかさや有名と言うだけで、募集企業を選んでしまうのではなく、総合的に企業をみて優良企業かを見極める術を持ちましょう。


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