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明日も頑張ろ

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大丈夫 あなたは素晴らしい 明日が遠く感じるあなたへ
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2024年4月の記事一覧

夜の01:08、魔法のライブ

春の風がそよそよと吹く夜、窓辺に佇む彼女はスマートフォンを手に01:08を待つ。今宵も、彼女の日課が始まる。その世界には顔も知らない、どこかの誰かの何気ない日常が小さな花を咲かす。 毎晩01:08から始まるライブ。たった一人か二人のファンのため、彼は歌い、語りかける。彼の優しい声が、寂しい夜を包み込む。彼女は居場所を求め、その時間に思いを浸す。 今日もやってくるいつもの時間。ささいな日常の話しから始まり、心の奥底に触れる言葉を綴る。時間はゆっくりと流れ、彼女はその音色に耳

息継ぎ

静かなる水面に、 ひとつひとつの息継ぎを数えながら、 疲れた心は流れを求めて。 朝の光に目を覚まし、 通勤の波に身を任せ、 会議の海を渡り、 湯船の港で一息つく。 日々は繰り返し、 私はそのリズムに身を委ねる。 時には、深い呼吸をして、 ケーキの甘い香りに包まれ、 ヨガのポーズに心を解き放ち、 ピアノの音色に耳を傾け、 アニメの色彩に目を奪われる。 すべてを忘れ、ただひととき、 「さぁ、充電完了」 新たな息吹で、 今日もまた、泳ぎ続ける。

赤い金魚と僕の物語り

風が止み、夕焼けが空を染める頃、静かな町の一角に佇む古びた家。 早くに両親を亡くし、姉は嫁ぎ、広い家にただ一人。生きるために生きている。三十路を目前にし、僕は考えることを諦めていたそんな人生について向き合っていた。金魚鉢の前に座り、水槽の中で穏やかに泳ぐ「金魚」に話しかけて。それは、投影していたのかもしれない。金魚鉢で飼いならされる金魚と僕を。 姪っ子がお祭りで手に入れたその金魚は、飼い猫を理由に僕のもとへと託された。とても小柄で泳ぎ方が少しだけ変な真っ赤な金魚。定期的に水

君を迎えに

こっちだ 次は右だ んー、左だ! ここは、どこだ!? 後ろを振り返ると君がいない 迷わず自分に従って進んできた迷路だけど 呆然と過去を見つめる どこから来たっけ どこの道で間違ったっけ どこに進めばよかったっけ 一人で決めて一人で進んで 誰もいないことに今更気づいて どうすればよかったんだっけ俺は 足を止め考える 後ろを振り返り思い返してみる なぜ俺はここにいるのか 自問自答の日々 君の声に耳を傾けようとせず 勝手に鼓舞し追い詰めて 一人にしたのは俺だったんだ

ふわふわの葛藤

朝からずっとふわふわする 集中力も持たなければ 頭も回転しない それはそうか普段から回転していないから ならなぜだろう このふわふわは 風邪か夢か、はたまた恋か どれも当てはまらない そんな日もあるよと私の中の天使が囁く それでも頑張れよと私の中の悪魔が囁く いや、逆かどっちが悪魔だ もぅそれさえもどうでもよくて いや、本当は考えて考えて儚い答えを 求めたいがそれすら叶わない それほどにふわふわする自分を 憎んだり憎めなかったり おやすみ、神様。

落葉樹

もう春だというのに、木は芽を出さない 湧き出た感情は枝分かれし 私の複雑な心のように自由に、不自由に伸びる 感情の吐き出し方が解らない、私みたい 落葉樹のように、春が来れば葉を茂らせ 青々とした木になると思っていたが 私は感情を失い、枝分かれがさらけ出されている いつになれば私に春が来るのかと願っていたが 落葉樹も、なかなかに美しいと思った いろんな経験をいろんな感情とともに 複雑に、でも丁寧に枝を伸ばした私の姿は 想像以上に育ち、芽を出そうと待ちかねている だか

