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センスがなくても色塗り上手になれる!色模写練習のポイント

どうも、四次元イラストレーターの西城澪です。


白状します。

私は色塗りが苦手でした…。


上手に書けたと思った絵も、色を塗ると「あれ?劣化した?」なんて思うことも。下書きの方がマシじゃん!と机を何回叩いたことか……(笑)

しかし、プロになるためには嫌いだなんだと言っていられません!

色塗りへのニガテ意識を克服するために私が行ってきたのは、「色模写」。
これは自分の感覚やセンスをアテにせず、徹底的にお手本をマネする練習です。

今持っているセンスで色塗りが上手くできないということは、外から新しい風を吹き込まないと状況は改善しません。

自分のセンスはいったん横に置いておいて、お手本の色塗りを観察・分析することに集中することで、色塗りの上手い人のセンスをインストールすることができます!

この練習を繰り返すことで、今では色塗りが大好きになりました。

センスがないなら、真似すれば良いじゃない。

今回は“西城流「色模写練習」”のポイントを詳しくご紹介します。

さっそくいってみましょう!

1.模写するイラストを分析する

200513_怒りをぶっ放さないOL

今回は上のイラストを、真似する元の絵として説明します。

元絵が、どんな塗り方で塗られているのか分析しましょう。

アニメ塗り、厚塗り、ブラシ塗り、はたまたその他の塗り方なのか、大まかになら判断できると思います。そしてその塗り方の工程を頭の中でおさらいしておきましょう。

このイラストはアニメ塗りなので、アニメ塗りの一般的な工程で塗っていきます。

2.線をトレースする

200510_怒りをぶっ放さないOL_線画

まず、線画をトレースします。模写ではなくトレースするのは、

・色塗りに集中するため
・配色や影の付け方や位置をできるだけ正確に模写するため

「模写」は目的を明確にシンプルにして取り組んだ方が効果があると言われています。この練習では色塗りのセンスを吸収することに集中したいので、模写の狂いを直すことに時間はかけません。

また、完成した際に線画がズレていると、元絵と比較しにくいという理由もあります。

3.下塗り

200510_怒りをぶっ放さないOL_下塗り

肌、髪、服など部位ごとにレイヤー分けして色を塗っていきます。

下塗りの色は、元絵からそのままスポイトで拾います。

4.影を置く

200510_怒りをぶっ放さないOL_1s

下塗りと同様に、元絵から直接色をスポイトで拾って1影を塗っていきます。

なぜスポイトで拾うかというと、

「影は彩度の低い暗い色」など、自分の持つセンスに影響されないためです。

影が基本の色より明るかったり、彩度がとても高いこともあります。思った以上に暗いことだってあります。

・カラーサークルのどのあたりの色か
・基本の色(下塗りの色)と比べてどのくらいの明度と彩度の差があるだろう
・レイヤーが乗算だったら、どの色を使うことになるのかな

など、元絵で使われている色を分析してください。

「こんな色を使ってるんだ!」という驚きや発見があなたの糧になります。

カラーサークル

このイラストの影色の選び方は、カラーサークル上では基本色の右斜め下、色相環を少しずらした色を選んでいます。


200510_怒りをぶっ放さないOL_2s

更に暗い部分の色を拾って2影を塗っていきます。

5.ハイライトを置く

200510_怒りをぶっ放さないOL_h

ハイライトも影の時と同じです。

元絵からスポイトで色を拾って塗っていきます。

どのようなところにハイライトを置くのか分析しながら塗ってくださいね。

レイヤーも「加算」「覆い焼き」「スクリーン」「ソフトライト」など色々試してみると良いでしょう。しっくりくるものを選んでください。

6.反射光やその他の工程

200510_怒りをぶっ放さないOL_反射光

反射光

反射光に加え、物の裏側(髪の内側、ヒールの裏)にもあえて彩度の高い色を入れています。

200510_怒りをぶっ放さないOL_稜線

稜線

稜線に彩度の高い色を置いています。

200510_怒りをぶっ放さないOL_色トレス

色トレス

元絵によってはフェルターやエフェクトを加えたりします。

7.完成

200510_怒りをぶっ放さないOL_完成

背景と湯気、文字を描いて完成!

お疲れ様でした!

8.メモ

色模写途中で気づいたことや、特徴などをメモします。

今後同じ手法で塗りたいと思った時に振り返ることができますし、文字で書くことで自分のイラストに落とし込みやすくなります。要は応用が効きやすくなるんですね。

9.オリジナル作品を描く

まだ終わりではありませんよ!

色模写で吸収した塗り方を利用して、オリジナルイラストを描いてみてください。

おそらく憧れのイラストレーターに一歩近づいた塗りができるようになっているはずです。この瞬間、私はいつも嬉しい気持ちになります……!

復習にもなるので、より自分の手法として定着しますよ!

191215見習い剣士_エフェクト_web

同じ手法で塗ったイラスト

まとめ

色模写練習をいろんなイラストレーターで何度も繰り返し行うことで、配色や影色の選び方で悩むことがグッと減りました。

同時にそのイラストレーター独自の塗り方センスを盗むこともできるので、色塗りの幅が広がります。

センスが無ければ真似すれば良いのです。何度も繰り返すことで感覚として根付いていき、自分のセンスになります。

色塗りが苦手な方!まだまだ諦めるのは早いですよ!!
ぜひこの練習方法を試してみてください!

他にもパッケージを擬人化して配色やデザインを楽にする方法も書いていますのでぜひご覧ください♫


最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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