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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと

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連載の小説。三十歳になったぼく。大学時代を振り返る。 亮介さんは、大学の先輩。クセの強い、変わり者。 あおいさんも大学の先輩。海外志向の、ちょっとワガママな女性。 亮介さんとあお…
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#大学生

【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと 2/30

「亮介さんは、大学生のころに戻りたいっておもいますか?」 とぼくは聞いた。 「おおん、そ…

雑賀千尋
6年前
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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと 4/30

ふと気がつくと、鳥貴族には亮介さんとぼくしかいなかった。 テーブルに残っているのは、空の…

雑賀千尋
6年前
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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと 11/30

となりの席では、大学の先輩と後輩とおぼしき二人組がいる。先輩が後輩に、生命保険の大切さを…

雑賀千尋
6年前
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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと 12/30

ドバイというのは、アラブ首長国連邦を構成する首長国のひとつである。日本でも、金持ちの国と…

雑賀千尋
6年前
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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと 13/30

ドバイは、イスラム教の国ということもあって、お酒は「基本的」には飲めないらしい。この「基…

雑賀千尋
6年前
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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと 14/30

そのあと、亮介さんは、なんでドバイにはインド人が多いのか、ドバイの人はどうやって恋愛する…

雑賀千尋
6年前
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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと 15/30

《6 亮介さんとあおいさん》 亮介さんのことを変人だの、頭がおかしいだの、といっているが、ぼくはけっきょくのところ、彼の世界観や感性に魅力を感じているのである。 なぜなら、ぼくという人間は、多少ひねくれているところや斜にかまえているところがあるけれど、どうしようもないくらい凡庸な人間だからである。その凡庸さ、平凡さを隠したいがために、歪んだ態度をとっているのである。 そして、亮介さんのイズムのようなものに感化されたのである。彼に感化されてから、血のにじむような努力をした