【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと 15/30
《6 亮介さんとあおいさん》
亮介さんのことを変人だの、頭がおかしいだの、といっているが、ぼくはけっきょくのところ、彼の世界観や感性に魅力を感じているのである。
なぜなら、ぼくという人間は、多少ひねくれているところや斜にかまえているところがあるけれど、どうしようもないくらい凡庸な人間だからである。その凡庸さ、平凡さを隠したいがために、歪んだ態度をとっているのである。
そして、亮介さんのイズムのようなものに感化されたのである。彼に感化されてから、血のにじむような努力をした