絶望からの抗い

あなたとなら不幸になってもいいと思っていた 今あるものがいつか壊れてしまうくらいなら 今のうちに全部 壊しておこう 全てなかったことにして そうすれば傷つくこともない 永遠なんて最初からなくて 約束なんて初めからしなければいい 記憶も記録も全て消し去って これでもう傷つかないことが約束できる もうそれしか残ってないから 私の柔い心がつぶれる前に あとがき 過去からの解放と新しい始まりへ

背中合わせ

夜更けのトイレへ小さな足が進む 双子の兄弟、手を取り合い、勇気を出す 「今日の映画、怖かったね」と小声でつぶやく 「うん、でも大丈夫。僕が背中を守るから、僕の背中守ってね」と返す 背中合わせ、暗闇に立ち向かう 見えない敵に、心臓はドキドキと高鳴る けれども、二人がいれば怖くない 背中合わせ、勇気がふたりを強くする トイレの灯りが、ほっと息をつかせる 「大丈夫だよ、何もいないよ」と兄が言う 「ねえ、また明日も一緒に行こうね」と弟が願う 背中合わせ、手を取り合って 闇を追い払

月夜のドライブ

目的なんてないけどドライブ 理由なんてないけど窓を開け 音楽と満月を一つ 普段聞かないラップなんて聞いて ちょっと気分上げちゃって どこに行くのかどこまで行けるのか いつもつけるピアスもネックレスも 時計も全部全部置いてきた 何もない私、最強 今日あったいい事を満月に語って 〇と△シリーズ 好きな言葉をお題として組み合わせ詩を作る 今日は 満月 × ドライブ

浮き輪の愛

悲しくて悲しくて泣いていたら 息子が浮き輪をもってきて 膨らますからどうしたのって聞くと いっぱい泣いてもいいんだよって ハンカチじゃなくて?っていいかけたけど なんだか全部どうでもよくなって 今日からパパいなくなっちゃうんだけど どうしよっかって聞いてみた 「じゃぁ今日から僕がパパね」って言うから 浮き輪に空気入れて 泣いた こんなママでごめん そんな君でありがとう 〇と△シリーズ 好きな言葉をお題として組み合わせ詩を作る 今日は 浮き輪 × 涙

流れる世界の中で

あの雲は秒速何センチ あの太陽の光の速度は あの海の波の数は わたしの心拍数は 考えても何にもならないけど 世界は動いていることを実感したい 私が生きていることを証明したい ゆっくりでもあっという間に通り過ぎる 飛行機雲へ聞く 明日はどっち 毎分毎秒変わる世界に 「また明日」って話しかけてから帰ろう 地球と今日の私へ

焦燥と情熱の間で

若者の声が響く 「私、〇〇を本気でやります」という宣言 その言葉に心がざわめき、 アラフォーの壁を越えても、 本気を知らずに過ごした日々 時計の針は容赦なく進み、 焦燥感が心を覆う 本気とは、始める勇気、続ける力、 そして、今この瞬間を生きること 今、本気で生きる道を歩む あとがき 気付いたらアラフォー note始めてから37日連続投稿 これが117記事目 楽しんでます、私

蜘蛛先輩

「蜘蛛先輩!」 彼は私たちのリーダー、蜘蛛のように計画的で精密、粘り強く冷静、そして自立心の強い憧れの存在。仕事の手際はまるで芸術のよう。誠実に、情熱を込めて導いてくれる。 彼の傍にいると自信が湧き、経験と決断が穏やかな指針となる。決して責めずに解決策を示してくれる。 彼のような魅力的な人柄と優れたスキルに憧れ、彼の足跡を追いたくなる。 彼は私たちの憧れ。今日も呼ぶ「蜘蛛先輩!」って。 〇と△シリーズ 好きな言葉をお題として組み合わせ詩を作る 今日は 蜘蛛 × 先